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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
四章 ダンジョンデート

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四十一話

「どう?美味しそうでしょ?」


「はい。とても」


「あと感想もちゃんと教えてよ」


 シャワーを浴びている最中にシクレに自分も手料理を振る待って良いかと確認し許可をもらった。

 そして二人で料理を作ったから量も少し多くなってしまった。


「でも、これ食べ切れますか?」


「そうね……。本当に食えなかったら残して良いわよ。余ったら明日の分にすれば良いし」


「そうですか?それなら良いですけど」


 女の子たちの言葉に、少しだけ気が楽になるクライシス。

 量が多くて食いきれるかは自信がなかった


「それとどの料理が一番美味しかったか教えてくれない?自信にも繋がるし」


「わかりました」


「じゃあ早速食べるよ」


 クライシスが頷いたのを確認して早速食べ始める三人。

 だが二人はクライシスが何を気に入って食べるのかに集中している。


「……………」


 クライシスは二人に視線を向けられているのに気づいているが作った本人だから味が気になっているのだろうと考える。


「普通に美味しいですから食べましょう?」


「………わかっているわ」


「………そうですね」


 食べ始めるが視線はクライシスの手から外れない。

 そのことにため息を吐きそうになるが食べることに意識を集中した。



「ふぅ……」


「すごいわね」


「男子ってこれだけ食べることが出来るんですね……」


 食べ終わると目の前の先輩たちから感嘆の声が上がる。

 結局女子たちは量が多くてほとんど食べることが出来ず、逆にクライシスがほとんどを食べた。


「それで、どれが一番美味しかった?」


「唐揚げが一番美味しかったです」


「そっかぁ……」


「他は?」


「スープですね」


「ぐっ」


「よしっ!」


 クライシスの言葉にシクレは悔しそうにする。

 その反応でスープは同室の子が作ったのだと理解する。


「それじゃあ、そろそろ帰ります。夕食もありがとうございます」


「ん?わかったわ。また食べさせて上げるから来てね」


「………機会があったらお願いします」


「絶対にまた部屋で食べてもらうから」


「はい」


 苦笑いをして部屋から去るクライシス。

 その直後に色んなところから視線が突き刺さる。

 遅い時間になっても女子寮にいたことが気になっているのだろう。

 さっさと去ることに決める。


「男子寮に戻るんですか?」


「そうですが?どうしましたか?」


 何故か話しかけられる。

 念のための確認かもしれないが警戒しているのかもしれない。


「いえ。それなら何もありません。ただ……」


「ただ?」


「あまり女子寮に長い間男子がいるのは推奨されません。もしかしたら不純異性交遊をうたがわれるかもしれませんし」


「しませんよ?」


「……わかっています。ただ、そう思われたくなかったら気をつけてください」


「わかりました」


 クライシスが頷いたのを確認すると身体を近づけてくる。

 そして身体の軟らかさや匂いがするほどに密着する。


「…………なるほど。確かにシてはいないようです」


 スンスンという音が聞こえた。

 匂いを直接嗅いで確認されたのだと理解する。


「そこまで確認することなんですか?」


「当たり前でしょう?もしかして手を出そうと考えているわけではないですよね?」


「ダンジョンや外で偶にヤッている人いますよ?捕まったりモンスターに殺されているのも見たことがありますが?そんなに禁止することなんですか?」


「えっ?」


「結構多いですよ?そういうことを教わったり、その最中の事故を防ぐ方法を教わったりしないんですか?」


「えっ?」


 クライシスの発言に頭が真っ白になる。

 そんなことは聞いたことは無いし見たこともない。


「命のやり取りをしているから我慢出来ないときがあるんでしょうけど、そのせいで死んでしまうのは見ていてバカバカしくなりますよね」


「  」


 そんなことは知らないと頭が真っ白になって何も言えなくなる。


「それでは」


 そして気になったのはそれを知っているクライシスは本当に手を出していないのか疑問だった。

 匂いを嗅いで確認したが、もしかしたら誤魔化していたのかもしれないとクライシスがお邪魔していた部屋へと慌てて向かう。


「どうしましたか?」


 そこには普段と変わらない二人がいた。

 服装もそこまで乱れていないし匂いもしない。


「いえ。もしかして性行為をしていたんじゃないかと疑っていたのですが」


「してません!!」


「せっ!?」


 性行為という言葉に顔を真っ赤にして否定する。

 そんな二人の様子に考えすぎたかもしれないと少し反省していた。

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