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第98話

4日間程かけて、やっと任された仕事を終えた。

もちろん、他の文官や武官からも仕事を押し付けられそうになったけど、丁度ドワーフ達から

呼び出しを受けたから「他の仕事がある」と断れた(汗)。

実際、これから魔物との本格的な戦闘が予想される。近接戦の克服や、部隊の強化は必然的に

必要なことになっている!だから、決して仕事がめんどくさいとか、もう辞めたいとか、

そういうことではないっ!!!!

なんて考えながら歩いていると、いつの間にか工房の扉が見えるところまで来ていた。

扉の前では、ニマニマという気色の悪い笑みを浮かべているロルフさんが俺のことを待っていた。


「おおっ!来たかっ!若いのっ!」


俺の姿を見つけたロルフさんは、そう言いながら駆け寄って来た。

俺は「はい、おはようございます」と言おうとしたんだけど・・・彼が俺の腕を掴んで、

無理矢理工房の中に押し込んだせいで、挨拶をすることが出来なかった。

中では・・・ロルフさんと同じく、ニマニマという気色悪い笑みを浮かべた、

ヨルヒムさんとメアリさんが立っている。

そして、工房の中央には大きめの作業台が置かれていて、その上には布が掛けられている。

これは”アレ”だろうか。布を取って『ジャジャーン』系か?(※語彙力死亡)

ああ、ここ4日間、休みなかったから疲れてるかも。言葉が出てこない(涙)。

などと考えていると、布の掛かっている作業台の前にヨルヒムさんが立つ。

ヨルヒムさんは咳ばらいをしてから、話を始めた(汗)。


「このAG74?は、世界初の軍事利用可能なゴーレムであることが分かった!!!

全身に合計1000を超える魔法陣が描かれている!

特に!関節部分の魔法陣構造は素晴らしい!!!!!

従来の構造を遥かに凌駕している!!!!!!!!!!!!!!!!!!

それに、このゴーレムの着ておるメイド服!!!特殊な繊維で作られているようだ!!!!!!

兎に角だ!ぜひ、このゴーレムを造った人物に会いたい。が、まずはこのAG74の構造について、

詳しく説明してやろう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


そう言ったヨルヒムさんの目は・・・今までに見たどの目よりも怖かった。

なんと言うか、狂気?いや狂乱?なんかもう、狂ったを通りこした何か、闇?を俺は見た。

よく見てみると、皆がそんな目を・・・いや、さらによく見てみると、

顔はやつれて、目の下には隈がある。ドワーフご自慢の腹も細くなった気がする・・・。

っ!もしかして、この3人、俺が死にそうになってた4日間、飲まず食わず、さらに寝ずに作業してた?!

そ、それなら、この狂気じみた目も、やせ細った体も、狂ったテンションも納得できる。

こ、こんな状況で、説明を断ったら・・・られる(汗)!!

俺は、とんでもない怪物を、呼び覚ましてしまったのだろうか・・。

(※ツェーザハルトは、そんな馬鹿なことを考えながら、10時間以上に渡ってAG74についての

解説を聞かされることになるのであった。)



長ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっいぃぃぃ!!!!!!!

時間、長ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっいぃぃ!!!!!話を聞かされた俺は・・・・・・・・・・

死んでいた(※精神と脳が)。

でも、3人とも(体力的にも精神的にも)限界が来ていたのか、話が終わった途端、

気絶するように眠ってしまった(汗)。・・・うん、ドワーフの友人は作らない様にしよう。

(※ドワーフ全てがこの3人の様な感じ、というわけでは決してありません。多分。)

俺は3人が完全に眠ったことを確認すると、速攻でAG74を異空間道具箱アイテムボックスに詰め込み

工房から逃げ出した!!!

大丈夫!AG74を起動させる方法(仮説)とかの、大切な部分だけはしっかり聞いてたから!!!

そして、文官や武官に見つからないように細心の注意を払いながら、自分の執務室に逃げ帰った(汗)。

最大の難関は執務室に入る瞬間だ!俺に仕事を持ってきた文官や武官が、

血眼になって俺の帰りを待っているのだ。

中には死んでいる(※過労で気絶してるだけの)奴もいる。

(※重要書類もあるから、執務室を出る時はいつも鍵を掛けていて、誰も部屋に入れない。

ついでに、階級や役職が高くなるにつれて、執務室にはそれ相応のセキュリティ(魔法陣)が

施されている。俺の場合は・・・最高クラスです。一応、皇帝補佐官&皇帝直属の部隊だからね!)

まさに、執務室の前は阿鼻叫喚。見つかれば、俺も(仕事という名の)地獄に引きずり込まれる。

俺は全員が気を緩めるまでひたすら待った。耐え忍ぶのは慣れている。

(前世の)妹からの長時間の説教、フィアナさんから延々と聞かされる昔話、ドワーフ達のヲタク語り、

俺はありとあらゆる試練を乗り越えて来た。脳の機能を停止させて、ただボーっとするのである!

それを何十時間に渡って出来るのは、世界中どこを探しても俺くらいものだろう(涙)。

ん?いかん、何故か目から塩水が溢れて来た。


俺はひたすら待った。待って、待って、待って、待って、待って、待った(※数時間程)。

すると、仕事の疲れに加え、何時間も部屋の前で待ち続けると言う苦行を行った文官や武官達に、

とうとう限界がやってきた。

俺はその隙を逃さず、魔法で軽ぅ~く気配を消してサッと執務室に入ったのだった。

そして、即座に部屋の内側から鍵を掛けて、誰も入れない様にした!!!

これで後は、居留守を使えば問題ない!(俺の良心がちょっと傷つくだけ。)

さて、では早速AG74を起動してみますかっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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