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お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
十一章 ダブルデート配信

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八十七話

「もしもし」


 寮の部屋に戻った後、電話が届く。

 誰からだろうと出てみると相手はハスバだった。


『よぉ、クライシスくん。こんな時間に悪いな』


「別に良いですよ。今度のコラボの話ですか?」


『あぁ。面白そうなダンジョンを色々と提案してくれたけど俺が決めてよいか?』


「構いませんよ」


 ハスバが挑むダンジョンを決めると聞いてクライシスは文句はなかった。

 正直クライシスにとってはどこでも問題は無い。

 だがパーティで挑む以上は相手の実力も考えないといけないのが面倒なのだ。

 それを変わってくれるのなら文句はない。


『なら良かった。今度の日曜日は大丈夫か?』


「大丈夫ですけど。もしかしてその日に配信するんですか?」


『そうそう。学校の用事か何かあったらキャンセルしても良いから』


「わかりました。シクレ先輩にも伝えておきます」


『頼んだ』


 今週の日曜にハスバたちとダンジョンに挑むことに少し楽しみになるクライシス。

 早く週末にならないかなと期待で旨を膨らませ、そういえばどこのダンジョンに挑むか聞いていなかったことを思い出す。


「ところで、どこのダンジョンに挑むか教えてもらえませんか?」


『すまん、サプライズで良いか?その代わり必要なものは全部こちらで準備するし、そのほうが配信映えもするだろうし』


「………は?」


『頼む!何かあったら責任は全部俺達が背負うから!』


「………わかりました」


 ハスバのお願いを受け入れるが、その上である程度の準備は隠れてしようと考えるクライシス。

 特に逃げるための準備は整えておこうと考える。

 別に準備はするなと禁止されてないし隠しておけば何も言われないだろうと決める。


「それじゃあその日を楽しみにしてますね」


『あぁ!任せてくれ!』


 自信満々な声で返ってきたのを確認して電話を切るクライシス。

 そして早速とばかりに準備を始める。


「ついでに今のうちにシクレ先輩にも連絡するか」


『はい、もしもし。クライシスくん、どうかしましたか?』


「…」


 逃げるための道具を準備しながらシクレへと連絡を取り始めるクライシス。

 ワンコールで出てきたことに少し驚きながらも会話を始める。


「今週の日曜は暇ですか?」


『………はい!大丈夫ですよ!』


「ならハスバさんたちとのコラボがその日に決まったので開けといてください」


『………はい、わかりました』


 シクレはクライシスの言葉を聞いて少し落ち込みながら了承する。

 まだかデートの誘いか!と期待していたのにコラボのことだったのだ。

 落ち込んだ気持ちのままクライシスへとどこのダンジョンに挑むのか確認する。


『どこのダンジョンに挑むんでしょうか?』


「それがサプライズだといって教えてくれなかったんですよね」


 ため息を吐きながら言われたクライシスの言葉にシクレは少し楽しみになった。

 ダンジョンの中にはモンスターや罠も存在しない、まるで娯楽施設のようなダンジョンもあるのだ。

 そして他に挑む配信者はハスバとバーデ。

 この二人は夫婦だし、もしかしたらダブルデートになるかもしれないと期待する。


『もしかしてダンジョンに挑むのに必要なものは準備するから持ってこなくて良いと言われましたか?』


「!よく分かりましたね」


 クライシスの感心した声。

 それに気を良くしながらも可能性が高まったと期待で胸をふくらませる。


『多分、本当に必要なものは無いのでしょうね』


「何か心当たりでもあるんですか?」


『確信はありませんけど予想はできます。……一応言っておきますけど教えるつもりはありませんよ?相手もサプライズにしたいみたいですし』


「そうですか……」


 クライシスの残念そうな声に教えたくなるが必死に我慢する。

 サプライズして驚かせたい気持ちはわかるしシクレもクライシスが驚く顔はみたい。


「まぁ、その日を楽しみにしてます。………それと俺達のコラボですが、今度はジャンルを一つに絞っての本紹介にしませんか?時間が余ったら雑談という感じで」


『そうですね。……でも終わったら雑談ではなくゲームをしませんか?』


「ゲーム?」


『はい。トランプとかチェスとか色々な対戦を配信しませんか?』


「良いですけど俺は弱いですよ」


『大丈夫です!弱くても見ている皆も楽しければ良いんですし。トランプだろうと勝負している姿を見るのが好きな人たちもいますから』


「モンスターと戦ったり強者同士が戦う姿を見るようなもん?」


『そうですよ。チェスやトランプでも強い人たちの勝負はそれと同じぐらい見ごたえがありますから。私のおすすめ動画を教えますから一度見てください』


「ふぅん。メモを用意するから少し待ってください」


 ガサゴソと準備している音が電話先から聞こえてきて少し嬉しくなるシクレ。

 ちゃんと見ようと思っていることがわかって嬉しかった。


「準備できましたのでお願いします」


「はい。………」


 シクレはクライシスは実戦以外にも自分が勧めたことに興味を持ってくれたことに嬉しいし、クライシスは今度のコラボはチェスをするんだろうなと想像してた。

 勝てる気は一切しないがルールぐらいは覚えておこうと考える。

 それでも覚えきれなかったらルールブックを読みながら打とうと内心で決めていた。

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