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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
二十四章 夏休み明け

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百六十四話

「はぁ……」


「どうしましたシクレちゃん?」


「いやクライシスくんはもう寮に戻っているんでしょうねって……」


「そうですね。クライシスくんが持ってきたグリルも無いですし」


 ダブルチェックとしてグラウンドの掃除に来たシクレはミテラと少し残念そうにしながら会話する。

 先に片付けてくれたのは楽になって有り難いが待っていれば一緒に行動できたし一緒に途中までは変えることは出来た。


「本当に助かりましたよね……。お陰で予想よりも早く帰れそうです」


「校長先生の話も長過ぎまたのもあるんでしょうけど」


 校長先生の話しを思い出してため息を吐く二人。

 正直に行って長い間座って聞いていたから足が痺れたし、おしりも少し痛くなった。

 男女関係無くに抑えていた者たちもいたぐらいだ。


「二人共ー」


 二人で話し込んでいるとビースを代表して同じ事務所の仲間たちが声を掛けてくる。

 することもなく手持ち無沙汰なのがよく分かる。

 それは自分たちだけでなくても他の学生の皆も同じようだが。


「クライシスくんのやつ、マジで助かるわ。校長先生の話しを聞いているだけで疲れたし。今日はもうこのまま帰っても大丈夫なんでしょ。帰って、もう休みたい」


「本当にな。どうやって校長の話から逃げれたのか聞きたいけど、それは明日でも大丈夫だろうし」


「普通に逃げたんじゃないの?」


「沢山の人がいる中で音も出さずに逃げたんだぞ?何度も出入りしているから体育館の扉は開け閉めに大きい音が出るのは知っているだろう」


 フレールの言葉にたしかにそうだ、と頷くビースたち。

 たしかにどうやって逃げれたのか謎だ。


「いや普通に外につながる扉から出たんじゃないのか?音が出るのは学園内につながる扉だけだし。そこなら音はそんなにしないし一瞬だけなら風も吹いていたしな」


「あぁ、そういえば」


「あ!あの時か!」


 どうやって、そして何時頃に逃げ出したのか察して驚く仲間たち。

 室内にいたはずなのに風が吹いたのを驚いた企画がある。

 一度だけだからこそ記憶に残っているし、かなり早い段階で逃げたことに驚いていた。


「逃げるの早くない?いや、お陰で掃除とから楽になったけどさぁ」


「判断が早すぎるだろ。風が吹いたのって話初めて結構すぐだったはずだろ?」


 面倒な片付けをしてくれたこともあって逃げたことに思うことは無いが、それはそれとして逃げるのが早すぎないかとは思う。

 堪え性がないのかとフレールたちは思ってしまった。



「ヤーキ」


「おっ、どうした?」


「お前たしかクライシスくんと同じ事務所の配信者だろ?今度お礼を言ってもらえないか?」


 ヤーキへと頼み込んでくる学生にそのぐらいならまぁ良いかと頷くヤーキ。

 他の事務所の仲間たちもそれぞれのクラスや同じ学年の学生たちに頼まれている。

 気持ちはヤーキにも凄くわかっていた。


「クライシスさんへお礼かぁ……」


 正直に言って怖かった。

 理不尽に暴力は振るわないことは知っている。

 それでも過去のことを思い出すと身体が震えてしまう。


「フレール…」


「どうしました?ヤーキ先輩」


「クライシスさんにお礼を言ってくれと頼まれたんだが……」


「あぁ……。はい」


「一緒に行ってくれないか?」


「……シクレたちも同じことを言われていると思いますから全員で行きます?途中でお礼の品も買って」


「良いのか!?」


 そのぐらいなら構わないと頷くフレール。

 ついでだから他の配信者中も一緒にお礼の品を買って寮の部屋へと邪魔しようかと考える。


「話が聞こえてきたけどお礼の品はやりすぎじゃないか?」


「そうか?どうせだから一緒に食べようと思ってたし」


「あぁ、それなら問題ないか。ほら」


「急にお金を渡してどうした?」


 急にお金を渡されて困惑するフレール。

 ただしお金はジュース一本を買えるぐらいの金額しかない。


「これでクライシスくんにジュースを買ってあげてくれ」


「あぁ、なるほど」


 ヤーキではなく自分に渡したのも、ヤーキではクライシスと一緒の空間にいるのはキツイからだろうなと想像できてしまう。

 どれだけクライシスのことに怯えているのか周知の事実だ。


「ヤーキ先輩はお礼を言ったら帰っても大丈夫なので……。俺はちょっとシクレたちに相談してきますね?」


「……大丈夫だ。何度も同じ部屋や空間にいたんだから耐えられる」


 流石にクライシスと一緒の空間にいるのに耐えられないと思われるのは辛いとヤーキも否定する。

 これまでも何度か同じ空間や部屋にいたし、それを見ていたのにそう思われるのはキツイ。


「それなら良いですけど……。シクレ!少し良いか?」


「はい!何でしょう?」


 そしてフレールはシクレたちも誘おうと話しかけに行く。

 シクレたちも自分たちと同じように頼まれているだろうから都合が良いはずだ。


「一緒にクライシスくんの部屋に邪魔しないか?お礼も言いたいし、そっちも頼まれているんだろ?」


「はい!それじゃあお邪魔させてもらいますね。……ビースさんやミテラ先輩も一緒にどうでしょうか?」


 シクレだけでなくフレールやヤーキも集まるなら自分もと頷く二人。

 今日は学園にいる配信者が一つの部屋に集まるのだ。

 パーティみたいなモノだと考えると部屋に戻って休もうと考えていたビースもテンションが上ってきていた。

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