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第134話

誰かに調査させるか。うん。まあ、ロミーの提案が一番王道でいい方法だろう。

でも、フィアナさんは「先に大穴の方に行って調査を始めとくから!」って赤城に着いて行ったし。

諜報や情報収集が得意な連中も赤城が全員連れて行っちゃったし、他に頼れる魔物もいない。

暫くは保留にするしかないか?いや~。でもなぁ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ううん。手段がないなら仕方ない。展開も急だったし、2、3日掛けてじっくりと考えるとしよう。



~ 1週間後 ~

結局、アダムスとディーンと言う謎の人物達については何一つとして分かっていない。

だが。今日はそのことを忘れる。何故なら。今日は麗香さんの誕生日プレゼントを選ぶ日だからだ。

数日前、アダムスとディーンについてカエラ男爵に相談するついでに、良い店を紹介してもらった。

エルフの国やドワーフの国からしか取れない貴重な資源とテルク樹海の高ランク魔獣の素材を加工して、装飾品にする店らしい。まあ、その分しっかりと値が張るんですが(汗)。

ここ最近は、反乱軍騒動のせいで店を閉めていたらしいのだが・・・

そう!その件は俺達が既に解決している!

カエラ男爵が色々と話をつけてくれたお陰で、なんと何品か安値で譲ってくれるとのこと。

ホントありがたい(涙)。マジで今、手持ちが殆どねぇんだわ。

と言うか、手持ちがねぇんだわ。だから、途中で冒険者協会に寄って素材を売ることになるかな。

とは言え、売ろうと思っている素材はもうクズみたいなしか残ってないから、

期待は出来ないけどね(涙)。

ただまあ、そんな感じだから・・・。俺は誰にも見つかってはいけない。

気分は007だ!見たことないけど(汗)。それと、ゴローとロミーは一応、味方だ。

ロミーは俺が外を出歩くのに超反対してたけど。何とか説得した。

・・・それに、これが麗香さんに贈る最後のプレゼントになるだろうし。手を抜きたくない。


「それじゃ、行ってくる。二人とも、留守番よろしく!」


俺はそう言うと、部屋の窓から外へと飛び出した。

そして昔、『竜化』したジブリエルさんの背中に乗った要領で屋敷の外壁を飛び超える。

幸い。人も魔物も冬の間は家の中に引き籠もるらしく、降り立った通りに人影はなかった。

ここまでは順調。次はカエラ男爵に教えてもらった道のりに従って、店を探す。

うう。何故かちょっと罪悪感?的なのがあるけど。

俺は何も悪いことしてない。俺は何も悪いことしてない。ただ、プレゼントを買おうとしてるだけ。

ふぅ。よし。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

あぁ。体中痛い(涙)。特に足が痛い。やっぱまだ、全然回復してないなぁ。

でも俺は諦めないゾ!!絶対に麗香さんに最高のプレゼントを贈るんだ。

せめて。記憶の中でだけでも俺がいて欲しいから。

そうだ。余った予算でジークと美紗貴にも何か買ってやろう。

ジークに渡す方法は・・・。まあ、次に会った時に普通に渡してやればいいか。

うん。さて。今日は、戦うこともなさそうだし、魔法で移動だな。

『浮遊』で自分の体を浮かせて、『軽量化』で自分の体を軽くする。

後は歩いているように見せつつ、風魔法でゆっくりと自分の体を押せばいい。

ついでに今使ってる魔法は簡単に見えて、意外と難しい魔法だぞ!

それに『浮遊』は物体の大きさに比例して、『軽量化』はその物体の重さに比例して、

そして当たり前だけど、使用時間に比例して魔力を消費していくから、結構消費量がエグい(汗)。

さてと。冒険者協会にも到着した訳だし、魔法の解説はこれくらいにして中に入ろう。

・・・そうか。ここで冒険者になったんだよな。まあ、依頼を受けた件数2件なんだけどね。

なんて考えながら、俺は冒険者協会の素材の売却所に向かった。

すると、売却所にいた受付の若い男性が不思議そうな顔を俺に向ける。

俺は彼の反応を不思議に思いつつ、出来るだけフレンドリーに話しかけた。


「こんにちは。魔獣の素材を売りたいのですが、可能ですか?」


その言葉を聞いた彼が、次は訝しむような目つきで俺を見つめる。


「ええ。それではまず、冒険者証明書の提示をお願いします」


俺は彼に言われた通りに、アイテムボックスから冒険者証明書を取り出して提出した。

・・・。問題ないよな?一度更新してから、これと言って変更を加えないといけないこともないし。

うん。問題ないはず。それより、早く用事を済ませないと。ちょっと傷が痛みだしちゃった。

魔力もどんどん減っていってるし。うぅ。帰ってる途中で魔力切れなんて起こしたら・・・『凍死』!


「S級・・・。S級?!し、しかも騎士爵!こ、これは失礼しました。ほ、本日はどのようなご用件で?」


俺の冒険者証明書を確認した彼は、さっきとは打って変わって態度も言葉使いも丁寧になった。

それに、かなりテンパっているようだ。

君、魔獣素材の売却所の受付なんだから、用件なんて一つしかないでしょ。

ははは。でもそうか。俺ってS級冒険者兼貴族兼皇帝補佐官兼皇帝直属部隊の隊長、なんだよな。

いつも、麗香さんやフィアナさん、赤城と一緒にいるせいで、

そこそこの地位にいるってことを忘れてしまう(汗)。


「えっと。素材の買取をお願いしに来たんですけど」

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