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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
十四章 一日中デートしながら配信

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百十話

「クライシスくん!次の休日は時間空いていませんか!?」


「大丈夫ですよ?配信ですよね?」


「はい!」


 放課後、サークルの部屋に入るとシクレが期待した目を向けて確認してくる。

 それに対しクライシスは配信の話かと確認すると頷かれる。


「どこに行くのか確認してよいですか?」


「大丈夫です!それで行く予定の場所は……」


 地図を取り出して一緒に確認していく二人。

 その様子を他にサークルのメンバーは微笑ましげに見守る。

 流石に仕事の話でもあるから邪魔をするつもりはない。


「来て欲しい時間もそれぞれあるみたいです。それと良いところを一つだけでも紹介して欲しいって頼まれました」


「………今日から毎日一店舗づつ行って良いところを探していきますか?そうすると毎日時間を取られてしまいますけど」


「問題ないです!早速行きましょう!」


 その提案に問題ないと授業道具などを入れたカバンを持ってクライシスの片手を抱いて早速出発しようとする。

 クライシスもサークルに来たばかりだからカバンはまだ手に持ったばかりだから問題ない。

 そのまま連れ去られてしまう。

 サークルの部屋から出る前に見えた他の皆は行ってらっしゃいとばかりに手を振っているのが見えていた。


「どこか行きたい場所はありますか!?」


「飲食店はおすすめを頼めば良いと思いますし、それ以外ですかね」


「じゃあ早速本屋に行きましょう!」


 遠ざかりながら聞こえてきた声はサークルの皆に微笑ましかった。



「シクレの奴、相変わらずマジじゃん」


「そうですね。彼が来てから化粧とか服装とか今まで以上に気を遣うようになりましたしね。おかけで彼女に合う化粧を考える機会もあって楽しいです」


「へー。私にもしてもらって良い?」


「あら?もしかしてビースさんにも好きな人ができたんですか?」


「いや。化粧に興味があっただけ」


 シクレたちが去った後、女性陣は楽しそうに話し合う。

 あんな風に恋に一生懸命になれるのは少しだけ羨ましかった。


「そうか?二人ともルックスも優れているし恋人なんて直ぐにできると思うけど」


「綺麗になっているシクレをみて興味を持っただけで別に恋人なんて興味なーい」


「配信者ですから恋人なんて出来たら炎上しますし。そういう意味では最初から受け入れられているのは幸運なんですよね。最初の配信がアレだから比較的に納得しているんでしょうけど」


「あぁ……」


 クライシスが最初に配信に乗ったのはシクレがピンチのときに助けられた時だ。

 衝撃的で命を助けられたのもリスナーからも受け入れやすいのだろう。


「フレール先輩はどうなんすか?フレール先輩ならミテラ先輩と付き合っても炎上しても比較的問題なんじゃないですか?」


「さて?」


「もうっ。ビースちゃんったら……」


 ビースの言葉に怪しい感じで受け流す二人。

 からかっているのか本気で隠して流しているのかわからない。


「そういうビースちゃんはいないの?」


「え?別に」


「………そうなのね」


 本当に興味なさそうなのがミテラは残念に思う。

 だけど、そんな娘が恋をしたらどうなるのか興味がある。

 できれば自分がこの学園に在籍している間にみたい。


「それよりもヤーキ先輩はどうなんですか?恋人とかいないんですか?」


「………いたことはある」


「へぇ!」


「クライシスくんに半殺しにされたことを聞いて……な」


「あ」


「恋人だと知られて巻き込まれたら嫌だからと振られてな。それにカツアゲするような男だと思わなかったと元恋人の友人と一緒に睨まれたし……」


「………そうですか」


 ヤーキの言葉に少し納得するビースたち。

 同時に少しだけ違和感を覚える。

 少なくとも自分たちが出会ってからカツアゲするようなところは見たことがない。


「ん?おかしくない?少なくとも出会ってからカツアゲしたところは見たことがないんですけど?」


「おかしくないぞ。お前らに合う前にボコボコにされたからな……」


「一年前とかじゃなくて?」


「あぁ………」


 ビースたちの確認に目をそらしながら答えていくヤーキ。

 フレールやミテラと出会ったのが二年前。

 ビースはその1年後だ。


 そしてクライシスと出会ったのは三人と出会う前だから最低でも二年前以上だ。

 もしかしたら三年前かもしれないし、そのぐらいのクライシスの年齢と体格を考えると正直ドン引きしてしまう。


 三人の頭の中に浮かんだのは小さい子ども相手にカツアゲする男の姿。

 クライシスも三年前なら、まだ十歳を超えたぐらいのはずだ。

 そんな子どもにカツアゲをしようとして半殺しで反撃されるなんて情けないとしか思えなかった。


「……今のお前らのようにクライシスさんの当時の年齢に思い至ってな」


「「「うわぁ」」」


 ガチで引く。

 最初に聞いた時はカツアゲしようとしてボコボコにされたと聞いて、ヤーキも悪いし何とも思わなかったが当時の年齢を考えると冷たい目を向けてしまう。

 三年前でも年齢で見ればヤーキは青年だ。

 それなのに少年相手に複数人で何をしているんだと。

 三人はお前みたいなやつのせいでクライシスはヤバい奴になったんじゃないかと視線を向けた。

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