表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
五章 鍛錬

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/293

四十八話

「おっ、戻ってきた。先生は何の用だったんだ?」


「放課後にやっている訓練とか配信してくれないかだって。流石に配信者とは関係のないお前らも映るから確認する必要はあるけど」


「配信に出て良いのか!?」


「不特定多数に顔を見られてネットにも長い間さらされるけど、それで良いのなら」


「………それを考えると配信者ってリスク高いな」


「たしかに」


「あぁ、だから顔を隠したりアバターを作って配信している人が多いのか」


 クライシスの配信に出れると聞いて顔を輝かせるがリスクを聞いてしまって尻込みをしてしまう。


「あれ?そう考えるとクライシスくんの事務所のメンバーって豪の者が多すぎない?全員が顔出しスタイルだし。マスクで隠してもいないよな」


「そうなんだ?同じ事務所に所属している全員の配信をまだ確認していないから知らなかったけど」


「………先輩相手だぞ?」


「取り敢えず時間のある時に同じ学園の先輩と他学園の生徒のは確認しているし……」


「……なら良いのか?配信内容を考える時間も必要だし」


「何人かは顔を隠していると思ったけど違ったのか……。配信するのに、そんな制限は無かったはずだし似たような人物が自然に集まったのか?」


「有り得そうだな」


 顔出しがルールでないのなら自然とそういう者たちが集まったのだという方が納得できてしまう。

 優しそうなシクレ先輩とかも顔出ししているし意外と豪の者だ。


「まぁ、配信する時はちゃんとするって言うから嫌ならそれ以外の時に参加するか拒否して」


「わかった。俺も他の皆には伝えておく」


 だが、それでも配信に映ろうとする者はいそうだなと考えていた。



 そして放課後。


「じゃあ始めるぞ。まずは全員座禅を組んで目を閉じろ」


 クライシスはいつものように訓練の指示をする。

 だが今日はいつもと違い全員がどこか浮足立っている。


「配信とかしないんですか?」


「しない。そもそも事前に確認してないし勝手に配信に映すのはダメだろ」


 クライシスの言葉にほっとする。

 無許可で配信は流石にしないことに安心していた。


「流石に配信するとなったら事前に伝えるから安心しろ。それを聞いてから当日は参加するか決めれば良い。それよりも座禅を組め」


「あっうん」


 そんなこと、と言うクライシスの言葉に従って座禅を組む学生たち。

 勝手に配信しないのなら他に言うことも無いのもある。


「じゃあ始めろ。時間がある限り一人ひとり見ていくから」


「「「「「「はい!」」」」」」


 そして生徒たちは目を閉じて瞑想を始めた。


「………うん」


 瞑想を始めたのを確認してクライシスは満足げに頷く。

 全員が深く集中しているのを見て最初の頃を思い出すとちゃんと出来ているなと思う。

 最初の頃は全員がしっかりと瞑想を出来ていなかった。


「何で最初の頃は瞑想がちゃんと出来ていなかったんだか……」


 学生を鍛える場所でもあるのに、そのことに疑問を覚えるクライシス。

 実技の方に集中しすぎて重要視してなかったのかと想像する。


「クライシス君!」


「先生?」


 疑問に思っていると何人かの教師がクライシスのもとに来る。

 一人はクライシスも知っている戦闘技術を教えている教師だ。

 全員が生徒たちを興味深そうに見ている。


「すまないが私達も参加して良いか?効果を確かめたい」


「………えぇ?」


「頼む。最近、生徒たちの動きのキレや戦い方に良い変化があったからな。どんな訓練をしているのか気になる」


「普通に精神鍛錬ですけど……」


「「「嘘だろ!?」」」


 クライシスの言葉を信じれなく否定してしまう教師たち。

 たしかに技術自体は変化は無いが、戦い方や技のキレは上がっている。


「それにしても一人はわかりますけど他の教師もですか?」


「うん?あぁ、他の教師も私と同じように戦闘技術を教えている先生だぞ。まだ一学年だし関わりも少ないから知らないだろうが」


「そうなんですか?」


 そういえばまだ一学年だったなと思い出す何人かの教師たち。

 それで、ここまで強いのだから実践的なことばかりではなく精神的なものも鍛えるべきだったなと反省していた。


「それでかまわないか?」


「別に良いですけど………」


「なにか問題でも?」


「色々と口を挟むので指示に従ってもらって良いでしょうか?」


「大丈夫だ。どんなやり方か知りたいしな」


 他の教師たちも頷く。

 そこまで言うのならとクライシスは生徒たちと同じように瞑想をさせる。


「はぁ………」


 教師がいるということでやりにくさを感じるクライシス。

 声が聞こえたのか鍛えてもらっている学生たちも教師も参加していることにやりにくそうに見える。


「まぁ、良いや。聞いていた生徒たちは、それすらも気にならない程度に集中できるようになってください。

俺もやりにくいですが頑張りますので。それよりも先生、もっと意識を深く集中してください。生徒を気にしているのか知りませんが意識が散漫しています」


 本当にやりにくいのかと疑問に思ってしまうクライシスの発言。

 普通に教師相手にも指示を出しているじゃないかと思われていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ