第108話
正直、目の前の敵に集中することが出来ない。
戦況?を一応説明しておくと・・・
俺氏、なんか命を刈り取りそうな形をしたカマを持った細身の騎士と対峙。
リネットちゃんとゴローは、短剣を持った小柄な騎士と戦斧を持った巨大な騎士と対峙。
麗香さんは、盾と剣を持った一般的?な騎士と対峙。
AG74は、かなり大きめの弓を持った騎士と対峙している。
最後に、俺達を助けてくれた女性は何も持ってない騎士と対峙している。
麗香さんや謎の女性、AG74のことは気にしないでいいだろうけど、
リネットちゃんやゴローの方は気になる。
相手は明らかに、普通の魔獣や魔物じゃない。なんかこう、異様な雰囲気を感じる。
でも、だからこそ俺も目の前の騎士に集中しないといけない。
ああ。この状況どうすればいいんだ?
リネットちゃんやゴローが強いことは分かってても、心配で心配で・・・。
いや。それなら、俺が速攻で敵を倒して二人を助けるしかないか。
・・・最初は鉄鎖で様子見して、ヤバそうだったら本職の魔法に切り替えよう。
「来るよっ!」
女性が発言すると同時に、騎士達が一斉に俺達に襲いかかって来る。
・・・鉄鎖の使い方は二つ程ある。
全体に魔力を通して操る方法と、一部にだけ流して鞭のように扱う方法だ。
魔力消費量には大きな差はないから、場面に応じて臨機応変に使い方を変えるのがいいと思う。
と言っても、俺は鞭なんか使ったことないから、全体に魔力に通して使った方がいいだろうけど。
最初は!足と手に鎖を巻き付けて動きを封じるのを狙ってみよう。
と思って、鉄鎖を動かしたんだけど、簡単に弾かれてしまった。
「だめかぁ」
全体を操ると、攻撃性が著しく低くなるな。
拘束したり、細かく操作したい時には適してるかもだけど、攻撃には向いてない。
ということで、今回は一部分にだけ魔力を流して、鞭のように使ってみるか。
俺は騎士を目掛けて鉄鎖を振り下ろすが、やはりこれも簡単に躱されてしまう。
鉄鎖の威力とスピードは問題ないんだけどな。俺の技術面が問題だらけなんだよねぇ。
・・・でも、敵は俺に接近出来ないみたいだ。十分に牽制は出来ている。
結果としてはこれでいい。俺の本職は魔導師だからね。
さて、ここからは鉄鎖と魔法を同時に運用して戦うことを意識してみよう。
一方その頃(美紗貴篇)。
美紗貴と対峙していた騎士は、全力で殴りかかっていた。
美紗貴は最初こそその攻撃をいなそうとしていたが、不吉な予感を察知して回避に移る。
その行動は結果として吉だった。騎士は美紗貴の代わりに後ろにあった木を殴ることになるが・・・
騎士の攻撃を受けた木の部分が完全に弾け飛び、木も倒れてしまったのだ。
「ひぃ~。あれが当たったら流石にヤバいよね」
ということで、速攻でアイツを倒すしかない!
私は攻撃後の隙を狙って、鎧の隙間から奴の腕を斬り落とす。
はぁ。元日本人である私が、なんでこんなことしないといけないんだろう。
と思いつつ、私は斬り落とした腕を拾い上げて太陽光の差し込む場所へと放り投げる。
すると、鎧の隙間から流れ出した黒い液体がビクビクとうねり、そのまま蒸発して消えていった。
腕一本を奪ったって言いたいけど・・・やっぱり、新たに腕が生えて来てる。
まあ、鎧は奪えたし・・・少しずつ鎧を剥いでいって、最終的に太陽光の下に引きずり出せば
勝てるから問題ないよね。
はぁ。こうして戦ってると関羽さんとの猛特訓の日々を思い出して辛くなるぅ(涙)。
こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。
こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。
こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。
こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのに。こう言うのは中二病のお兄ちゃんの仕事なのにぃ!
女性は上手く戦えてるみたい。麗香さんも相手より有利に戦いを進められてる。
AG74も相手と互角以上に戦えている。でも、リネットちゃんとゴローはちょっと苦戦気味っぽい。
まあ、俺も不利ってわけじゃないけど、手詰まりって感じはする。
相手さんは、魔法と鉄鎖による牽制で俺に近づけないみたいなんだけど・・・
逆にこっちの攻撃も相手さんは全部回避してくる(汗)。
あんまりいい戦い方じゃないかもしれないけど、魔力量にモノを言わせて無理矢理ねじ伏せるか。
礫岩弾か、魔力弾か・・・いや、視界が悪くなる系はやめた方が良い気がする。
「やったか?」って状況になったら、確実に俺に不利な展開が待ってる気がする。
となると、とりあえず相手の動きを止めて『分解』の魔法で鎧を消して、
そのまま太陽光の下に引きずって行くって感じになるか?
でもなあ、アイツ鉄鎖の巻き付き攻撃も避けるし、『泥化』の魔法も避けやがるんだよなぁ。
『結界』で囲っても突き破って来るし・・・う~ん。どうしたモノかなぁ。