表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お金のために配信者になります〜えっ、人気がないとお金はもらえないんですか?〜  作者: 霞風太
一章 初めての配信

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/294

八話(配信回)

「ふっ」


【やっぱ、つよっ】

【もう腕の一振りで終わらせているじゃん】

【どうやってんの、それ?】


 ダンジョンのモンスターを腕の一振りで終わらせるクライシス。

 どうやっているのかリスナーから疑問が飛ぶ。


「クライシス君、腕の一振りで終わらせていることに疑問に思われているけど答える気がありますか?」


「ん?こんなことに理屈がないだろう?見たまんま首を拳を当てて吹き飛ばしているだけだろう?」


「普通はできませんよ!?」


「できてるだろう?」


【自分ができるからって他もできるとは限らないんだよなぁ】

【典型的な出来ない相手の気持ちがわからないやつじゃねぇか】

【基準を自分にしているから相手が同じことができないとは思ってもいないんだろうなぁ】


 全くコメントを見ていないクライシスの代わりにシクレが読んで疑問を答えさせる。


「一応言っておきますけど、あなたができるからって他の人もできるわけではないですからね?」


「そんなことは無いだろう?俺だって鍛えたから、できるようになったんだ。鍛えれば誰だってできる」


【どれだけ鍛えたらそんなことができるようになったんだよ?】

【クライシス君自身はいつからできるようになったんですかねぇ?】


「クライシス君はどのくらい鍛えてから出来るようになったんですか?」


「………ダンジョンに挑むようになって五年目。それで去年から出来るようになったから四年ぐらいで出来るようになるだろう?」


「いま十五歳だよね?」


「そうだが?」


「つまり十歳の頃からダンジョンに挑んでいたと……」


「そうなるなぁ?毎日のように挑んでいて楽しかったぞ。それは今もか」


【毎日って】

【友達と遊ばなかったの?】

【ボッチだったんだろ】

【かわいそ】


「………毎日って友達がいなかったの?」


【聞きやがった!】

【こころが、こころが痛い!】

【ボッチだからこそここまで強くなれたのか】

【まだボッチだと決まったわけじゃないだろ】


「そうなるなぁ?」


【答えたぁ!!】

【なんで平然と答えるんですかねぇ?】

【寂しくないの?】


「……友達がいなくて寂しくないの?」


「……寂しいに決まっているだろう?作りたいとは思えなかったが」


「ん……?」


【寂しいなら作れよ】

【それで作れるなら作っているんだよ 作れないだけで】

【なんかおかしくね】

【普通は作れなかったじゃね? なんで作りたいと思えなかったなの?】


「作りたいと思えなかった?」


「そうだろう?友達なんか出来たら、そっちを優先しなきゃいけないしダンジョンに挑むことだできなくなるだろう?」


「………本当に寂しかったの?」


「寂しいに決まっているだろう?」


【寂しいという割に楽しそうに笑っているんだよなぁ】

【あれ、もしかして寂しいというのは嘘?】

【何となく普通の人間ならこういうだろうって判断して言っているように思える】

【あぁ〜】


「………すっごい納得した」


「おっ、あれはもしかして始めて会った時のモンスターかな?」


【ミノタウロスじゃん】

【出会いのきっかけじゃん】

【たしかキレてボコってたんだっけ】


「まぁ、どうでも良いよなぁ」


「………そうですね」


【ミノタウロス相手に一撃かぁ】

【なんで頑なに首を飛ばしてんの?今日出会ったモンスター全て首を飛ばしていない?】

【マジじゃん】


「ねぇ、私のことどう思っていますか?」


「同じ学園と事務所の先輩に決まっているだろう?」


【急にどうした?】

【もしかして惚れた?】

【まぁ、助けられたしあり得なくはないか】


「私がいなければ、もっと先に進めれるとか思っていませんか?」


「配信だから先に先に進んでもつまらないだろう?代わりに雑談したりコメントを読んでもらって助かっているに決まっているだろう?」


「なら良いんですけど……」


【そっちかぁ】

【実際、全部クライシスがモンスター倒しているんだよな】

【一匹も後ろに通してないのすごくね】

【普通にすごい】


「でも四年間もダンジョンに挑んでいれば、ほんとうにここまで強くなれるんですか?」


【それは……】

【たしかに他にももっと長年挑んでいる人はいるけど、ここまで強いのは珍しいな】

【っぱ才能の問題よ】


「もっと長年挑んでいる人より強いと思いますけど……」


「毎日、挑んでいるのか?」


「え?」


【え?】


「そもそも何のために戦っているんだ?」


【何のためにって】


「生きたいからダンジョンに挑んでいるのなら生きるために必要な能力を」


「金の為にダンジョンに挑んでいるのなら稼ぐために必要な能力を」


「強くなるためにダンジョンに挑んでいるのなら強くなるために必要な能力を」


「どれも求めているのなら全ての能力が平均して上がっていく」


「そして俺は強くなりたいと思ってモンスターと毎日戦ってきた」


「どれも求めて平均的に能力が上げた奴より戦闘能力だけを求めた俺のほうが強いのは当然だろう?」


【そういうことか】

【意味わからん】

【筋トレも無意味に数を増やすのでなく、どんな身体になりたいか意識して目指した方が効果があるからな】


【目的意識がハッキリしているからこそか。いや他がそうじゃないとは言ってないけど】

【そうなの?】

【ダンジョンに挑んでいると金になるからな。そっち方向も鍛えられてしまうのか】

【あれ、そう考えるとクライシスくんって戦闘以外は結構ポンコツ?】


「………もしかして戦闘以外ではクライシス君結構ポンコツだったりする?」


「そうなんだろうなぁ?」


【これどっちだ!?】

【誤魔化しているように見えるし、本当に自身でもわからない可能性がある!】

【そもそも友達がいないから比較対象もいないからわからないだろ】


【あっ、だから自身の戦闘能力の高さも自覚が……】

【答えが出てしまったな】

【やっぱ友達は作るべきだったか】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ