七話(配信回)
『コラボ配信』新人とダンジョンに挑みます!『シクレッツァ、クライシス』
「こんにちわー!」
「こんにちわー」
【こんにちわー】
【こんにちわってクライシスくんがいる!?】
【もしかしてコラボ!?】
内容はダンジョンに挑むつもりだが、その前に雑談を始める。
「今日は昨日のこともあって急遽コラボをすることになりました!」
「よろしくお願いします」
【昨日の動画見てたよー】
【本当に本人?テンションが違わない?】
【今日の朝、警備員さんに怪しまれていなかった?】
【なんで昨日の配信じゃなくて無関係な人から動画を投稿されているの?】
「警備員さんに質問されていたところを見ていた人が他にもいたんですね。あれは話の流れでクスリのことを話し合って、それで怪しまれたんです」
「クスリをヤッているのかって怪しまれましたよね。最終的には彼本人がクスリとは関係なくヤバいことがバレそうになて逃げましたけど」
「急に腕を引っ張られて学園に連れて行かれて面倒でした」
【なんでそんな展開になったんだよ】
【は?シクレちゃんに腕を引っ張ってもらえるなんて羨ましすぎるんだが?】
【なにクスリでも使ってんの?】
「強くなる方法で鍛える以外だとクスリしか思え付かないんですよね。だけど使ってもリスクが色々と高すぎて、やっぱ使えないなって話になって。それが一部しか聞こえなくて怪しまれました」
【うん。まぁ、冷静に考えるとそうだよね】
【一時的どころが一生もののリスクだからな】
【というか強くなるためには鍛えるしか無いのか】
【本当にそれだけ?】
「コメントでもありますけど本当にそれだけなんですか?何か特別な鍛え方とかしていないんですか?」
「してないと思いますけど」
「一族秘伝とか」
「ないない。普通に鍛えてモンスター相手に暴れ回ってたら強くなるって」
【これはどう思う】
【嘘は言っていない気はするが】
【審議】
【否定していたけど気づかなかっただけで何か秘密はありそう】
【本人は気づいていないみたいだけど】
「それで強くなれるの?」
「なれますよ?」
【ドヤ顔】
【かわいい】
【まだ学生なんだよな 一学年だし15くらいか?】
【あれ?それって事務所、最年少?】
「そうなんですか?ちなみに俺は15です」
【そっかぁ】
【ちゃんと年齢を答えて偉いね】
【照れて可愛ね】
【こんな子が俺たちに鳥肌立たせたりヤバいと思わせたんですか?】
【やめろ】
【思い出させんな】
「うん。私も含めて事務所のメンバーは全員二学年以上ですからね。事務所メンバーでは最年少です。ところで今日の配信する内容は覚えていますか?」
「ダンジョンに挑むんですよね?」
「そうです!」
【マジで】
【おっ、また見れんの】
【これで合成とか言い出すやつはいなくなるだろ】
【そういえば動画の最後なんで睨んでいたの?】
「そういえばそうですね。何で最後に睨んでたんですか?」
「ふぅ〜。えっ?」
「ほら動画で最後睨んでいるじゃないですか?」
「それは後ろから攻撃してきた時に殺すために決まっているだろう?」
【は?】
【なんか急に物騒なこと言い出したな】
【うわっ。なんか鳥肌が立ってきた】
「知らないだろうけど、ずっと後ろで隠れて見てたからなぁ。怪しすぎて敵だと思っていてもおかしくないだろう?」
【そうなの?】
【少なくとも動画を撮っている間はずっと後ろから見ていたっぽい】
【自業自得とは言え大量のモンスターが襲ってきても何もしていなかったし】
【必要なかったからだけじゃね】
「そうなんですね。ところでまた性格変わってません?」
「そう?そんなことより早くダンジョンに挑みましょう?」
【いや性格変わっているだろ】
【前も思ったけど色気が出てない?】
【ほんとに15の少年?】
「セックスなんてしたこと無いに決まっているだろう?」
「急に何を言っているんですか!?」
「色気があるって言われてるから勘違いだと言うために決まっているだろう?」
「なんでそれでセッ……せが出てくるんですかぁ……」
【セックス言うな?】
【セクハラだろこれ】
【顔を赤くして可愛いね】
「色気ってつまりはエロいってことだろう?つまりセックスしたからエロくなるってことじゃ「違いますよ!?」………そうなんだ?」
【本当にわかってないのか?】
【もし、そうなら純粋すぎない?】
【いや流石にネタでしょ?】
「はぁ……。もうダンジョンに挑む前の雑談も少し長くなってしまいましたし、そろそろ挑みましょう?」
「楽しみだなぁ」
【おっ、やっとか】
【本当に楽しそうに笑っているな】
【やっぱ戦うのが好きなんだろ】
「ダンジョンに挑みながら配信するのは始めてだからコメントスルーが多くなるのは許してくれよ?ふふふっ」
「そこは私がフォローするけど楽しそうですね。待ちきれませんか?」
「ええ。それはもう!」
【やっぱ本性バトルジャンキーだろ】
【強いのも俺たちの予想以上に戦って経験を積んでいる説】
【ありそう】
【努力を苦とも思わず楽しんでいるから強くなっていった感がある】
【あの色気も?】
【それは知らん】