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第132話

さて、昼食を食べ終わったところで・・・本格的に大事な話に入ろうか。

あと冬が明けるまで一ヵ月とちょっと。雪が完全に溶けて、地面の泥濘がなくなるまでを考えると。

2ヵ月とちょっとか。ただ。魔族同士の戦いに人間の常識が通用するかどうか。

(と言っても、俺の知識は戦略シミュレーションで得たものだけど(汗)。)

まあ兎に角、時間がないってことを強調したいの。

そろそろ動かないと、ジークを辛い立場に追い込むことになる。

昨日、赤城が麗香さん、AG74、ゴロー、リネットちゃん、ルイーサ、美紗貴と重傷者を除く、

全隊員を連れて、大穴方面に向かったけど。

う~ん。俺も速めに行きたいな。ただ、怪我が完治するまではAG74と麗香さんに監視されるからな。

ん?麗香さん。そう言えば麗香さんに関する何かを忘れているような・・・・・・・・・・・・。

うぁ!!今2月だよな?!麗香さんの誕生日もうそろそろじゃん!

いやまあ、こんな時に気にすることじゃないけどさ。

でもこのイベント(誕生日)以外で彼氏っぽいこと出来ないだろうし。

ああ。簡単な感じで良いから、麗香さんの誕生日に何するか考えておかないと。

なんて考えていると、扉からノックの音が聞こえて来て、それと同時に二人の男が入って来た。


「初めまして。私、アダムスと申します。そして、こちらが弟のディーンでこざいます」


そう言いった、小柄な男は帽子を取り、軽く頭を下げた。

スーツの様な服を着た二人の男?と言うか、謎の人物。どうやってここに来たのかも気になるが。

何故俺に会いに来たのかがもっと気になる。ただ、ゴローもAG74も威嚇はしていない。

・・敵意はないのだろう。だけど、信頼できるかどうかはまた別の話しだ。


「ああ。初めまして。お見苦しい姿で申し訳ありません。

私はツェーザハルト・フォン・ハインリッヒと申します。」


俺は麗香さんから教わった『貴族スマイル』で対応する。

まだ、二人の正体は分かってないからね。ハッキリするまでは、貴族対応モードでいかないと(汗)。

いや!ここは「衛兵!」と叫ぶべきか?・・・まあ、ゴローもAG74もいるし、大丈夫か。

それに、セルゲイとは別だけど・・・強者の雰囲気?的なのがある。

けど、間違ってたら恥ずかしいから、この感想は心の内にしまっておこう。

なんて考えながら、俺はAG74の手を借りてベッドから起き上がり、近くの席に着いた。

そして二人にも座るように促してから、お茶を用意するように彼女に頼む。


「突然の訪問を許していただいた上、この様な歓迎をして頂いて。なんと御礼を申し上げればよいか」


ヤヴァイ。小柄な人物の方、すっごい礼儀作法完璧。怖い、俺がミスしないか怖い(涙)。

そう言えば、弟さん?はどうなんだろう?さっきから一言も喋ってないけど・・・。

と思ってみて見ると、シガーケースから葉巻を取り出しているところだった。

葉巻の状態をしっかりと確認し、鼻に当てて香りを楽しむ。

アイテムボックスからシガーカッターを取り出して、ヘッドの形状を確認。

丁寧に位置の調整を行うと、そのままカットして初級の火魔法でじっくりと炙る。

スゲー、葉巻ってこんな感じで吸う?んだ。煙草とは結構違うんだな。

まあ、高校生で葉巻の吸い方なんて知ってたら、それはそれでマズいか。

おっと。今は相手の目的を聞き出すことに集中しないとな・・・・・・・・・・・・。

(とりあえず、後で葉巻の吸い方とこの世界のブランドを教えてもらおっと。)


「いえいえ。それで、本日は一体どのような目的で私の下へ?」


俺の言葉を聞いた彼が、不気味な笑みを浮かべて弟の肩を叩くと、

弟はアイテムボックスから封筒を取り出し、AG74に差し出した。

AG74は封筒に問題がないことをしっかりと確認してから、俺へと手渡す。

なんかこうしてると、マフィアになった気分だな。・・・っと、ふざけてる場合じゃないか。

俺は封筒を開封して、中に入っていた数枚の紙を取り出す。


「っ!これは!」


紙の内容を確認した俺は、警戒した目で入って来た二人を睨みつけた。

と言うのも、封筒に入っていた地図には大穴周辺の反乱軍の拠点が記されていたのだ。

それも一か所ではなく、なん十か所も。・・・だが、この情報が信用に足るかどうかは別問題だ。

この二人、結局何者なんだ?まあ、テンプレから行くと『情報屋』とか

『貴方に情報を売ると、私達にも得がありますから』的な?感じかな。

なんて考えながら、油断なく二人のことを睨み続けていると、彼が笑みを浮かべたまま話し始めた。


「ええ。それでは自己紹介と移りましょうか」


・・・彼らの話を出来るだけ簡単にまとめると。

ディーンとアダムス。大穴周辺では有名な『情報屋兼運び屋兼仲介屋』なのだそうで。

顔が広く、大穴周辺では『ドン』と呼ばれているらしい。ただ本人達(主にアダムス)曰く

「情報に関しては、魔帝国。否、この大陸一と言っても過言ではないですよ」とのこと。

それと、サブ?副業?として人材の貸し出し?的なこともしているらしい。


「私共、客を少々選び過ぎる癖がありまして。懐事情は何時まで経っても解決致しません。

さらに、そこにきて我らが故郷が反乱軍共の本拠地となってしまったではありませんか!

・・・皇帝補佐官及び皇帝陛下直属の部隊の隊長として、表沙汰になっていることも

なっていないことも含めて、多くの功績を残したハインリッヒ様なら、私共の意図せんことを

ご理解頂けていると信じております」

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