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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
一章 初めての配信

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十七話

「ねぇ。これからも一緒に配信しても良い?色々と教えてもらいたいし、それを配信すればかなりバズると思うんだけど」


「……バズるとお金も多く入ってくるんですよね」


「そうよ」


「なら良いですよ」


 配信が終わり使った部屋の片付けをしているとビースがクライシスにこれからも一緒に配信をしないかと声をかけてくる。

 それに対し入ってくるお金が増えるならとクライシスは頷く。


「なら私も!」


 二人きりになるなんてズルいとシクレも声を荒らげて入ってきてビースはニヤニヤと楽しそうに笑い、クライシスは人が増えるとリスナーも増えるのなら好都合だと頷く。


「うぅ……」


「すっごく必死ね」


 ニヤニヤとした笑みのまま楽しそうにシクレへと近づいて話しかけるビース。

 それに対してシクレは恥ずかしそうに顔を赤くして俯く。


「それで内容もお願いして良いわよね?」


「………よほどのことが無ければよいですけど」


「なら精神訓練をお願いできる?」


「それなら構いませんけど、あれもヤダこれもヤダって言ったら無視しますからね?」


「強くなるために当然のことなら大体は我慢するわよ。…………房中術とかじゃないならだけど」


「先輩!?」


「やりません」


 ビースの言葉にシクレは顔を赤くし、クライシスは即答する。

 そのクライシスの様子にビースはそういうことはしないだろうと安堵のため息を吐く。

 シクレはそんなことを一切考えず単純にそういうことはしないという言葉に安堵していた。


「なら良いけど、どんな訓練をするの?」


「座禅を集中的にしますよ?」


「座禅?」


「はい。もしくは今日のようにギリギリまで追い詰めます」


「………なるほど」


 座禅よりはそちらの方が良いかなとビースは考える。

 どうせ座禅なんてじっと座ってるだけとしか思えない。

 それよりもさっき経験したように実際に動いて経験したほうが確実だとおもっている。


「座禅をするぐらいなら追い詰められたほうがマシだと思うんだけど」


「じゃあ座禅は絶対にやってもらいますね」


「えぇ〜」


 苦手なら、それはそれで精神力を鍛えることが出来るかもしれないと考えるクライシス。

 どちらにせよ実際にやっている姿を見ないと何とも言えない。

 そしてビースは鍛えて貰う立場だから何も言えない。


「私も参加しますからね!」


「良いですよ」


「大丈夫?耐えられる?」


 シクレの宣言にクライシスは気にせずに受け入れ、ビースは本当に大丈夫か心配する。

 流石にクライシスもシクレ相手には座禅がメインで鍛えるはずだと考えていた。



「なぁ、クライシス」


「どうしました?」


 翌日、クラスメイトたちにクライシスは声をかけられる。

 何の用かと視線を向ければ何人もいて、本当に何のようだろうと首を傾げてしまう。


「俺たちを鍛えてくれないか?俺たちも強くなりたいんだ」


「………良いけど、もしかして全員?」


「あぁ」


 クライシスの言葉に何人も頷く。

 これだけの数がいたら得意なことも苦手なこともかなり違ってくる。


「条件として俺は基本的に精神的なものしか鍛えないけど大丈夫?」


「え?」


 クライシスの条件にそれだけで強くなれるはずがないと目を見開くクラスメイトたち。

 文句を口にしようとする前にクライシスが逆に質問する。


「何その反応?もしかして精神的、心のあり方で戦い方や強さが変わることを知らないのか?」


「え?」


 その言葉に文句が口から出てこなくなる。

 どういうことか聞きたいが全く想像していなかったせいで言葉も出てこない。


「はぁ……。例えばだけど気分が良いと良い結果がでたり、逆に気分が悪いと悪い結果が出た経験がないか?テストとか何でも良い。あと気弱な奴は攻撃の勢いが弱かったり、逆に強気な奴は勢いが強すぎたり」


「それは……」


「回復魔法だって皆に気を使っている奴が使えることが多いし、逆に自分勝手なやつは使えないことが多くないか?」


「………そういえば」


 そんなことを言われれば心当たりがあって確かにとクラスメイトたちは納得してしまう。


「だから精神を鍛える。それによって戦いに幅ができたり今まで出来なかったことができたりと強くなれるだろうし」


「わかった」


「それでいつからするんだ。俺も予定があるから何時でも空いているわけじゃないし配信活動もある」


「なら一週間ごとに開いている日を教えてくれないか?その日に自由参加しようと思う。クライシスも予定があるのは知っているけど、俺たちもサークル活動とか外せない用事があるし」


「良いぞ。急な予定が入ったら伝えるで良い?あと一人も来なかったら、さっさと帰るから」


「わかってる」


 念のために連絡先を交代して行けるかどうか連絡する必要もあると考える。

 クライシスは自分優先の考えをしているようだから、こうして誰かに配慮していることが幸運だろう。


「クライシス、俺は強くなりたい」


「?」


「そのためにお前を利用していると言われても否定できない」


「だから?」


「お前も困ったらオレたちを頼ってくれ」


 だからクライシスが困った時は頼りにして欲しいと思った。

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