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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
二十三章 夏休み最後のバーベキュー

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百六十話

「…………終わった」


「そうだな…」


「はい……」


「ようやく終わった……」


 サインを書き終えてようやく一息吐くクライシスたち。

 中には子どもたちだけでなく大人や同じ授業を受けるクラスメイトたちもいたが彼らの分も書いていった。


「さてと食べるか……」


 肉でも食べて回復しようと思って視線を向けるが、そこには焼け焦げた肉や野菜があった。

 そういえばサインを書き始めてから確認してなかったことを思い出し崩れ落ちる。


「クライシスくん、どうし……。はぁ……」


「フレール先輩まで、どうしました!?」


「肉が焼け焦げてる」


「え?……あぁ」


 フレールも焼け焦げて食べれない肉や野菜を見てため息を吐き、他の皆もそれに気づいて残念そうにする。

 もう一度最初から焼くしか無い。


「これ以上は絶対にサインを書かない」


「そうね」


「腹減った……」


 クライシスの言葉に今度は全員が頷く。

 腹が減っていて、これ以上はサインどころじゃない。

 食べることを優先させてもらう。


「まずは肉だな」


「肉は最初は少なめに焼いて野菜は多めに一緒に焼くぞ」


「わかりました」


「おーい。サイン会お疲れ様。これでも食べな」


 焼き始めたところで別のところから肉や野菜を乗せた皿を学生や教師たちがクライシスたちへと渡してくれる。

 ありがたく頂いて渡されたそれをクライスたちは食べ始めた。


「サイン会お疲れ様。まだ何も食べてないだろ。これでも食べて休んでくれ」


「ありがとうございます」


「まさかサイン会になるとはなぁ…。来年もやるとしたら、そこらへんも考えないと駄目か」


「そうですね。お陰で腹が減りました」


 食べながら反省し合うクライシスたち。

 サインを頼まれることを考慮しなかったのが今回の原因だ。

 断らなかったのも原因の一つだが事前にサインはなしと連絡していればこうならなかったかもしれない。


「食べ終わったら頼まれたら鍛えたりするか?」


「やりません」


「だよなぁ。なら悪いけどゲームをやろうと思うけど司会をしてくれないか?シクレとも一緒で良いからさ」


「………良いですけど。何をするんですか?」


 隣に立った教師と会話するクライシス。

 クライシス自身は問題ないがシクレにも確認しようと声を上げる。


「シクレ先輩!ゲームの司会をやってくれと頼まれましたけど一緒にやりますか?」


「はい、良いですよ!」


「なら二人とも食べ終わったら後で校舎に来てくれ」


 その言葉に甘えてクライシスたちは頷いて時間まで、まずはバーベキューを楽しむことに決める。

 教師はシクレの返事も聞くと満足して校舎へと歩いていった。

 クライシスは教師が見えなくなってからゲームの内容は口にしていないし聞いていないことを思い出して少しだけモヤッとしてしまった。



「ふぅ……。食べた食べた」


「食べましたね……」


 お腹いっぱい食べて満足しながらクライシスはシクレと一緒に校舎へと歩く。

 シクレもお腹を抑えながらも満足そうな顔をしていた。


「おっ、来たか」


「結局ゲームって何をするんですか?」


 食べている最中には結局教えてもらえなかったゲームの内容について聞くクライシス。

 シクレも司会をする以上は気になってしょうがない。


「ゲームと言ってもただのビンゴ大会だから気にしなくて大丈夫だぞ。ただビンゴの番号を回す者とそれを皆に伝える者が必要なだけで」


「それ俺必要?」


「必要」


「あっはい」


 それは俺がやる必要があるのかとクライシスは思わず疑問に思っていたが教師の即答かつ力強い肯定に納得させられてしまう。

 そこまで言うのなら自分が思いつかないだけでちゃんと理由があるんだろうなと考えてしまっていた。


「それじゃあ、まずは運ぶのを手伝ってくれ」


「……わかりました」


 教師たちの前にあるビンゴに使うための道具を確認してクライシスたちも手伝う。

 ビンゴのマシーンやそれを乗せる机。

 拡声器やビンゴシートに景品。

 運ぶ物はいっぱいある。


「あっ、クライシスくんたちもビンゴには司会をしながら参加してくれよ?」


「え。……わかりました」


「良いんですか?」


 一緒に運びながら言われた言葉にクライシスたちは自分たちも一緒に参加して良いんだ、と驚きながら頷いた。



「おっ、もしかしてビンゴでもするのか?」


「そうですよ」


「今は運んでいる最中ですけどビンゴシートを配るの手伝ってもらえないでしょうか?」


 運んでいる最中、クライシスたちの様子を見て声を掛けてくる学生たちもいる。

 そのぐらいなら構わないと頷いてくれてありがたかった。


「じゃあ俺はあっちのほうで配ってくるわ」


「じゃあ俺はこっちか?」


「だな。足りなくなったら、また貰いに来るな」


 そう言って積極的に行動してくれる。

 非常にありがたい。


「じゃあ俺はその景品を運べば良いか?」


「あっ、奥の方にあるからそれを運んできてもらってくれないか?」


「奥の方ですか?」


「そうそう」


 更に運びきれなかった景品を持ってきてもらう。

 自分たちから手伝ってくれて教師からしても有り難かった。


「ところで景品って何があるの?」


「それは秘密です。家に帰って開けてから楽しみにしてください」


「えー」


 景品の中身は秘密だという教師に不満の声を上げる学生。

 クライシスも景品の中身が聞けなくて少し残念だった。

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