「Dear Close friend」(14歳/男子学生)
にゃ、今回の相談料は……大きなホッケにゃん! わたくしタマの好物を持ってくるってことは、それなりの相談にゃね!
にゃ。手紙?
どれどれ……って、ああ! どこ行くにゃん! まだ読み終わってないにゃんよ~! まったく。あいつには振り回されっぱなしにゃん。まぁ、恥ずかしいことでも書いてあるにゃろ。どれどれー。
……、
…………。
――――ぐすっ。
そっか。友達に、気になる子に、大きな夢に……全部追いかけてたら悩み事が無くなっちゃったにゃんね。うみゅ。わたくしタマは、1人の人間を立派に成長させられたにゃん! えら~い!
……。
あれ。花粉症かにゃ? 鼻がツーンとして涙があふれてポタポタにゃ。あーあ。楽しかったにゃ~。あいつアホだから、きっといろんなものを追っているうちに、もうこの道も忘れるにゃん。
それでいいのにゃ。それで。
今までいろんな相談料を貰いましたにゃ。ツナ缶や小さなホッケにサラダ……にゃにゃにゃ。あいつそういえば十字架のキーホルダーも差し出してきたにゃん。あれも、貰っておけば良かったにゃん。
あいつの2人の男友達も遊びに来たにゃ~。刺身とロリポップみたいなビー玉。中二病になりだした時はどうしようかと思ったにゃん。でも気になる子が出来て……そこから同じ学校に行きたいって言い出して、一丁前に夢を見つけて。
(この星条旗の紙飛行機のように飛びだしていったにゃん)
14歳の男子学生君。わたくしタマはお前さんとの出逢いを忘れにゃいにょだ。きっとこの先もずっとにゃん。お前さんの夢が叶う頃。わたくしは生きているか分からにゃいが、お前さんの中で生き続けられたらと思うのにゃん。
「……だから、忘れにゃいでくれよ。親友」
さて。もうドクターにゃんこ相談室は閉めることとするにゃ。にゃ~。人間って不思議にゃね。ちょっとしたことで夢を見つけて世界をくるくる回す。少しはそのお役に立てたかにゃん?
この世には『バタフライエフェクト』という言葉が有るにゃん。あいつがいろんにゃものを追うことで、世界の何に変化をもたらすのか楽しみにゃ。だから、わたくしタマはもう泣かないにゃん。
さてとっと。わたくしもわたくしの今を生きにゃければ。
それじゃ、ばいにゃ~ん!
(=^・^=)ご愛読ありがとうございました!