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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
一章 初めての配信

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十五話(配信回)

「ふー」


「あぁ、やっとか」


 ビースの目の色が変わったことにようやくかとクライシスはため息を吐く。

 これでようやく期待した入り口に入った。


【なんか雰囲気が変わった?】

【凄い集中】

【クライシスも目の色が変わったな】


 次の瞬間、それまでとは比べ物にならない速度でクライシスへと攻撃を繰り出すビース。

 目にも映らぬ速度にリスナーたちも驚く。


【はやっ】

【えっ? こんな強かったっけ?】

【もしかして、これを狙ってた?】


「それで良い。そしてもっともっと純粋に目の前の敵を倒すだけを考えたらどうだ?考えるのは目の前の敵を倒した後で良いだろう?」


「………」


 雄叫びを上げることなくクライシスの言葉に従うように襲いかかるビース。

 蹴り、殴り、ひっかき、そして獣のように噛みつこうとする。


【普段とは違ってマジで獣みたい】

【いつもはもっと普通だよな】


「期待していたとおりだけど本当に獣みたいだなぁ?少しは人の技も使えばよいのに」


【期待通りなら良いだろ!】

【これ以上、何を望んでいるんだ?】

【十分強くね?】


「本当なら獣のようにありながら人の技を使うのが理想的なんだがなぁ。使えないのは身体に技を染み込ませてないからだろうなぁ。それさえできればもっと強くなれるだろうなぁ」


【え?】

【そういえばさっきから原始的な攻撃しかしてないな】

【マジ?】

【だから技を身体に染み込ませる必要があるのか】


「あとは意図的にこの状態に入れるようになれるかだなぁ?ボロボロにならないと入れないなんて意味がないだろう?」


【そうか?】

【勝ったと思わせた瞬間に強くなったら逆転できるだろうから意味は意味はあるんじゃね?】

【でもボロボロになるってことは、他の皆も危険な状態だろうし……】

【あぁ、そっか。最初から出来るなら他の皆が怪我する可能性が減るのか】

【ダンジョンで一々回復していたら直ぐに魔力とかアイテムとか尽きそうだしな】


 どっちが正しいのかリスナーたちも議論を加速させていく。


「………」


「まぁ聞いてないか。俺は技というよりは境地を教えただけ。それをどう使うかは本人次第だしなぁ」


【それはそう】

【つうか技じゃなくて境地か】

【俺たちがどう考えようが結局は本人が優先されるしね】

【俺たちも出来るか?】


「集中しているし、しっかりと意識はある。とりあえずは終わらせるか」


【は?】

【まだ時間はあるだろ?】

【もっと見せろよ!】


「遅いなぁ」


 終わらせると言ったクライシスに全力で突撃をするビース。

 クライシスも腕を振りかぶって突撃し、すれ違った瞬間に腕を振り上げ弾き飛ばす。

 ビースは壁にぶつかり、そのまま崩れ落ちて意識を失った。


【もっと見せてよ!?】

【反応して!?】

【もしかしてコメント見てない?】

【それだ】

【またかよ!】

【いや確かに戦闘中だったけどさ……】

【コメント見る余裕あっただろ!?】



「クライシス君、コメント見てますか?」


 意識を失ったビースを介護しながらシクレは注意する。


「…………ふぅ。流石に戦っている最中は無理です。今から見ます」


【やっぱ見てないのかよ!】

【いやコメント見る余裕あるだろ】

【お願いだから全部とは言わないから読んで?】


「そうやって面白そうなのを見逃してしまったほうが嫌なので」


【なんとなくわかるけどさぁ】

【あれ?】

【もしかしてコメントを読んでる?】


「とりあえずダンジョンに挑んでいる時とか誰か相手に戦っている最中はコメントは見ませんので。それ以外はコメントに返事をしようと思いますが」


【えぇー】

【今回も余裕だったじゃん】

【もっと反応かえしてー】

【コメント呼んでいるな】

【りょーかい】


「賛否両論ですね。ですが面白そうなのを見逃したくないので、これは譲れません。今回だってようやく期待した領域に入ったのを見逃していたら殴って終わらせてましたし」


【ふーん】

【ならしょうがないのか?】

【コメントに返事するのに集中しすぎて怪我とかしてほしくないしな】

【クライシスくんからしたら考えて動くより本能的に動いたほうが強いと思うの?】


「一応言っておきますけど本能で動いたほうが強い人もいるし、逆に常に考えて動いたほうが強い人もいますよ。ビース先輩は本能で動いたほうが強いタイプなだけで」


「もとから本能で動いていませんでしたか?」


【それはそう】

【そうか?】

【最後の方の動きと比べれば全然じゃね】


「コメントでも気づいている人はいるけど、もっと本能に従えば動きにキレが出て強くなりますよ。中途半端に技を覚えてるから動きにキレがないだけで」


「そうなんですか?じゃあ本能で動いた方が強い人は技を覚えないほうが強いんでしょうか?」


「違います」


【違うの!?】

【どういうことだ?】

【もしかして身体に染み込ませるのが必要?】

【そういえばそんなこと言ってたな】


「そうですよ。じゃないと単純な動きや原始的な攻撃しかしませんし。やっぱり原始的な攻撃よりも理をもって繰り出す技のほうが強いです」


「それに身体に染み込ませれば相手を倒すために本能で使いこなしてきますし。あと直感で相手の弱点を見抜いて効率的な攻撃をできるようにもなります」


【そうなの!?】

【じゃあ本能で動けるほうが強いのか?】


「それも違います。理性的に動いたほうが継戦能力も高いですし周りと協力して戦えます。言ってしまえば本能的に戦うってことはバーサーク状態ですし」


「あぁ〜」


【すごい納得した】

【パーティで戦うかソロで戦うかだな】

【使い方次第か】


「まぁ、理性的に戦おうが本能的に戦おうが、結局極めたら出来ることに差はないんですけどね。ただ最初はどっちが得意かってだけで」


【は?】

【大差ないのかよ!】

【いや最終的には同じでも最初に得意なことが変わってくるのは違ってこないか?】

【それもそっか】

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