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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
三十章 コラボ配信前

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百九十話

「クライシス君!今週はいつ鍛えてくれるんだ?」


「週末にコラボというか案件があるから今週は無理ですね」


 翌日、ラスクの質問にクライシスは今週は無理だと返す。

 そのことに案件ならしょうがないかとラスクや聞いていたクラスメイトたちは納得する。

 仕事ならしょうがなかった。


「案件って何をやるんだ?」


「週末に配信する予定だから、それを楽しみにしてください」


「えぇー?教えてくれても良くね?誰にも言わないからさ」


「サプライズだから無理ですね」


 教えてくれないクライシスに少し不満を持ちながらラスクは諦める。

 週末にわかるのなら、それを楽しみにしようと切り替える。


「じゃあ今日は準備か」


「そうなりますね。今日は色々と逃走するための道具を買うつもりです」


「………逃走?」


「そうですけど?」


 クライシスの言葉に理解できないという表情をするラスク。

 まさかクライシスが逃げるなんて予想もできなかった。

 それは他の生徒たちも同じでざわめいている。


「あっ、もしかしてコラボ相手を助けるためだとか!?」


「ソロだと逃げる必要も無いから、そうですよ」


 その結果、死んでしまっても良いがとクライシスは思っているがクラスメイトたちはそういうことかと納得する。

 自分のためではなく相手のためだと思えば、たしかに必要だなと考えることができる。


「それにしても大変だな。そこまで面倒を見ないといけない相手とコラボしないといけないなんて」


「そうですね。まぁできるだけ死なせないように頑張るしか無いが」


 死なせないために道具を購入するために放課後の訓練がなくなるなら、しょうがないかと納得する。

 もしかしたら必要な道具を探さなきゃいけないと考えると今週は無理だろう。

 諦めて、その分は週末の楽しみにする。


「そういえば魔法使う相手の配信は先延ばしになるのか……」


「そうなりますね。もしかして楽しみにしてた?」


「「「「「当然!!」」」」」


 ソロでの配信が先延ばしになることを思い出して残念そうにするラスクにクライシスはからかい混じりに聞くと食い気味で肯定される。

 しかもラスク一人ではなく話を聞いていた者たちの何人かもだ。

 よく見ると特に接近戦に優れている者たちばかり。


「一応言っておくけど魔法使いとか距離を取ってくる相手に必要なのは度胸と踏み込みだからな?配信でもそれを基本として伝えるつもりだし」


「待って待って待って!!」「嘘だ!!」「それだけ!?」「もっと特別な何かは無いの!?」「訓練方法とかは!?」


 クライシスの言葉にそれぞれメモを取ったり、嘘だ、信じられないと叫ぶ生徒たち。

 接近戦に優れているわけではない者たちもクライシスを睨んでいる。


「実際一番確実なのはそれだし。そもそも遠距離から攻撃してくるやつに近づくためには相手の攻撃をギリギリで避けて最短距離で突き進みのが一番の近道だし。そのために度胸は必要だろ?」


「ぐ……」


「あとは目くらましで煙幕とか閃光とか音爆に臭い玉とか……」


「それ!!」


「これら自分も事前に相手にバレないように対策しないと何を狙っているのかバレるよ?しかも戸惑っている間に近づけないとダメだし。最低でも自身を持って必殺と言えるような遠距離からの攻撃技が必要だよ」


「なるほど……」


 納得したような、勉強になると真剣な表情でメモをとる生徒たち。

 いつの間にか来ていた教師も真剣な表情でメモを取っている。


「とりあえず先生も来たし、これ以上は後で良い?」


「え?………あ、うん」


 クライシスの言葉に生徒たちは教師が来ていたことに気づいて慌てて席へと戻っていく。

 教室に来ていた他のクラスの生徒も慌てて戻っていく。


「あー、ごほん!それじゃあSHR始めるぞー」




「クライシス君、今日は道具を買いに行くんですよね?私も一緒に行って良いでしょうか?」


「良いですよ?それじゃあ行きましょう」


 放課後になると教室へと来るシクレ。

 そのシクレの手を繋いでクライシスは一緒に歩いていく。


「え?」


「どうしました?」


「え……。あっ、いや何でもないです……」


 珍しくクライシスから手を繋いでくれたことにシクレは驚きつつも嬉しさで顔を緩めながら一緒に歩いていく。

 その二人を見ていた生徒たちも、いつもはシクレから手を繋いでいるのにクライシスからしたことに珍しくてざわついてしまっている。


「まずはこちらの予定を先に済ませてもらいますけど良いですよね?」


「はい。もともと予定があるのは知っているのに来たので大丈夫です。その後、時間が余ったら一緒に遊びに行きませんか?」


「良いですよ」


 それならとシクレと遊ぶために早めに終わらせようと足早になるクライシス。

 シクレはそのことに気づいて嬉しくなる。


「今日は逃走用の道具を買いに行くんですよね?」


「そうですよ。ついで良いですので私にオススメの道具を教えてもらってもよいでしょうか?」


「そうですね。一緒に買いましょう」


 一緒に買い物ができて楽しくなるシクレ。

 どうせなら次にクライシスとコラボするときは、このネタで良いかもしれないと考えていた。

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