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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
十三章 大会へ向けての鍛錬

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百五話

「はい!終わり!休憩しても良いけど十分で終わらせてください!!割り当てられたグループで昼食を作りますので!!」


 クライシスが手を叩いて終了の言葉に生徒全員が息を吐いて姿勢を崩す。

 汗も掻いてないし体力的には全く疲れていないが精神的にひどく疲れた。

 時間をみると午後になるちょっと前。

 自分たちでも驚くほど集中をしていた。


「つっかれたぁ〜」


「わかる」


「今までの精神修行は何だったんだって言いたくなった」


「こんなもんじゃないか?クライシスくんが偶にしてくれる訓練でも同じことをしているし」


「え?放課後にやっているのって、こんな感じなの?」


「来たことないの?」


「そういや来たことなかったっけ」


 午前の訓練が終わって話し始める生徒たちに移動しないのかなとクライシスは思うが何も言わない。

 十分はそのまま休憩して良いと言ったし、それまで移動して作り始めれば良い。

 クライシスも腹が減ったから昼食を食べに行くつもりだ。


 訓練に来た生徒たちは協力してカレーを作るがクライシスはそれに参加するつもりはない。

 訓練をする側じゃなく訓練をさせる側だから自分は違うと考えてしまっている。

 だから自分の分はないと判断してしまっていた。



「………腹減った」


 クライシスは自分は何も動いていないのに疲れを感じていることに少しだけ以外に思う。

 ふざけたり真面目にしていない者を探すだけで、これだけ疲れるというのは勉強になった。

 やはり人数が増えるとふざけた奴も出てくるんだなと実感もできた。


「これからも教えることになるかもしれないんだよなぁ……」


 その度にふざけた奴らも相手をしないといけないとなると鬱になりそうだ。

 普段から相手をしている学園の教師たちに尊敬の念を抱く。


「………忘れよう」


 そんなことより今は昼食だ。

 食べて嫌なことは忘れたい。


「疲れたから甘いものも欲しいし、でもあまり動いていないから軽く食べれるものだけで良いしな……」


 なにか良いものがないかと学園を出て探し始める。

 どうせ午後の訓練が始まる前に戻れば良い。

 始まっても動く機会は少ないだろうから少なくても問題はないし最悪は食べながら参加すれば良い。

 どうせ戦うこともない。


 そう考えていると丁度目の前にコンビニがある。

 甘いものは飲み物でも買って、あとは手軽に食べれるもので良いかと考える。

 おにぎりにお肉にパンと選り取り見取りだ。


「何を買うべきか……」


 たくさんのメニューにクライシスは悩んでしまう。

 どれもこれも美味しそうだし、中には期間限定のメニューもある。

 全てを選べないからこそ悩ましい。


「………飲み物はミルクコーヒーで良いか。あとは」


 クライシスが手に取ったのは焼きおにぎりを始めとした各種のおにぎり。

 全部で十個を少し超えるぐらいだ。

 おにぎりの中身に様々な具材が入っており食べるのが楽しみだ。


「いくらにサケに筋子に明太子……。肉もあるしどれから食べようかな」


 どれもこれも美味しいから何から食べるか悩んでしまう。

 焼きおにぎりなんて醤油の焼けた匂いと味も好きだし、鮭は鮭の塩気と海苔の風味が合う。

 明太子も米とも違うプチプチ感がたまらない。


 味を想像して涎が出てきてしまいそうになる。

 早く食べたいと学園に戻りたいと心なし早足になる。


「ん?」


 そして学園に戻るとカレーの匂いが漂ってくる。

 今度はカレーを食べようとクライシスの内心は決まった。




「あれ?」


「どうした?なにか足りないか?」


「クライシスくんは?」


「えっ?」


 その発言に全員が周りを確認する。

 確かにいない。

 どこに行ったのかと確認し始める。


「あいつ、どこに行った!?」


「もしかして鍛える側だからという理由で自分は関係ないと勘違いしていないか!?」


「ありそう!」


 クライシスがいない理由に全員がありえそうだと頷いてしまう。

 おもわず頭を抑えてしまうものが数名いる。


「待て、連絡を取ってみるから待ってろ」


『もしもし』


「もしもしクライシスくんか?今どこにいる?」


『学園前』


「カレー作っているんだけど参加しないのか?」


『お前たちの親睦のためで俺は関係ないだろ?』


「「「「「「「っーーーーーー!!」」」」」」


 思わず全員がうめき声を上げてしまう。

 たしかにそういう面もあるがクライシスも参加して親睦を深める部分もある。

 そういう意味では失敗だ。


「先生たちもクライシスくんが参加するつもりだったと思うぞ?」


『そうなの?そんなことは聞いてないしお前ら以上に動いていないから、そんなに食えないぞ』


「動いていない?」


 思い浮かべるのはふざけた相手がいないか常に観察していた姿。

 たしかに動いていないが疲れているだろうと皆は思う。


『あと時間までにはちゃんと来いよ。組手をするから、ちゃんと食べたものは消化して。吐いたら、その分掃除で面倒だし』


「クライシスくんも戦うのか!?」


「え」


『いや戦わないが?』


「え〜」


 クライシスも戦うのかと期待するがハズレてがっかりする。

 それは他の生徒たちも同じだった。


『何度も何度も何度も戦わせるから、ちゃんと休めよ?』


「あっはい」


 だけど、その続けられた言葉に少しだけ恐怖を覚えた。

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