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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
十三章 大会へ向けての鍛錬

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百話

「それでは。本当に手加減とか気をつけてくださいね?」


「わかりました」


「お疲れ様です」


 少し会話した後、警察官とクライシスたちは別れる。

 意識を取り戻した襲撃者も連行されている間、ずっとクライシスを睨んでいてそれが少し不快だった。


「はぁ……。これからはきちんと手加減したほうが良いんじゃないんでしょうか?」


「……殺さないように気をつけます」


 襲ってくるほうが悪いとクライシスは手加減をするつもりはほとんど無い。

 その応えにシクレはため息を吐く。


「おっ、クライシスくんじゃん。今日は一緒に来たのか?」


「そうだけど?」


「珍しくね?」


 登校中に少し歩いた先でクライシスのクラスメイトに出会う。

 彼はシクレをひと目見て驚き疑問をぶつけるが、あっさりとした返答に本当にからかい甲斐がないなと思う。


「ほんとうにからかい甲斐がないな!」


「めずらしいのは事実だし」


「そうかもしれないけどさぁ」


 つまらなさそうにするクラスメイト。

 それにシクレは上手い躱し方を見たと参考にしようとする。


「それにしても本当に珍しいな。もしかして邪魔した?」


「いや、そんなことはないが?」


「そうですよ。ですから安心してください」


 クラスメイトはそういえば二人とも同じ事務所の配信者だということを思い出し邪魔をしてしまったんじゃないかと心配になる。


「なら良いけど配信のこととかで邪魔になったら正直に言ってくれよ?気づかずに迷惑をかけてしまったら申し訳ない気分になるし」


「大丈夫。そうなったらちゃんと口にするし」


「ありがとうございます」


 邪魔になってしまったかと想像して謝罪するが迷惑になってなかったと聞いてクラスメイトは安心する。

 クラスメイトも二人の配信を見ているから迷惑になっていたら心苦しかった。

 特にクライシスは同じクラスでもあるから気にしてしまう。


「それなら良かった。ところで最近ネットで誹謗中傷していた人たちが捕まっているって知ってた?」


「はい、知ってますよ。ついさっきも捕まっていましたし」


「警察官から抜け出して襲ってきたしな」


「は!?」


「本当ですよ。クライシスくんが返り討ちにしていましたが」


 マジかと驚いて言葉もでないクラスメイト。

 返り討ちにできるのはわかるが襲われているとは思ってもいなかった。

 だが情報開示請求で捕まったり通報される切っ掛けとなったのはクライシスだから襲われるのはおかしくないのかもしれない。


「あぁ!クライシスくんが切っ掛けで情報開示請求をやり始めるようになったからか!?」


「多分そうだと思います。クライシスくんがいうには会ったこともないのに連行されている間はずっと睨んでましたし」


「なるほど……」


 クライシスの言葉を信じるなら、それしかないかと納得はするクラスメイト。

 過去にダンジョンで出会った可能性はあるから信じ切ることはできないが。


「別によいだろ。それよりも今度シクレ先輩とコラボする約束しているんだけど、お前だったらどんな配信が見たい?」


「「クライシスくん!?」」


 良い加減にこの話題は飽きたとばかりにただのクラスメイトに配信の内容を相談し始めるクライシス。

 話題転換にしても有りなのかと疑ってしまう。


「参考にするだけで、それを実際にやるかどうかは別だけどな」


「そこは嘘でも実際にやるって言ってくれよ……」


「無理なものは無理だし」


「そうかもしれないけどさぁ……」


「嘘を言わないのは誠実かもしれませんけど、そこまで明け透けなのも問題だと思いますよ!?」


 クライシスの発言に呆れるクラスメイトに焦るシクレ。

 嘘をいうよりはマシだが少しは実現できるように努力しようとする見せてほしい。


「それで何かない?」


「えぇ……?」


「なんでそんな期待するような目を向けているんですかぁ…?」


 目を輝かせながら訪ねてくるクライシスに困惑する二人。

 クライシスにとってはコラボだからこそ、ある程度やることが決まってしまうのも考えて第三者の意見を聞いている。


「…………デート配信とか?」


「はい!?」


「恋人でもないのに?」


 悩んでひねり出した応えにシクレは顔を赤くして飛び上がる。

 好きではあるが、まだ告白もしていない。

 しかも不特定多数の者たちに見られる。

 牽制としてはありかもしれないが恥ずかしく思う。


「そうだったの!?配信ではあんなに男女二人で仲良くしているのに?!」


「配信中は最低限は仲良くしないとダメじゃね?仲が悪いわけでもないけど」


「そういうもんか……」


「クライシスくん!そのデート配信というのをやりましょう!!」


 シクレの言葉に多くの視線が集まる。

 一緒に話していた二人だけではなく登校中の生徒にもだ。

 中には顔を赤くして聞いている者もいる。


「ダメ……でしょうか?」


 上目遣いで確認してくるシクレ。

 クライシスも思わず頷いてしまう。


「それじゃあ放課後に話し合いをしませんか?色々と確認したいこともありますし」


「わかりました」


 どこの店に行くのか、その店の迷惑にならないか話し合うんだろうなと想像するクライシス。

 学園だけでなく、その周囲の店を紹介するのも良い宣伝になるだろうなと考える。

 どの店に行くのか今からでも楽しみだ。

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