第111話
帰ってからは大変だった(涙)。
まず、冒険者協会に行って依頼完了の報告をしないといけなかったでしょ?
美紗貴さん?の泊まる場所の用意をして。ドワーフ達に鉄鎖の最終調整を頼むでしょ?
事務的な仕事を任せたい文官達に追われるでしょ?
なんかフィアナさんもタイミング『超!絶!悪!く!』帰って来るでしょ?
いやもうマジで。寝られたの真夜中だからね?え?ああ!もっちろん、全部俺一人で処理したよ?
え?麗香さん?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
よし!今日も今日とてやらないといけないことをやって行くとしますか!!!(涙)。
今日は日の出前に起床。昨日お風呂に入れなかったから、軽く入る。
あ!ついでの、この異世界。お風呂は微妙に高級。
まあ、ちょっとお金持ってたら普通に使えるって感じかな?
テルマエ・〇マエ程発展はしてないけど、使おうと思えば誰でも使える?ぐらいかな。
魔道具?のお陰でお風呂自体は高級じゃないんだけど、魔石代で高くなってるって感じかな。
でも、使ってる魔石は低級のものだから、ちょっとお金を持ってれば誰でも使える!ってイメージ。
まっ、そんなどうでもいいことは措いといて!それじゃっ!!お風呂に行ってきまぁ~す!!!!
~1時間後~
サッパリ出来たZE。あっ!ついでに俺が利用してるのは、尉官以上が使える”有料”の浴場ね。
さぁ。気分が良くなったところで・・・。
次は文官達に見つからない様に、ドワーフ達の元に向かわないと。
最近。「別の用事がある」っていう逃げ・・・口実・・・事実を言っても、信じてもらえなく
なってきたからな。はぁ。なんで俺だけこんな目に。
こんなことなら、魔帝都に寄るのは赤城に任せておけばよかった(涙)。
っと、考えている内に工房の前に到着したな!周りに魔物は・・・よし!いないな。
俺は扉の前に立って、ノックをした。
すると中から「時間通りだなっ!入れっ!」と言う言葉が返って来る。
その瞬間。俺は速攻で扉を開けて中に入った。
「はぁ。若いのもっ!苦労しとるんじゃのっ!」
ロルフさんが、やれやれと言った感じで首を左右に振る。
ホントに苦労してるよ。それに比べてドワーフ達と言えば。
自分の好きな研究に没頭できるんだから、羨ましいよ。
そう言えば、なんで俺って皇帝補佐官になったんだっけ?
何しに毒沼地帯を抜け出して、魔帝都に来たんだっけ?
何でこんなことしてるんだろう?何がしたかったんだっけ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(ツェーザハルトは、考えることをやめた。)
「それで、鉄鎖はどんな感じに改良されましたか?」
あの戦いで、結構欠けたりヒビが入ったりしてたからな。
まあ、俺もドワーフ達もあんな激しい戦いを想定してなかったんだけどね。
アニメとか漫画とかから影響を受けて思いついた武器だったけど・・・意外と失敗だったかも。
アレ、玄人が使う様な武器だわ。うん。俺みたいな戦闘慣れしてない人間?魔物?
が使うモンじゃないわ(涙)。
と言っても、これにとんでもない金額を使ったのも事実。今更、別の武器にすることも出来ない。
はぁ・・。もしかして俺って、世渡りがとてつもなく・壊滅的に下手くそなタイプだったりするのかな?
なんて考えてると、ロルフさんが布の掛けられている机を指差しながら
「若いのっ!よう見とれっ!」と机に駆けて行く。
そして、布を勢いよく取ったかと思うと、そこには・・・特に変わったようには見えない鉄鎖があった。
「若いのっ!お主の戦闘情報をなっ!聞いてなっ!改良を加えたなっ!鉄鎖超改じゃっ!」
興奮気味にそう言ったロルフさんは、続けてどこがどれだけ変化して、どの程度の性能向上に
成功したかを1時間以上に渡って説明してきた(涙)。
まあ、要約すると硬く・強く・さらに長持ちするようになったらしい?
魔法陣や加工過程の変化まで事細かに説明されたけど、正直まったく分からなかった。
「えっと。それじゃ!俺はもう行くんで」
俺は話しが途切れた瞬間、スッと鉄鎖をアイテムボックスに仕舞って工房を後にした。
「おおっ!若いのっ!話はまだ終わっとらんぞっ!」という声が聞こえて来たけど。
多分、気のせいだ。あれだけ一杯話したんだし、まだ話してないことなんてないはずだ。
そうだろ?いや、そうじゃないと困る!!
だって、これから美紗貴さんと会って話をしないといけないんだから。
その後は、ルイーサに乗って大穴方面に向かって赤城と合流。証拠集めを開始する。
最悪なことに、この過程にはフィアナさんも付いて来る。
アザゼル宰相から任された任務を終わらせちゃったみたいだから。
本当は、アザゼル宰相の下に行って「フィアナさんをもっとこき使ってください!!!」と
お願いしたいところだけど・・・今、あの人?魔物?のところに行ったら、
確実に仕事を押し付けられる。そんなの絶対に嫌だ!!!!!!
いや、でも仕事するだけでフィアナさんがいなくなること考えると・・・。
いやいや。あの魔物から押し付けられる仕事量のことを考えたら・・・・・・・・・・・・・。
いや~。いやいや。いや!いや?いやいや!!!いや~?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんか、もう、どっちでも辛さが変わらん気がして来た。
はぁ。どうせこの世界には、俺の敵しかいないんだ。俺をイジメる奴しかいないんだ(涙)。