記憶
ゆりあは悩んでいた・・・・
行くべきかどうか。
そして
自分の行動に後悔していた。
そこへ
再び携帯が鳴った。
裕子からだった
「はい・・」
「なにやってんのよ!!早く!!時間がないよ!!」
悲鳴と言うより叫び声がゆりあの耳に飛び込んできた。
そして、ゆりあは、病院へ向かった。
病院へ向かうゆりあ。
その前に奈々枝が現れた。
「一体どうなってんのよ。」
ゆりあに食って掛かる奈々枝
「ごめんなさい、時間がないよ。」
早く行こうとするゆりあのの手を引き足止めをする奈々枝
その時、雄太が二人を見つけた
「あたしの応援をするって言ったじゃない。」
「今は、それどころじゃないの!!」
「裕子から聞いたわ!!このドロボー!!」
「ごめんなさい。奈々枝ちゃん。でも、もう行かないと!!」
「どういうことよ!!!」
「ごめん・・」
ゆりあは小さな声でいう
「どういうことよ!!」
再び奈々枝が叫ぶ
ゆりあは、奈々枝の方へ振り向き、涙を流しながら直立不動で叫んだ
「私の好きな樋口さんの手術がはじまるのよ!!」
その光景に驚いた奈々枝
「いま・・・なんて・・」
ゆりあの手を握っていた力が消えてきた。
「ごめんね・・すきなの・・ひぐちさんのこと・・」
その一言で、奈々枝の手がすっと離れた。
「だから、行かせて・・」
言い残しゆりあは、走り去った。
手術の時間が迫っていた
やがて、看護士が手術の準備にやってきた。
「もうすぐ手術です」
翔を搬送用のベットに載せた。
そして
時間が来た、病室から出る翔、
その頃、ようやくゆりあが病院に着いた。
廊下を押され手術室に運ばれる翔、
「樋口さん!!」
ゆりあがあわられ、ベットと一緒に歩く
彼女に気付いた翔・・
「石原さん・・僕は・・・ゆきえに似ているからじゃない・・」
「うん・・」
「ただ・・ただ・・」
「うん・・」
「ただ・・・君のことが好きなんだ・・・」
「うん・・」
「だから・・」
手術室に入って行った。
それを見届け・・涙するゆりあ・・・
横で裕子が「お兄ちゃん・・・」とボソッと言った。
二人は軽く手を握りしめ涙していた。
手術が始まった。
手術室の前で並んで座る二人
「石原さん・・・」
話しだしたのは裕子だった。
黙って裕子この方を見るゆりあ、
「実は、記憶に障害が残るかもしれないの・・」
「えっ?」
「どんな症状になるかはわからないけど・・・」
どう答えたらいいのかわからいゆりあ
「お兄ちゃんは、多分、石原さんのこと、忘れないと言いたかったの。」
「ごめんなさい・・」
その言葉にしばらく黙るゆりあはしばらくしてぼそっとつぶやいた。
「ありがとう・・・」
しばらく二人には、沈黙が続いた。
ゆりあは、翔と出会った頃を思い出していた。
手術が終わった。
しばらくして、翔の目が開いた。
「お兄ちゃん」
「ひぐちさん・・」
翔の目の前には、二人の女性が立っていた。
「裕子か・・・」
声が出たがもう一人がわからない。
そして、「この方は?」と聞いた。