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第152話

チッ。流石は反乱軍の盟主の息子ってだけはあるか。凄い頑丈だ。

やっぱり、魔力で肉体を強化したからって、素人の俺じゃ意味ないか。

ここは、完全に近接を捨てて魔法だけで戦うことにしよう。

・・・それにしても、大量に魔力を消費した気がするけど。全く減った気がしない。

何かが何時もと違う気がするけど。今はどうでもいいか。

アイツら。・・麗香さんにあんなことをした奴らを殺してやる。

俺は足元から地面に魔力を流し込みつつ、絶え間なく奴らに魔法を撃ちまくる。

火球、水球、風斬、礫岩弾、多くの魔法を組み合わせ、敵に軌道を読まれないようにする。

時々、隙を見て少女の魔物と神官服を纏った男の魔物が近接戦を仕掛けてくるけど。

結界を張ると同時に、結界を高速で動かして敵にぶつける。と言う対処法を取る。

もちろん、敵はプロだから何回か同じことを繰り返すと躱すようになる。

だが、その度にこちらも別の魔法で対応する。

最悪、敵の攻撃が当たっても魔法で体中を強化してるから致命傷にはならない。

が、まだ頭が痛む。意識はあるけど、気を抜いたら一気に気絶してしまいそうだ。


「ガァァァァ」


暫く、地面に魔力を流しつつ敵の攻撃を防ぐと言うのを繰り返していると。

竜化したルシファンが怒りに満ちた声で咆え、大量の空気を吸い込んだ。

まさか!と思った俺は、魔力をしっかりと練った結界を六重に張る。

そして次の瞬間、ルシファンの口から灼熱の炎が吐かれた。

それなりにしっかりと魔力を練る時間があったのに、4枚も抜かれてしまった。

けど、俺の方の準備も整った。

俺はルシファンのブレスを凌ぎきると、地面に手を当てて意識を集中させた。


「『地揺れ』!」


大層な名前を叫んだけど。この魔法の原理はいたって単純だ。

地面に植物の根の様に魔力を張り巡らせて、それを上下に引っ張るイメージで揺らす。

強引で、魔力効率の悪い魔法だけど。好きなタイミングで、好きな様に地面を揺らせる。

実際、相手の動きは完全に止まった。『泥化』よりも効果的だと思う。

それに、魔力を『上下』でなく、右左に同時に引っ張ると・・・。

俺がそうした瞬間、地面に大きな亀裂が出来て、怪我を負って動きが鈍っていた、

マザーと午後のティータイムが亀裂の底へと落ちて行った。

後は。そこをスライムの様に粘性の強い水で満たす。

本当なら、溶岩とか、瓦礫とか、即死させれるモノの方がいいんだけど。

麗香さんに与えた苦しみを、同等以上のモノで返さないと、俺の気が収まらない。


「マザー‼午後のティータイム‼」


ルシファンの声には、動揺と焦りが見えた。そして、奴は俺のことを睨みつけてくる。

俺も、そんなルシファンの目に睨み返す。・・・奴もやっと理解しただろう、俺の怒りを。

ただ次の瞬間。俺の頭から血が溢れ出して来た。読んでの字の如く、頭に血が昇ってしまったのだ。

ただでさえ、ギリギリのラインで保っていた意識が。一瞬、ぷつり、と途切れてしまった。

意識が戻った瞬間、攻撃が来る!と悟った俺は結界を急いで張った。

初撃、神父の重く鋭いメイスでの一撃が一枚目の結界を破る。

二撃、二枚目の結界を少女戦士が破る。これで、結界は全て破られた。

三撃、妖艶の魔女の魔法で拘束されてしまう。

四撃、竜化したルシファンの尻尾での薙ぎ払い。

俺は吹き飛ばされて、幾つかの建物を突き破ってやっと止まった。

全身に激しい痛みが走り、意識が朦朧としたが、ゆっくりと立ち上がって魔力を練る。

重い足を引きずって歩き、元の場所へと戻る。


「大丈夫が、マザー!午後のティータイム!」


マザーと午後のティータイムは。大男二人に助け出されていた。

俺は練った魔力をそのまま、背後から俺の首を狙っていた少女戦士に放った。

エネルギー(力)そのものをぶつけられた少女戦士の体からは、メキメキと骨の軋む音が響いた。

彼女がもし、自らの武器で防御していなかったら。内臓ごとやられていただろう。

はぁ。頭がボーっとするけど、何故か妙に冷静に物事を考えられる。

忍耐の極致のお陰だろうか?それとも、火事場の馬鹿力的なものなのだろうか。

なんて考えながら、神父の鋭い不意打ちを魔力で保護した左手で受け止めて、

魔力を練った右手で殴りつける。と同時に、魔力を放出。

強化された左手の拳を喰らった1秒後に、エネルギー(力)の衝撃を喰らった神父は、

「カハッ!」と息を吐くと同時に、苦しそうに顔を歪めた。

俺は、隙の出来た少女戦士と神父を魔法で待ちあげると、そのままルシファンに投げつけた。

そして、それと同時に加速の魔法を足に掛け、右手に魔力を練り、妖艶の魔女に殴りかかる。


「っ!硬く、柔らかく、粘り強い盾よ、我を強靭なる矛から守り給え『上級強化結界』!」


勿論、妖艶の魔女も最上級の結界魔法で防御して来たけど。

俺はまず、魔力を練った右手で結界を殴って破壊。

次にその魔力を妖艶の魔女の顔に向かって放った。

妖艶の魔女の反応は悪くなかった。が、結局俺の魔法を喰らって仮面が割れると同時に地面に倒れた。

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