表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
六章 鍛錬の配信

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/293

五十三話

「クライシス」


「どうした?」


「確認したけど全員動画に映るのは構わないって」


「マジで?」


「マジで。そもそもちょっと調べれば誰がどの学園に通っているわかるし。よっぽど変な姿を映さなきゃ今更だってさ」


「なるほど」


 悪意ある動画を撮らなきゃ大丈夫なんだと判断するクライシス。

 もとからそんな気は無いから安心して配信することが出来る。


「じゃあ後はいつ配信するかか……。今更な説明もするけど気にするなよ」


「リスナーへの説明だろ?分かっている」


 クライシスの心配に苦笑するクラスメイト。

 いちいち説明しなくてもそんなことは分かっていた。


「あと組手もしないからな」


「それは残念だ」


 配信するから見栄えのために組手をするかもと期待していたが否定されて残念に思うクラスメイト。

 話しを聞いていた他の皆も残念そうにしていた。


「あと今日は訓練しないから。ちょっと考えたいことがあるし」


「わかった。他の皆にも伝えておく」


 考えることはおそらく配信をいつにするかだろう。

 学園のアピールも頼まれているし配信者も大変だなと眺めていた。



「さてといつにするかな?」


 クライシスは寮の部屋に戻ってカレンダーを確認する。

 別にいつでも良いのだが昨日の今日でと行動するのは早すぎる。

 それに配信自体も地味なものだから配信したくなかった。


 それなら組手をすれば良いかもしれないが普段はしないことをして騙されたと言われるのは嫌だし、そもそも相手になる気がしない。

 実力的に一瞬で終わりそうだし精神修行が終わった後に動けるとは思えないのもある。


「………よし取り敢えず来週の週明けにしよう」


 配信すると言ってあまりにも間を開けるよりは近いほうが良いだろうとクライシスは考える。

 それに自分もその方が忘れないしと思っていた。


「もしもし?」


『クライシスか?こんな時間にどうした?』


「あぁ、ごめん。来週の週明けに決めたんだけど、つい今連絡してしまった。また明日伝えるから気にしなくて『待って!お願いだから待ってくれ!』………どうした?」


『配信するのは来週の週明けで良いんだよな?』


「そのつもりだけど」


『わかった。他の皆にも伝えておく』


「あぁ……?」


 明日の朝にも伝えるつもりだったから今連絡したクラスメイトが他の皆に伝えようとしていることに困惑しながら頷く。

 もしかしてそんなにいつ配信されるのか気になっていたのかと思うし、そこまでしなくてもと思う。


「別に明日にも伝えるから連絡撮らなくても大丈夫だと思うぞ?一応、明日も訓練しようと思うし」


『大丈夫だ。そんなに苦じゃないし明日に訓練あることも伝えておく』


「………わかった」


 それが自分の使命だと思っているのか、もしくは頼られたことが嬉しくて張り切っているのかクライシスは分からないが甘えることにする。

 きっと何を言っても変わらないだろう。


『それにしても俺に連絡してくれるなんて、そんなに信頼してくれているのか?』


「同じクラスだし、なんだかんだよく話すから、つい」


『あぁ……』


 席も隣だし、たしかによく話しているなと思い出すクラスメイト。

 なら、そのお陰で早く情報が聞けたし役得だと思う。


「とりあえず、こんな時間に連絡して悪かった。また明日」


『気にすんな。また明日な』


 長電話をするのもアレだしとまた明日と電話を切る。

 そして、その直後にスマホが痺れる。

 相手はシクレだった。


「どうしましたか、シクレ先輩」


『ちょっと声を聞きたかったのと確認したいことがあるんです』


「………訓練を配信するのは来週の週明けの予定ですけど」


『もう決めたんですか!?』


 やっぱりかとため息を吐くクライシス。

 自分の予定があるのなら参加しなくても良いのに気にし過ぎだろうと思う。


「そうですね。何か準備が必要なら用意しておいた方が良いですよ」


『そうですね、わかりました。一応、他の皆にも伝えておきますね?』


「………わかった」


 先程のクラスメイトと同じことを口にしたシクレにクライシスはこいつもかと思う。

 そこまでしなくても明日には伝えるつもりなのに、そんなにいつ配信するのか気になっていたのか、それとも信頼がないのか疑問に思ってしまう。


「それじゃあお願いします?」


『はい。任せてください』


 遠慮がちに頼むと弾んだ声で返すシクレ。

 もう好きにすれば良いとクライシスは考える。


「そういえばシクレ先輩たちって学園ではどういう配信でアピールしていましたっけ」


『え?色々ですね?特に何をテーマにしたわけではなく思いついたのを配信していく形です。そのせいで偶に内容がかぶることもありますね。………もしかして配信者ごとにテーマを変えたりとか考えているんですか?』


「いえ気になっただけです。でも、それなら俺は学園アピールの配信は戦闘系が良いかもしれませんね」


『……訓練の様子も配信しますし良いと思います。私はどうしましょうか?』


「家庭科とか良いじゃないんですか?料理とか得意ですよね?」


『……そうですね。良いかもしれません』


 クライシスの提案にそれも有りだなとシクレは頷く。

 その他に保健室など治療行為に関するテーマも良いかもしれないと考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ