四十二話（配信回）
『修行回』格上と戦ってみよう『クライシス、フレール』
「暇人ども、こんにちわ。クライシスです」
「フレールだ。皆さん、こんにちわ」
【こんにちわー】
【待ってた】
【何するの？】
【修行？】
「今日はタイトルに書いてあるとおり修行。その中の一つの組手をする。今日はよろしく頼む」
「はい。よろしくお願いします」
【組手かー】
【大丈夫？】
【クライシス君ってめちゃくちゃ強いんだよね？死んだりしない？】
【格上と戦って勉強になるの？】
【そんなに強いの？】
「結構、ボコボコにされて見苦しいものになるかもしれないが最初からそうなることを理解して行動だから通報はしないでくれ」
「逆に俺がボコボコにされる可能性もあるだろう？」
「いや無理。全く勝てる気がしない」
「俺はお前を格下だと思っているぞ？」
【ラスボスかな？】
【格下扱いやめろ。先輩だぞ】
【挑発が下手すぎる】
「格下だと油断しているから、勝てると言いたいのか？」
「当たり前だろう？油断したら予想もしない奇襲であっさりと殺られるからなぁ？………ダンジョンに行くときは全身、もしくは最低限でも急所の防御は常に固めてないと死ぬぞ？」
「経験があるのか？」
「死にかけたこともあるし、死んだ奴らを見たこともあるが？」
「そうか。…………本当に油断してる？」
【絶対に油断してないだろ、お前】
【そんな経験したのか？】
【まだ学生だよな。トラウマにならない？】
「…………」
「どうした？」
「俺の発言にあまりアンチが来ないなって。………先輩たちの積み重ねのおかげ？」
「ぷっ。いや、単に事務所の仕事だな。俺たちは学生だし、そこらへんは厳しくしているんだ。その分、大人たちは放置されているらしいけどな」
「なるほど………」
「まぁ、大人だったらアンチのコメントも放置されていただろうな」
「ふぅん」
【悪い子ではないんだよなぁ】
【アンチが来ない理由を先輩たちの積み重ねって言う辺り根が善良そう】
【炎上系でも目指しているのかな？】
【本当にこの事務所に拾われてよかったよ】
「ところで奇襲されて死んだのを見たことをあるって言ったけど助けられなかったのか？」
「即死がほとんどなので無理。距離も離れていることがほとんどなので」
【それは無理だ】
【奇襲で一撃死とか、どんなダンジョンだよ？】
【予想できるところでも危険度が高いところだろ】
【そこにもソロで挑んでるんだろうなぁ】
「さてと雑談はここまでにして始めるか？」
「良いだろう。ちゃあんと手加減してやるから全力で来なよ？」
【おっ、始まるのか】
【相変わらず戦闘スイッチはいると口調変わるな】
【切り替えが早すぎる】
【クライシスくんってかなり強いから結構手加減しないと相手にもならなくない？】
【どこまで手加減するんだろ？】
「さぁて、ふざけようか」
「？何を言って」
【サングラスを掛けたな？】
【もしかして、それが手加減？】
【何か仕掛けがしてあるとか？】
「サングラス「俺がどんな手を抜いているのか答えるつもりは無いが？組む手をしながら察してみたらどうだ？戦っている相手の弱点を探す練習になるぞ？」………わかった」
【なるほど】
【相手の弱点を探るための練習か】
【ハンデを付けてもクライシスくんの方が上なのか】
【フレールがんばれー】
「いくぞ」
「モンスター相手にも今から攻撃しますと宣言するのか？いいから来たらどうだ？」
「………はい」
【手厳しい】
【いや組手なんだから、別に良いだろ】
【出鼻をくじいてくるな】
「………っ！」
【今度は無言】
【剣を振る速度早っ】
【クライシス君、全く動いていない】
【受け止めるつもりか？】
「なっ」
「………まぁ、こんなものだろうなぁ」
「はぁぁぁぁぁ！！！」
【えぇ？】
【スゴすぎて引く】
【なんで片手で白刃取り出来ているんですかね？】
【あっさりと剣を離して、もう一度攻撃しても白刃取りするし】
【もう涙目じゃん】
「泣いているんだ？怒りと悔しさで同じことを繰り返していたら当たり前のように防がれて当然だろう？別の方法や工夫を試したらどうだ？」
「え？」
「ほうら」
「う゛！」
「そんなに痛くはないだろう？」
【うわっ。一撃でかなり飛んだんだけど！】
【あー】
【メッチャ手加減してるー】
【いや強すぎない？フレール相手でも差がありすぎだろ】
【言われてみれば至近距離で大振りの攻撃ばっかりだな】
【タイミングが掴めてたら白刃取りは余裕なのか】
【んなわけないだろ】
【乱雑に見えて、かなり理に入った蹴りだな】
【失敗したら絶対に痛いのにお前なら見切れていたからといって白刃取りできんの？】
「さぁ、まだ続けるだろう？」
「っ当然！」
