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甦る英傑たち

21XX年。

日本政府は歴史解明を目的として、かつてない国家プロジェクトを進めていた。

「戦国武将クローン再生計画」

最新の遺伝子工学によって、戦国時代の武将たちを現代によみがえらせるという前代未聞の研究である。


東京都内にある研究施設。

研究室のモニターには八人の名前が表示されていた。

『・・実行済み・・』

織田信長。

豊臣秀吉。

徳川家康。

武田信玄。

上杉謙信。

黒田孝高。

加藤清正。

真田昌幸。

『・・中断・・』

北条氏康。

今川義元。


「予定では十人だったんだけどな……」

クローン作製担当の大村リアムがため息をついた。

隣では歴史学者の木村祐介が資料を整理している。


「仕方ないさ。培養装置の不具合だ。残り二人は修理が終わってからになる」

本来なら十人の武将を復元する計画だった。

しかしクローン生成装置が予期せぬ故障を起こし、計画は途中で中断されていた。


そのため、先に完成した八人だけが研究対象となっている。

武将たちは歴史実験の一環として、日本史の重要な転換点だけを学習していた。


戦国時代。


江戸幕府の成立。


明治維新。


そして第二次世界大戦。


だが、それ以降の未来についてはほとんど教えられていない。


「さて、今日は体格データの最終確認か」

木村が研究棟の奥を見た。

そこには巨大な銀色の装置が設置されていた。

時間観測装置――通称タイムマシーン。

戦国時代の人体情報を取得するために開発された実験機だった。

その時だった。

警報音が研究施設に響き渡った。

『異常発生。異常発生。装置出力が安全基準を超過しています』

「まずい!」

リアムが叫ぶ。

次の瞬間、装置の中央が黒く歪んだ。

猛烈な風が研究室中を吹き荒れる。

書類が舞い上がり、机や椅子が引きずられていく。

「装置を止めろ!」

木村が叫んだ。

だが間に合わない。


近くにいた八人の武将たちが次々と引き寄せられていく。

「これは何事だ!」

信長が声を上げる。

「皆、何かにつかまれ!」

家康が叫ぶ。

しかし武将たちは吸い込みに耐えきれなかった。


一瞬の閃光。

そして――。

八人の姿は研究室から消えていた。

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