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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
八章 学園の皆でバーベキュー

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六十六話

「お邪魔します」


「どうぞ。………俺は寝るので好きにしてください」


 部屋に入るとクライシスはそう言って早速ベッドに倒れ込む。

 そのまま数秒すると寝息が聞こえてきた。

 どうやら本気で寝てしまっているらしい。


「もう……」


 シクレはそのことが少しだけ嬉しかった。

 最初から部屋に入ったら寝ると宣言していたし、自分がいるのに本当に実行して信頼してくれているんだなとわかったのもある。

 普通は信頼している相手だからと他人の前で寝るのはキツイ。

 それでも信頼して目の前で寝てくれたのだ。

 シクレは嬉しくて顔をニヤけてしまう。


「それじゃあ早速、掃除をしましょうか♪」


 その後にご飯の準備。

 たしか麺類が好きだったことを思い出し焼きそばでも作るかと考える。

 それだけでは足りないだろうからスープや焼きそばの具材の野菜や肉、そして麺も大量に準備しようと決める。


「何にせよ、まずは掃除ですね」


 こまめに掃除をしているのか男子にしては思ったより綺麗な部屋だ。

 それとも最近掃除したばかりだから綺麗なのか。

 どちらにしても有り難い。


「これなら早く掃除が終わって、その分夕ご飯をを作れますね」


 大量に作る必要があると今から気合を入れるシクレ。

 そのためにまずは掃除だとまずは片付けを始めていた。



「………そういえばクライシスくんも男の子だしエロ本とか持っているのかな」


 掃除が終わる直前、なんとなくシクレはそんなことを頭の中に思い浮かぶ。

 そして、そういうのは何かの本の表紙に変えていたりベッドの下に隠していたりというのがよく見る。


「まぁ、あるわけ無いですよね」


 冗談半分で笑いながらベッドの下を探してみる。

 ノリでやっている部分もあるがどんな女性が好きなのかと知りたくて探そうとする。

 そのためにベッドの下を覗きこんでライト当てる。

 だがベッドの下にはライトを当てても何もなかった。

 本の表紙をめくってみるが、どれも表紙と内容が一致している。

 起こしたらマズイとできる範囲で探すが見当たらない。


「よほど隠すのが上手いんでしょうか?」


「何が?」


「男の子だしエロ本を持っていると思ったんですが……」


「年齢確認されるから普通は十八歳以下は買えないだろ?むしろどうやって買うんだよ。エロいのを探したいならネットで探せよ」


「いえ。クライシスくんのを探すことに意味があるのですが……」


「買えないから持ってない」


「そうです……え?」


「どうしたんですか?」


「うるさかったですか?」


「いえ、普通に起きただけです。お陰で回復しました」


「はい………」


 エロ本を探している姿を見られシクレは冷や汗を大量に流す。

 掃除が終わったとはいえ遊んでいる姿を見られて嫌われていないか心配になる。


「なんか綺麗になった気がするし掃除してくれたんですね。ありがとうございます。まだ速いですし時間が余ったんでしょうけど、どうせなら一緒に夕食でも作りますか?」


「そうですね!せっかくですし焼きそばを作ろうと思ったんですけど良いでしょうか!?」


「良いですよ。じゃあ大量に作りましょう」


「はい!」


 焦りと遊んでいたことを撤回させるために必死にクライシスの意見に賛同するシクレ。

 クライシスとの共同作業だということに少しだけ嬉しく思いながら挽回しようと必死になる。


「さてどうなるかな……」


 クライシスは台所に立つ前に適当な窓を開ける。

 匂いや音が外にも聞こえるだろう。

 この後のことを考えて、どうなるのかと楽しみに笑っていた。



「匂いを嗅いでいると腹が減ってくる……」


「わかります!」


 ソースの焼けた匂いが空腹を訴えてくる。

 大量に作っているせいで匂いも濃くなっているのだろう。


「………誰か約束してましたか?」


「いえ。何もしてません。……開いてるから入って良いぞ!」


「お邪魔しまーす」


 匂いが漂ってきて訪れたのかなと想像するクライシス。

 可能性としては予想通りとはいえ本当に来たことに少しだけ笑う。


「いくつか料理持ってきたから食べさせてもらって良い?」


「良いよ。他に入ってくる人がいたら代わりに入れてくれないか?」


「良いんですか!?」


「多めに作っているし」


「…もしかして狙ってました?」


「そうなると良いなぁとは思ってたけど本当に来るとは思いませんでした」


 よく見ると窓が開いている。

 気づかなかったがいつの間にか開けていたんだろうとクライシスを睨みつける。

 せっかく二人きりだったのに、そうでなくなってしまった。


「おっ、俺も良いか?」


「俺も」


「すげぇ良い匂いがする!」


 次々と多くの生徒がよってくる。

 何の匂いだと近づいた者たちもいれば、わざわざ料理を持ってきて食べさせてもらえないかと寄ってくる物もいる。


「………いっぱい来たなぁ」


「どうするんですか?」


「外でバーベキューでもする?急だけど」


「良いな、それ!」


「じゃあ他にも参加する子がいないか確認して見るわ!シクレも他に女の子がいたほうが良いだろ!?」


「え?あっはい」


 バーベキューと聞いて沸きだつ生徒たち。

 中には女性を呼ぼうと連絡し始める者もいる。


「じゃあ俺も七輪とか持ってくるから外で集まろうぜ!」


「何人かで持ってこないと足りないだろうから俺も持ってくるよ。クライシスの作っている焼きそばは他の料理が焼けるまでつなぎとしても食ってよいか?」


「オッケー」


 じゃあ準備するぞと動き出す生徒たち。

 少しすると女子たちも集まってきてバーベキューに次々と参加していた。

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