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第99話

俺は机の上の物を全てどかすと、異空間道具箱アイテムボックスからAG74を取り出した。

それを机の上に寝かせて、ドワーフ達の説明通りに起動してみる。

ええっと。最初に、胸の部分にあるコアに大量の魔力を流し込む。

胸?!・・・いやいや、子供じゃあるまいし、人形の胸くらいで動揺す、す、す、す、するなんて

ここ、と、ななななな、いよ、よ??

お、俺は、人形の胸元にゆっくりと手を伸ばす。


「何をしているのですか?」


真後ろから急に聞こえて来た声に驚いて「ぎゃあっ!」と言う情けない悲鳴を上げてしまった。

急いで後ろを振り返ると、何故か麗香さんが立っていた。

えっ?鍵を閉めたはずだよね?なんで麗香さんがここに?色々な疑問が頭を過った。

が、もう、恒例になりつつあるアレ(心を読まれる奴)で全て答えられてしまう(涙)。


「窓から入って来たんです。扉には鍵が掛かってましたから」


麗香さんは表情一つ変えずに、サラッとそう言った(汗)。

なんかもう・・・。いや。ここで変なことを考えて心を読まれたら困るから、やめとこ。

なんて考えていると「それで、何をしていたんですか」と改めて聞かれる。

これは・・・素直に答えた方がいいかな?いや・・・いや!人形のコアに

魔力を流し込もうとしていただけ!やましいことは何もない!!!!!!!!

故にぃ!ハッキリと言っても問題ない(確信)!


「AG74を起動するために、胸の辺りにあるコアに魔力を流し込もうとしていたんです」


と、俺はAG74を指差した。

俺の言葉に対して、麗香さんは短く「そうですか」と返すだけだった。

な、何か言い返されるかと思ったけど・・・意外と何も気にしてない?

いや、別に気にすることなんて何もないもんなっ!!

なんて考えていると、麗香さんは俺の目をじっと見ながら「やらないんですか?」と聞いて来た。


「えっ!ええ、ええっと・・・」


あまりに目をじっと見られるもんだから、コミュ障が発動して、まともな回答が出来なくなった(汗)。

お、怒ってるのかな?いやいや、麗香さんが一体何に対して怒っていると言うんだ。

”あの”麗香さんだぞ?少女型の人形・・・・・・・・・・・・・ん?・・・・・・・・・・少女人形??

その時俺は、少女人形の違和感に気が付いてしまった。下半身に小さな膨らみがあるのだ。

俺は少女人形の着ている、メイド服のスカートをそっと持ち上げてみた。

うん。はたしてそこには、少女には絶対にないアレがあった。そう、息子だ。

この娘は『男の娘』だったのだ。・・・マジか!気付かなかった!!まさか、

こんな可愛い子が『男の娘』なんて・・・・・・・・・最っ高っやん!!!!!

え?意外な反応だって?はっはっはっ、俺は『男の娘』の良さが分かる!ヲタクだったのだ!!。

それにしても、人形だから中性でも良かったというのに、わざわざ『男の娘』にする辺り、このAG74の

制作者は分かっている人間?魔物?だったようだな!!!!!!!

でも、なんで呼び名が”少女型”なんだろう?”男の娘型”・・・いや、それはダサいか。

いやまあそれに『男の娘』が少女と自ら名乗るのは、それはそれで良い・・・・・・・・・・・・・・。

ぬふふふ、ぐふふ、ふーっはっはっはっはっ・・・。

・・・ゴホン。ま、まあそれはさて措き、早速AG74を起動してみようか。

麗香さんがずっと俺のことを見てて気まずいし。

てか、スカートの中を覗いたのに怒られないって・・・!もしかして麗香さん、初めから知ってた?!

いや、麗香さんなら絶対にそうだ!!!初めからAG74が『男の娘』であることを知ってたんだ。

まあ、今となってはどうでもいいことか。とりあえず、本当にAG74を起動しよう。

俺はAG74の胸に手を置き、魔力を流し込んでみた。

すると、胸に置いていた手が吸盤に吸われるような感覚に襲われる。

そして、物凄い勢いで魔力が吸われていく(汗)!

ヤヴァイ!このままだと全部吸われて、動けなくなる!

と思った瞬間、吸盤に吸われるような感覚が消えて、魔力も吸われなくなった。


「あっぶねぇ」


俺はAG74の胸の上から慌てて手を退けながら、反射的にそう言ってしまった。

何も液体が付いていないことは分かっているものの、吸盤と言うイメージから、どうしても

手がベトベトしている様な感覚になってしまい、ハンカチを出して手を拭く。

その間に、起動した?AG74が起き上がって機械的な声で


「各種機能二魔力ヲ補填中・ ・ ・ ・ ・補填完了」


「・・新たなマスターの記録データをアップロード・ ・ ・ ・ ・ ・完了。

少女型戦闘絡繰人形AG74、起動します」


と言った。

そして彼女は、ゆっくりと体を起こして立ち上がると

「新たなマスターであられるハインリッヒ様、マスターとお付き合いをしていらっしゃる勘解由小路様。

敗北した私を修復し、新たなマスターとなって頂いたことを深く感謝申し上げます。

この魔法陣・部品の全てが腐り、朽ち果てるまで、誠心誠意お仕えさせていただきます」

とスカートの持ち上げ、貴族令嬢?顔負けの綺麗なお辞儀をして見せた。

・・・・って言うかなんで俺と麗香さんの苗字知ってんの?!

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