第012話 初めての冒険 6
パンデランガーと孝充はお互いにサシで勝負する様だ
お互いにポン刀を持って構える
「珍しいな
俺と同じポン刀じゃないか」
《良く切れるから
気に入ってるんだよ》
二人は殆ど同時に動き刃を重ねる
《驚いたね
略同じスピードだ》
「俺は最っと速いぞ」
互いに上段に打ち下ろしている様だが
余りのスピードに霞んで見えない
尚も打ち合う二人は少しずつ勢いの為上空に浮かび上がって行く
達人同士の戦いは予断を許さない
今度は空中戦の様相を示す
傍目には炎同士が高速でぶつかり合い
火花が散ってる様にも見える
やがて村正自身が超闘摩振動を起こす
それに気付く孝充(オ!やる気だな)
そして遂にパンデランガーの魔刀が村正から切られる
スパッスパッと
パンデランガーの魔刀の刀身が鍔から上身が分かれ
尚且つ刀身が三つに分かれていた
刀が刀を切り裂いたのだ
余りの事に驚くパンデランガー
その隙を逃さず孝充はパンデランガーのコアの有る左胸を正確に村正で突く
村正は正確にコアの中央を捕えた
10分程の戦いではあったが
孝充の勝ちで有る
《俺が負けたのか?》
横たわるパンデランガーの問いに答える孝充
「ああ
お前の負けだ」
《お前は強いな》
「いや違う
唯単に得物が勝っていただけだ」
《そうか
スマンが頼みが有る
此の侭俺の故郷迄転移して其処で死にたい
其処で俺の体を分子レベル迄燃やし尽して欲しい
勿論魔法陣を残して行くから
すぐに戻れる
如何か頼まれて欲しい》
暫し考え込む孝充
「そうか分かった
希望に応え様
皆集まってくれこれから転移する」
《感謝するよ》
全員が集まると
パンデランガーは魔力を込め全員を引き連れ故郷に転移した
転移すると急に車が突っ込んできた
慌てて孝充はそれを右手で受け止めると
受け止めた車に後続車が次々と追突してきた
転移した先は何と渋谷109前交差点で有った
それを見た孝充は慌ててパンデランガーに問う
「お前!!
真か転生者なのか!?
そして日本人なのか!?」
《そうさ
此処が俺の生まれ故郷で思い出の場所だよ
そろそろ頼むよ》
そう云うとパンデランガーは静かに目を閉じたが
それとは裏腹に交差点は大騒ぎだ
孝充はバリアーを予め二重に掛けていたので
呼ばれた警察官達も中に入れずにいた
**
何だ此れは前に進めないぞ
何か見えない壁が有ります
君達!何をしている!中に入れなさい
逮捕だ!!
映画の撮影か?
イケメンが居るよ
今迄見た中で一番の俳優さんだね
神様の降臨だ!!
違う全員が真黒な服だ!神では無く悪魔の降臨だ!!
兎も角大騒ぎに為り殆ど全員がスマホで撮影していた
だが残念な事にナビが全部の撮影部分を消していたのだった
**
孝充は少し考えてから
パンデランガーのコアを創造魔法で修理しだした
それをパンデランガーの体に転送させ
パンデランガーの体の傷を修復し始めた
《なんだ孝充!
生き返らせたのか
俺は敵だぞ》
「実はな
俺も日本人で転生者なんだ」
《そうか
成る程ね》
孝充はパンデランガーの傷を治すと立ち上がり
事故車の付近に居るお巡りさんを
魔法でかき分け
事故車に手を当て次々に修理をしていった
「そこを動くな!!」とっ警察官も銃を構えて制止するが
孝充は何処吹く風だ
遂に警察官も切れてしまい
「公務執行妨害で逮捕!!」とっ刺股で対応するが
全部の刺股が素手で孝充に捻じ曲げられてしまい
使用不能にされてしまうのだった
車の修理も終わり
孝充は皆に声を掛ける
「じゃっ帰るか」
再び皆が集まり
バイバイをして全周を囲んだお巡りさんに見守られながら
光に包まれ転移して惑星ベラルータに戻るのだった
転移した後ナビのチョットしたミスで
防犯カメラの映像が残ってしまい
後に日本国の特務機関で映像が集められ
異星人が来襲した物として片付けられ
秘密保全として闇に閉ざされるのだった
だがこの時の防犯カメラの映像は一部が出回り
各動画サイトに依り全世界に広く氾濫したが
国としてのコメントもする事は無く
やがて沈静化して行くのだった