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第149話

「・・・と言うわけでして、私達としてはツェーザハルト殿との協力関係が望ましいわけです」


アダムスの主張を超分かりやすくすると「俺達的に、君と協力した方が得するんだよね!」って感じ。

まあ、もっと知的に詳しく話してたけど。超・簡単!に訳すとこうなるわけ。

・・・赤城も、アダムスとは手を組んだ方がいいって考えてるし。

相手が重要な情報を握っているのも事実。・・とりあえず、一時的に協力関係を築くか。


「貴方方の考えはよく分かりました。・・・是非、我々に協力して頂きたい」


俺はそう言いながら、右手を差し出した。

「ええ。良い協力関係が築けると信じております」とアダムスも俺の手を握り返してくる。

はぁ。協力関係か・・・。書類に残さない、口頭だけの契約。

まあ、国家に所属している者が犯罪者と手を組んだなんて、公には出来ないけど。

あ~あ。アダムス達が想像以上に強い魔物って分かってから、全く安心出来ない。

いつ裏切って背後を取られるかとか、そもそも敵に情報を流してないっていう確証もないし。


「・・・皆様が、私共を信用できない気持ちは分かります。

ので、ここで一つ、私共の手の内を話しておきましょう。

勿論、これは私共が勝手にやることですので、皆様に見返りを求めることは一切ございません」


そう言うと、アダムス達は自分の手の内。と言うか、所有しているスキルについて話し始めた。

この場で使える物は使いながら説明していたし、弱点まで話していた。

・・・もしかして、俺がまだ疑ってること、バレてた?

いや。”普通”の魔物は他人の考えてることなんて分からないはずだ。

それに、アダムス達とは付き合いも全然短いし。うん。大丈夫。大丈夫なはず。

まあ、それはさて措き。彼らの手の内を簡単にまとめるとこうだ。

アダムス:メインは魔法で、サブは弓を使うらしい。

俺と似てるな!俺はサブも魔法を多少使う形だけど。

・・・でも、魔力が切れた時の戦い方もしっかりと考えておかないと、いざと言う時に困りそうだな。

次に、凛紬さん。和服に煙管・・・。うん、最高だ。

と思った瞬間、麗香さんがいる方向から俺だけに殺気が飛んで来た気がしたので、考えるのをやめた。

さて、話を戻して。凛紬さんの手の内?はこうだ。

戦い方は、『煙操術』と『特殊魔力感知』と『傀儡術』のスキルを併用した物。

煙操術で自らの煙管から出る煙を操り、特殊魔力感知のスキルで緻密に魔力の型を取って行く。

最後に、煙操術と魔力感知のスキルで作り出した『煙の武器やら何やら』を傀儡術で操って戦う。

その他にも、煙でトラップを作ったり。相手の視界を完全に奪ったり出来る。

まあ、こんな感じで滅茶苦茶多くのバリエーションを持った戦い方をする。

(赤城曰く、「今のワイじゃ勝てんわ(笑)!」とのこと・・・。)

次に・・・。クロイツェル家長女クレイシー。さん。

この魔物、俺達全員に説明する場面なのに。ずっっっっっっっっっと!俺の目を見て話してた(汗)。

うん。気にしたら負けって思って。気にしませんでした。

(と言うか、後ろから飛んでくる激しい殺意に震えることしか出来ませんでした(涙)。)

でも、話を聞く限り。クレイシーさんは一人で俺達全員を倒せるだけの力を持ってるかもしれない。

武器は、太さ3㎝程の鋼の糸を操って戦う。その太さから俊敏性は多少失われているものの、

高い攻撃力と、四本の腕で鋼糸を四本同時操れると言う利点はある。

スキルは・・・。

『超鋭敏魔力感知』:かなり正確に自他の魔力量を計れるスキル。

極めれば、魔力の流れなどから相手が使おうとしている魔法を見抜くことも出来る。

{所有者は極僅かしかおらず、極められた者も殆どいないスキルである。}

『超越操糸』:完全操糸スキルの上位互換。糸の動きを完全に操作するだけでなく、

自らが思い描く通りに糸が動くようになる。{極僅かの者しか所有していないスキル。}

『万種毒牙』:あらゆる毒を扱うことが出来る。四本ある犬歯全てから毒を出せる。

{これも、極僅かな者しか保有していないチートスキル。}

『状態異常無効』:あらゆる状態異常を無効化することが出来るスキル。

{スケルトン以外が所有していることは、とても珍しい。}

『狂愛者の酔狂』:愛する者のダメージを肩代わりすることが可能。

『狂恋の忍耐』:自らの愛する者が近くにいる場合、痛みを感じなくなる。

『愛吸再生』:愛する者の血を飲む事で、傷が回復する。

肉を喰らうと、欠損部位すら再生させられる。

『狂女王の狂想曲』:狂愛関連のスキルの効果を大幅に向上させてくれるスキル。

『英俊豪傑』:全ての能力値に大幅な補正が掛かる。

『百花繚乱』:鋼糸を分解し、幾万の糸を生み出し操ることが出来る。

しかし、使用者の肉体に大きな負荷がかかることになり、最悪死に至る。

{ついでに、これは所謂『ユニークスキル』ってヤツっぽい(汗)。}

とまあ、ジークと同等の主人公属性を保有している彼女だが・・・。

(今から話すことは、彼女が勝手に俺に話してきたことだゾ!)

「あっ!ついでに、私の大好物は脳が蕩けて吐き気を催す程甘ったるいスイーツ。

旦那様の魔力と匂いと雰囲気、諸々を含めて惹かれちゃって、一目惚れ?しちゃった。キャー!」

だって。彼女に対する麗香さんの殺気はより一層・・・。そして俺に対するのも(涙)。

それにしても、狂愛ってつくスキルの説明。まともなのが一つもなかった気がするのだが?

{そして最後に、皆驚いてたんだけど。彼女、蜘蛛人の上位種・魔人蜘蛛(変異種)なんだって。

『変異種』って付いてるから、四本腕以外は人間に近い見て目をしているらしい。

本来は、蜘蛛人から魔人蜘蛛に進化しても、こんな見た目にはならないんだって。}

・・・何故、この世界出身の魔物が、俺よりも主人公属性を持ってるんだ(涙)。

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