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ハーフビラ 森とモンスター

……………………………………………………………


〜森の中〜


・・・おお!すげー!

俺は少し興奮していた。

初めてみる森の中は、ここが本当に前の世界とは別世界だと教えてくれる。

この中で、一番大きい身長は団長か・・・その団長何人分かはわからないが、周りの木々は全部団長を軽々しく超えていて見上げてもてっぺんが見えない。

木の幹って茶色だと思っていたけど、・・・緑のもあるな。

見たことのない花や木の実がなっている。

そして、匂いも色々充満している。

走っている最中だがどれも新鮮な情報で思わずキョロキョロしてしまう。

俺が周りの風景を見ているとリッギから声がかかる。


「ははは。そっか、ぬいくんは初めてなんだよね。森に入るの。」


「あぁ、森で拾われたみたいだけど初めて見る光景ばかりだ。」


「ぬい、肩に乗って。色々見れるよ。」


お言葉に甘えてラルの肩に乗る。


「まぁ、無闇矢鱈に触ったり近づいたりすると危険だからラルの側が安全だな。ペースをあげるついてこい。」


そして、団長についていく二人。俺は近くにいた蝶々っぽいのを目で追いかけていたんだが・・・え?花に食べられた?。いや・・・食べられたというより溶かされた、だなあれは。

花に着いた途端、その蝶々っぽいものが羽を散らせて本体は液体になっていた。


(低めのいい声):想像しないことをお勧めする。


「よし、川だ。これを上がれば、例の場所に着くだろう。ぬい、どうだ?」


「なんだろう、この先のあたりに5・・羽?コカトリスに似ている気配の生き物がいる。点々としている感じ。」


「コットかな?5羽とは・・・結構いるね。」


リッギが答えてくれる。

団長が考えながら口を開く。


「あぁ、なら少し迂回するか。コットなら瞬殺だろうがなるべくオーラは温存しよう。」


「わかった。」「そうだね。」


意見がまとまり、少し迂回しながら川を登っていく。

俺も引き締めて、周りを探る。

感じたことのない気配もあるが、あの男とは程遠いものばかりなのでそのことも含めてみんなに伝えていく。そして、ようやく着いた・・・これが、滝。

崖の上から、大量の水が流れている。すごい音と迫力満点の光景だ。

だが・・・


「・・・おかしいな。気配は全くないわけじゃないけど、あの男じゃない。モンスターだと思う。4匹いる。それ以外はない。」


「・・・どうする?ルーグ。」


「一応調べてみよう。移動した可能性もある。痕跡があるかもしれない。」


「わかった。」


3人と俺は、滝の隙間から中に入っていく。

薄暗い洞窟に入る。そうすると、リッギが球体の明るい光を浮かべて道を照らしてくれる。

ゴツゴツした岩肌に、少しぬめっとした光が反射している。


「ひゃっ」


ラルが小さく悲鳴をあげる。


「「どうした!?」」


先頭をいく団長と後ろを歩いているリッギが同時に叫ぶ。


「背中に水が垂れてきただけ。ごめん」


「なんだ。脅かすな。ははは。」


「も〜びっくりしたじゃないか。ラルアちゃん。」


「なんでもないなら、行くぞ!」


「うん。行こう。」


そうして、慎重に進んでいく。


「そろそろモンスターと当たるよ。」


「わかった。」


俺が気配察知の報告をする。

皆が、武器に手をかけながら進む。


「・・・いるな。アーシラかまぁすぐに片付くだろう。全員催眠液には注意するように。」


「なんだ?催眠液って。」


「アーシラ特有の尿だ。それに触れてしまうと眠るように意識を失うからそう呼ばれている。」


「ぬいは、ピーラの防御のやつしとけば大丈夫。」


「わかった。」


ラ・ピーラ(光玉)


”ピーラ”の防御特化版だ。

早速、発動する。


「・・・ほう、なかなか面白いな。じゃあ、行くぞ。真ん中の2匹はやろう。右をラル、左の1匹と取り逃がしがあればリッギ頼んだぞ。」


「「わかった。」」


俺は、しっかりとラルに張り付く。

団長は片手をあげる・・・。

そして、その手を下げたと同時に皆が一斉に動き出す。


ラルは、右へ飛びそのモンスターに奇襲をかける。

そのモンスターは、青い体に青い羽、首が長く小さい頭には赤いトサカがついている。

そして緑の尻尾が長い。魔晶核は首の付け根にきらきらと小さくついている。

その「アーシラ」と呼ばれたモンスターは、急にやってきた俺たちを見て「キゥェ」と変な声をあげ羽を広げようとするがラルは容赦なくアーシラの首の付け根に刀を刺していた。その光景に思わず唾を飲み込む。

アーシラは首を垂らして絶命した。

猫時代もよくネズミなんかを狩っていた。やはり傷は少ない方がいい。

だから、今回のラルの狩が見事なのがよくわかる。刀を引き抜いても血が吹き出すことなくするっと抜けて、まるで生きたままかのような仕上がりだ。


「さすがだな。いい手際だラル。」


「うんうん上手だね、ラルアちゃん」


二人もどうやら終わったようで返り血も全く浴びずにすんと立っていた。


「ここらが、行き止まりだろうからちょっと探索してみよう。」


そう言った団長に従い、俺たちは周りをよく観察する。

一通り、ぐるっと回ってみたが特に何もなさそうだった。

ここにいても何も得るものはなさそうなので俺たちは出ることになった。


………………………………………………………..


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