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ズイドウ La tunelo




 丸い隧道ずいどうを歩いている。


 風が後ろからひょうひょうと吹いてくる。


 背の低いわたしがかろうじてかがまずに歩けるくらいの高さで、壁には規則的な間隔で小さな穴が開いている。


 なにものが、なんの目的でこのように作ったのか、謎ばかりの建築物だ。


 穴の向こうに、たぶん悪魔どもがからかっているのだろう、影が穴をふさぐように現れては消える。


 いつ悪魔が内部に侵入し襲いかかってくるかわからない。


 不安を感じながら、わたしは出口を求めて進む。


 どこまでも続くかと思われた隧道だが、行く手にようやく丸い光が見えた。


 わたしは安堵あんどした……。


 だが、ああ、到着してみるとそこは虚空こくうに突き出ており、それ以上の行き場はなかった。


 呆然ぼうぜんとして体の力が抜けた時、背後からひときわ強い風がやってきてわたしを空中に押し出した。


 あッと思うひまもなくわたしの姿はほどけてしまい、ひとつの音色となり笛の先で軽々(かるがる)と舞った。





 Fino






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