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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
二十三章 夏休み最後のバーベキュー

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百五十四話

「ふわっ」


 クライシスは翌日スッキリとした気持ちで起き上がる。

 いつもより身体が軽くこころなしか気分もスッキリしていた。


「今日はバーベキューだったな。時間までやることもないし先に学園に行って準備だけは済ませておくか」


 たしか昼からだったなと思い出してバーベキューで自分が持って行く物を準備するクライシス。

 少しどころかかなり速いが今から学園に行ってある程度の準備はしようと考えていた。


「………クライシスくん?」 


「フレール先輩?どうしましたか?」


「もしかして今から準備したものを持って学園に行くつもりか?」


「はい。食材は俺が準備するものにないですし。あったとしても氷をいれた水の中や学園にある冷蔵庫の中に食材を入れれば良いし」


「………頭良いな?」


「はい?」


「俺も一緒に行く。ちょっと待ってくれ」


「良いですけど先に玄関には移動してますよ?」


「わかった!」


 クライシスは食材を持ってくるんだろうなと予想して頷く。

 フレールも待たせるのは悪いだろうし急いで部屋へと戻っていった。


「クライシスくん、もう行くのか?」


「先に準備していたほうが楽だし」


「俺も一緒に行く」


「まぁ、良いんじゃない?」


 クライシスとフレールの会話が聞こえいたのか次々と自分もと声を上げてくる学生たち。

 かなりの人数だが多すぎたら普通に学園外の人の邪魔になるだろうなと想像する。

 実際にどれだけの人数が一緒に来るつもりなのか想像外だが多すぎたら数分ごとに分けて行動させようと考えていた。


「はぁ……」


 あとから来た人たちにいちいち声をかけるのも面倒くさいと看板を立てて文字を刻む。

 張り紙やペンなど持ってくるのが面倒くさかった。


「《(アース)》《(クリエイト)》」


 魔法を唱えて看板を作り、それに文字を彫る。

 内容は最大でも一緒に集まって移動するのは五人まで、という内容。

 それを見て学生たちはどういうことだと疑問を抱いている者もいれば納得して頷いているものもいる。


「一気に何人も一緒に行動したら他の通行人の邪魔だしな」


 その言葉に疑問を持っていた者たちは納得をし、クライシスも更に納得させるために書き連ねる。


「なんだこれ?」


 そして現れるフレール。

 待たせるのは悪いと急いで準備をして玄関に出たが人が多くて困惑する。

 彼らが持っている物を確認して何となく察したが何で全員が同じ行動しているのか疑問だった。

 約束の時間までまだあるし、ゆっくりしたらどうだと思う。


「あっ、来た。それじゃあ行きましょうか?」


 そんな中クライシスはフレールが来たことに気づいて声を掛ける。

 その瞬間に集まる視線。

 それらに圧力を感じながらクライシスの隣にいくフレール。

 その際にクライシスが三人ほど手招きして五人で学園まで歩いていった。




「それにしてもみんな揃って学園に行くのは驚いたな。まだ時間はあるだろう?」


「クライシスくんとお前の会話が聞こえたからな。それに先に準備して女子たちに良いところを見せたいし。お前たちもおんなじなんじゃないの?なぁ、クライシスくん?」


「え?別に」


「そんなわけ無いだろ」


 呆れとどうでも良さそうに反応する二人につまらなそうになる学生。

 本当に女子たちや俺達に良いところを見せようとしていたわけじゃないんだなと理解する。

 それでも結果的には誰からも言われずに自分から行動したことに良い奴らだとは思う。


「というか本当になんでこんな朝早くから何だ?」


「………暇つぶし?」


「あっ、そう」


 あまりにも早すぎる時間から行動することに疑問を持つが暇つぶしと言われて何も言えなくなる。

 ただ持ってくる荷物など考えると正解だとも思う。

 運んでいる途中、それなりにスペースを使うから他の人の邪魔になっている。


「そういえばあの看板の内容を考えたのは誰なんだ?来たときには書いてあったけど」


「「「………」」」


「……嘘だろ?」


 看板の内容を考えたのはクライシスだと示すと信じられない目を向けるフレール。

 クライシスが他人のことを考えたのが少し信じられなかった。


「多少は俺も他人のことは考えられますよ?」


「……そうだな、悪い」


 クライシスの文句に謝罪するフレール。

 否定したい気持ちもわかるから素直に謝罪する。

 それでも訓練のときはかなりひどいことをされているからしょうがないだろうとも思うが。


「………それにしても少ししたら女子も一緒に来そうだと思いません?」


「え?あー、俺達が動いているのを見てか?」


「はい。流石に誰か一人でも見られてもおかしくないし、こんな人数で荷物持って移動していたら察せられますし」


「あぁー。あり得るかも」


「ごめん!ちょっと良い!」


「「「「「…………」」」」」


 ちょっと先のことを予想して話し合っていると向こうから声がかかってくる。

 聞こえてきた声は女子学生のもの。

 そのことにクライシスは面倒そうな表情をし、他の学生たちも本当にきたと苦笑する。


「どうした?」


「フレールくん!さっきから男子が並んであるいるけど何があったの?」


「今日はバーベキューですから先に準備しようと移動しているだけだ」


「そうなの?」


「あぁ」


 それを聞いて少し考え始める女子学生。

 きっと後から女子たちも集まるんだろうなとクライシスは予想していた。

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