赤城奮闘記 Ⅱ
「・・・と言うわけで、私共はツェーザハルト殿とその旗下にある皆様と
良好な関係を築きたいと考えております」
アダムスハンの話聞いたらすぐ分かった。アダムスハンは敵でも味方でもないってな。
ワイらの行動や考え方、そして功績を加味して、いっちゃん協力関係を・・・。
ちゃうな。利用し利用される相手に、ワイらがいっちゃんええと考えたんや。
考え方、まんま裏社会のモンやし。
・・ただ、今回みたいな誰が味方で、誰が敵か分からん状況時に関しては。
打算や利益で構築される関係以上に信頼できる物はない。ワイは悪くない取引やと思うけど・・・。
「すまんな、アダムスハン。ワイはツェっちゃんの決めたことに従うって決めとうねん」
ワイの言葉を聞いたアダムスハンは、笑みを浮かべると「そうでしょうね」と短く呟いた。
ワイも、頭はそれなりにええ方やと思うてるんやけど・・・ツェッちゃんのは別物や。
なんと言うか、この世界の考え方とはちゃう。変なこと言うてんのは分かるけど。
・・・いや、天才っちゅうのは皆そんなもんか。気にするだけ無駄やな。
「それでは、最後に一つ情報をお教えしましょう。
・・・ツェーザハルト殿の身近な者の中に、裏切者がおります。どうかお気を付けを」
アダムスハンはそう言うと、ワイの制止も聞かずに出て行ってしもうた。
ツェッちゃんの身近な者の中に裏切り者が?誰や、どの範囲で考えればいいんや。
でも、麗香ハン、フィアナハン、リネットちゃん、は外せんやろな。後は、部隊の皆か。
最近やってきた美紗貴嬢も怪しい。・・・って、それ全員怪しいってことやないかい!
はぁ。アダムスハンもええ商売しよるわ。続きを聞きたければ協力関係をってか。
それにしても、そこまで情報を持っとるとは。アダムスハン、ホンマに何者や?
まあ、それは後で考えるとして。もし、アダムスハンの情報が正しいなら。
誰に話すかが重要になってくるな。いや、この場合ツェッちゃんだけに言うべきやろか?
でも、ワイも裏切り者やないって証拠は持っとらんし、傍から見たらワイも十分に怪しいか。
とりあえず、拠点に戻ってから考えよか。そろそろ、アイツらも目を覚ます頃やろしな。
あっ、そろそろツェッちゃんを迎えに行かなあかん時間かな?
う~ん。忙しいなぁ。ツェッちゃんってホンマ凄いと思うわ。
うんうん。やっぱ、隊長はツェッちゃんに限る。面倒事も率先して片付けてくれるし。
そうか!ワイもこの激務からやっと解放される。最高やな!!!!!
待っとれよツェッちゃん、今!ワイが迎えに行ったるからな!!!!!!!!!