見つめる瞳
再婚しても、子供の名前まで変えないよね?と悩むゆりあ・・・
その前に、私は、彼のことが好きなの?と考えると胸が痛い
もし、彼がお兄さんだったら・・・
大変だ・・・
やっぱり・・
無理よねと思いつつ・・
気付いたら朝だった・・・
プロジェクト会議に出るゆりあ・・
あのことが気になって仕方がなかった。
そして
気付くとつい翔を見ていた。
一方、翔も気付いたらゆりあの方を見ていた。
時々、目が合いそらす二人・・・
やがて、会議が終わりに同僚の一人が声をかけけてきた
「石原さん・・大丈夫?」
「どうして?」
「どうしても。何も・・・見すぎですよ。樋口さんを・・・」
「そんなに見てましてか?」
顔を真っ赤にするゆりあ・・
「ええ・・・」
「うそ・・・」
「でも・・」
「でも・・」
「樋口さんも気があるのでは?」
「なぜ?」
「樋口さんも見てましたよ。・・あなたを・・」
「えっ?」
さらに驚くゆりあ。
「まぁ・・じゃ?」
「じゃl」
ゆりあが、会議室を出ようとすると、
樋口が立っていた。
「あれ?奈々枝は?」
聞くゆりあに
「今日の打合せは?」
「打合せ?」
不思議そうに見るゆりあ
そして、
「あっ・・」と声をあげた。
「ついでだから・・・お茶でもしながら、打合せません?」
そう翔が言って、二人は、近くの喫茶店に入った。
「あの・・」
同時に話しかける二人・・・
「そちらこそ・・」
「いえいえ・・樋口さんこそ・・」
「この間はありがとうございました。」
「えっ?」
「これですよ。これ・・・」
腕をまくりミサンガを見せる翔
「あっ・・・」
驚くゆりあ、
「あ~・・・・・」
コーヒーを口にするゆりあ
だいぶ前のことよねと考えていると
「お兄ちゃん!!」
声がした。
二人が振り向くとそこには、裕子がいた。
「裕子・・どうしたんだよ」
「いや・・別に・・偶然よ。奈々枝とここで待ち合わせしただけだから。」
そういいつつ、なぜか、ゆりあの横へ座った。
「すみませ~ん。ホットひとつ」
「ふ~ん・・この人がお兄ちゃんが好きになった人か・・」
ゆりあをまじまじと見る裕子
裕子?えっ?と驚きながらゆりあが
「あの~」と声をかけようとすると
「私、妹の裕子よろしく。」
と握手をしてきた。
「石原ゆりあです。」
「ゆりあさんか~へぇ~ところで、何歳?」
「25です。」
「25?私と同じ?」
会話をしていると裕子は奈々枝を見つけ
「あっ、奈々枝!!こっちこっち」
裕子が奈々枝を呼んだ。
「じゃぁ。しばらく、仕事に戻ってね。」
二人は言われなくてもと、仕事の打合せをした。
「裕子!」
現れた奈々枝、横にいる二人を見て・・・
「なんで二人が?」
「仕事の打合せだって」
「ふーん?、樋口さん」
翔の横に座った。
「ところで打合せは」
「まぁ・・終わったけど・・・」
そう答える翔を見て、
「じゃぁ・・・連れて行ってもいいわね。裕子ごめんね」
奈々枝は翔の腕を引っ張り、連れ去ってしまった。
裕子と二人になったゆりあ・・・
「よいしょ」
ゆりあの前にすわる裕子・・・
「邪魔者は、いなくなったわね。」
「えっ・・?」
「ゆりあさん・・・」
「はい・・・」
「お兄ちゃんを頼むわね。」
「そう・・言われても・・・」
戸惑うゆりあに、
「なに言ってんのよ。この仕事をしてからお兄ちゃん、元気になったんだから。」
「そんな・・」
「じゃぁ・・」
裕子が去って行った。
「もう・・」
ゆりあが我に帰ると4人分の支払いが残っていた。