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心の傷跡  作者: reno
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第2話

やっと、委員会が終わった。


想定では2時間くらいかかると思ったが、今日は自己紹介とこれからの予定を話して終わった。


この時間ならまだ特売肉はあるな。


そう思っていた。これから走ってスーパーに行こう。


「伊藤くん。この資料教室に持ってこう」

「うん。」


正直後悔した。委員会というのはこんなにもめんどくさいものだったのか。


もう次はやらないでおこう。そう考えていた


「伊藤くんはもうすぐ帰るの?」

「うん」

「放課後は何する予定?」

「えっと…スーパーに行こうと」

「スーパー?おつかい?」

「まぁ、そんな感じかな?」

「じゃあさ、私も着いて行っていい?」

「え?」

「いや?」

「嫌じゃないよ。一緒に行こう」


あぁ、まじか。


まさか一緒に行くことになるなんて、思いもしてなかった。


さすがに主婦のような買い物したら、ほんとにおつかいとか思われたら嫌だし。


とりあえず特売肉を買って。また後で一人で行くしかないな。




「よくおつかい行くの?」

「うーん、まぁよく行くかも」

「お母さんのお手伝いしてるの偉いね」

「ま、まぁ。頼まれたから仕方なくって感じかな」

「それでもちゃんと行くの偉いよ〜」

「そ、そうかな?」

「うん!偉い。私なんて頼まれても面倒くさくて行かないかも。」


実際は自分で買いに行かないとご飯食べれないから。

こんなこと言っても信じて貰えないだろうから。

言わないでおこう。


「伊藤くんは何買うの?」

「えっと。特売肉を買おうかな」

「特売肉買うなんて、主婦みたいだね。」

「お母さんに頼まれてて」

「そっかぁー。私はキャベツ買おうかな」

「いいね。」


しばらくして、別れた。


松田さんを家の近くまで送って。そのまま来た道を帰ってスーパーに来た。


まさか2回もスーパーに来るとは思わなかった。


野菜に追加の肉。調味料。


諸々買って。家に着いた。


家に帰ってからは休む暇もなく。ご飯を作る。


1人なんだからもう少し休んでからでもいいんじゃないと思うかもしれないが。


さすがにお腹がすいた。今日は忙しい日だった。


何を作ろうかな。


たった一人なのでなるべく簡単なものがいい。


毎日のようにご飯を作ってきて。1番楽でお腹いっぱいになるのは野菜炒めだと言うことに気がついた。


なので今日も野菜炒めを作る。


ちなみに野菜炒めは3日連続食べている。


野菜炒めは飽きない。色んな味付けがあるから。


一瞬で野菜炒めを食べ終わってしまった。


朝も暇だが。夜はもっと暇だ。


テレビも特に見たいのはないし。


スマホは持っててもあんまり見ない。


やっぱり本を読むのがいちばん楽しくて、時間がすぐ過ぎていく。


今まで読んだ本は全て本棚に収納しているが、多分

100冊は超えるだろう。


正式に数えたことは無いが。


色んなジャンルの本を読んできた。


ミステリー、ファンタジー、歴史、SF。はたまた恋愛まで。


色んなジャンルがある中で僕が1番好きなのはミステリーだ。


特に事件ものが好き。


実際にあった事件や、創作の事件。なんでもいいが。


読みながら犯人を考えたり、最後の怒涛の伏線回収。


犯人が当たった瞬間などはやっぱり面白いし。楽しい


本を3時間ほど休憩を挟んで読み終わったあと。


布団に入る。


寝ながら。本の評価をする。


だいたい10点中何点かな〜とか。伏線回収どんぐらいあったかなとか。犯人は予想しづらかったかなとか。


そんなことを考えてるうちに眠りにつく。




ピピピッとアラームが鳴る。


アラームをすぐに止めて起き上がったら。一日の始まり。


いつも通りやることをやって。学校に行く。


学校に着いてからも。隅っこの席に座って本を読む。


ここまではいつも通りだが。


最近は変化がある。


ここ2、3日松田さんが話しかけてくる。


まずは挨拶。おはようから始まって。本の話題に入る


この本面白かったよ。とか教えてもらった本全部読んだよ。とか


そのせいか最近は他の男子からの視線を感じる


「なんであいつと松田さんが。」

「学級委員同士だからだよ。」

「俺は告白しても断られたのに」

「なんであんな地味なやつと松田さんが。釣り合わないだろ」


そんな声がちょくちょく聞こえてくる。


自分から松田さんに話しかけてないのに。松田さんから話しかけてくるのに。


なんでこんなことを言われなければいけないんだろう。


まぁ、気にしなければいいかと思った。


昼休みになってからは図書館に行く。


最近は一緒に行ってもいい?と聞くことなく着いてくる。


だから、聞いてみた


「ねぇ、松田さん」

「どうしたの?伊藤くん」

「なんで松田さんは僕と一緒に図書館行ったりするの?」

「うーん。伊藤くんといると楽しいから!」

「楽しい?」

「うん!本のおすすめとか教えて貰えるし。話すのもすごく楽しいから!」

「そうなんだ。でも松田さん彼氏とかいるでしょ?彼氏と話したいとか。そうゆうのはないの?」

「え?彼氏?」

「うん。彼氏いるんじゃないの?」

「私彼氏なんて居ないよ。」

「でも、みんなに告白されて」

「あー、みんな告白断ってるから。」

「え、そうなの!?」


あの噂は本当だったんだ。


噂なんて信じたくない。本人から聞いた訳じゃないから。


噂はただの妄想に過ぎないから。


「全員断ってるのに。毎日のように告白されて。ほんと困る。」

「そうなんだ。」

「だから、伊藤くんと話す方が楽しい。伊藤くんは私の事、学校1の美少女って思って接してなさそうだから。」

「まぁ、そうかも。」

「それに。私全然美少女なんかじゃないし。」

「松田さんは性格もいいし。可愛いと思うよ」

「そうかなー?」


松田さんはあんなに美人さんなのに。


自信が無い感じだったな。

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