三話(配信回)
『初配信』新人配信者です。これからお願いします『クライシス』
「こんにちわー。映ってますか?」
【映ってるよー】
【急な新人】
【ん?】
【あれ、この顔は………】
「クライシス・グリスです。この度はスカウトされて配信者になることに決めました」
【もしかしなくても昨日、シクレちゃんを助けてくれた人じゃないか!?】
【昨日の今日で配信者になったの!?】
【フットワークが軽い 軽くない?】
「よろしくお願いします」
社長と話をしスカウトを受けた結果、早速配信をすることになった。
リスナーに挨拶をしながらメモ帳を手に取る。
次は何をするべきなのかと確認して進めていた。
「次はリスナーに対する呼び方ですね。何か良い案はありますか?無いのなら…………暇人で良いや」
【 草 】
【何でカンニングペーパーを取り出して話しを進めているんですかね】
【リスナーへの呼び方を意見を集めずに決めようとするな】
【シクレッツァ「ちゃんとリスナーの意見を聞こう!?」】
【ふぁっ!?】
【シクレちゃん!何で!?】
「同じ事務所なのと命の恩人だから今だけはフォローしてくれるそうです」
【そういえば同じ事務所じゃん】
【よくスカウトできたな モンスターを擦り付けたのに】
【途中で正気に戻って引き返してたけど殺されても文句は言えなくね】
「それならパニクって正気じゃなかったと頭を下げて謝ったので許しました。被害も有りませんでしたし」
【そういえば配信で少し映ってたけど無傷だったな】
【たしかにそうだけどキレてなかったか?】
「それはそう」
【シクレッツァ「え」】
【それなのに許したのか】
【まぁフォローぐらいはして当然だな】
「?シクレさんにはキレてませんよ」
【え?じゃあ何にキレてたの?】
「雑魚のくせに俺のことを獲物だと思って涎を垂らしていたからなぁ。最後は這いつくばって背中を向けて逃げようとした姿を見せたから少しは気分が晴れたが」
【ひっ】
【ミノタウロスを雑魚扱い】
【あの敬語が取れているんですが】
【これはガチでそう思っているな】
「フレールとかいう男もそうだ。実力を確かめるためだが何だが知らないが簡単に意識を失いやがったんだよなぁ」
【あの同じ学園に所属している生徒ですがボロボロだったのに関係があるんですか?】
【話しを聞く限り返り討ちにしたみたいですけど手加減をしなかったんですか?】
【事実によっては闇討ちしますよ】
【ひぇっ】
【ファンクラブ怖ぁ】
「あはっ」
【待って ねぇ待って!?】
【画面の向こうにいるはずなのに鳥肌が立ったんだけど!?】
【ヤバイヤバイヤバイヤバイ!】
【笑顔なのに怖すぎる!?】
「楽しみだなぁ。同じ学園。つまりは闇討ちされ放題。俺も警戒しないと。あぁ早く来ないかなぁ!」
【シクレッツァ「実力を確かめるための事故なので彼は悪くありません!」】
【フレール「実力差も分からずに喧嘩を売ったのは俺なので闇討ちとか止めてください」】
【絶対に喧嘩を売るなよ!こいつヤバい!……って本人も来た!?】
【やられた本人もこう言っているし絶対に喧嘩を売るなよ!?】
【そういえば笑顔って本来は威嚇行為だって聞いたことがある】
「大丈夫。暴力を振るうのは楽しいですもんね!俺も大好きです!それとも誰がヤッたかわからないように地味に嫌がらせをしてきますか?あぁ、それも楽しみだ。怪しい奴ら全員に攻撃していけば良い!」
【無関係の奴らまで攻撃するのかよ!?】
【それはマズイだろ】
【そんなことして責任を取れないだろ!?】
「そんなことはどうでも良いだろう?そもそも攻撃されたから俺は反撃するだけ。逆に攻撃さえしてこなければ俺も何もしないんだから。……きっと止めようとする奴らもいるんだろうなぁ。ふふっ」
【絶対に過激派のファンは攻撃するのは止めろよ!】
【こいつ絶対にそれを理由にして暴れたいだけだろ】
【もうテロリスト予備軍にしか見えねぇ】
【そうなる前に配信者として監視できたのはラッキーだったのでは?】
「ふふふっ。そろそろ良い時間になりますし今日はここまでだな。それでは暇人さん、また。……ふふっ」
【ミノタウロスを雑魚扱いする実力者だから全く油断ができねぇ】
【笑っているのも絶対に喧嘩を売ってくるのを想像して楽しみにしているからだろ】
【シクレッツァ「そもそもリスナーの呼び方、勝手に決めてますよ!」】
【フレール「こんなのありかよ?」】
【マジだ。話し合わずに勝手に決めてる】
【草】
【シクレッツァ「ちょっと説教してきます」】
【フレール「俺も行く」】
【ミテラ「私も行かせてもらいますね」】
【ミテラさんまでいたし】
【色々な意味で期待の新人だぁ】