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役得と襲撃

作者はおとなしくて活発な女の子が好き(意味不)

その後、当てもないので取り敢えず、幼女の石が導く方向へ樹と樹の間を歩いていると新たな発見があった。

矢野ちゃんは意外と胸があるのだ!

特別大きいわけではないが、歩く度に背中に当たる形の変化を十分に楽しめる!

今までゆるふわな服着てるから


(貧乳が苦し紛れで誤魔化すやつな…わかる!わかるよ!俺も背が高くないからシークレットシューズはいてた時期あったよ!)


と思っていたのに…。

ちな、シークレットシューズはダメだ。

立ち止まっているときはズボンで隠せばいいが、歩くと足首の位置がおかしいのが露呈してしまう。

友達にからかわれたのが今でも恥ずかしい。

しかも歩きにくい、何度も小さな段差でつまずきそうになった。


俺「!…(ガッ!)…あぶっ…ねー、そうそう、こんな感じ」


樹の地上根に足を取られるがなんとか踏みとどまる。二人分の体重が右膝にかかり膝から悲鳴が聞こえそうなほどの負担がかかった。ブワッと冷や汗も出た。


今転びかけた瞬間に何かものが当たるような音がしたような?

(ガサガサ!)

右から音がした。


何かいるけど、見えない!なんだ?!

走るつもりで早歩きする。

これ以上早くは動けそうもない。

危ない動物に見つからないように控えていたが

既に見つかってしまっていれば仕方ない!


俺「フラッシュ!」


俺はオツキミヤマでお馴染みの技を放った!

頭の上に光る玉が出現し、周囲5mほどを照らす。


光のおかげで走り易くなり、こちらの速度は上がったが音は付かず離れずでついてくる。


俺「はっ!…はっ!…はっ!」

持久戦になりそうだ。

一定のリズムで呼吸するように心掛けつつ、走る。



音がしなくなったところで膝をついた…


俺「はぁ…はぁ…コホコホッ!」


気持ちが悪い…吐きそうだ。

帰宅部ゆえに普段走らないのに体力テストだけ頑張った時のようだ。

いや、でも人背負いながら走って野生の動物を諦めさせたのだから、俺の持久力も大した…

(ドンッ)

膝をついた横に石が飛んできた。

…ざけんな!

体力の残り滓をかき集めて再び走り出す。



音がした。ガサガサ音ではない。

水の流れる音がした!

喉が渇いて仕方がなかった。

呼吸する度に喉が切れそうになる。

吸い寄せられるように水音の方へ歩く。

もう走れない。

矢野ちゃんをここに捨ててでも早く、水を飲みたいと思った。

いや、正直もうけっこう前から捨てたいと思っていた。自分だけなら逃げ切れるはずだと…


それより、水だ!樹の間から

フラッシュにより照らされたのは

川だった。

(水だッ!)

大小の石が転がっている川原を走り抜け、飛び込むように顔を水面に近づけ、水を掬い、口へ含んだ。

背中にかかる重みが邪魔だと思いつつ、何度も水を掬い、勢い良く飲んだ。


俺「生き返っ……たー!」


神に感謝するように膝を折りつつ、「…たー!」の勢いで背を反らし、首を伸ばし、顔を夜空に向ける。

(ヒュン!)

死にかけた。



水面に向け、足を折り、腰を曲げ、顔を近づけ、水を飲み続ける姿はさぞ首を切り落としやすそうに見えただろう。

背を反らした直後、錆びた斧が目の前を通り抜けた。

斧の出先を見れば、ゴブリンだ。


俺「は?あ!?」


驚いてバランスを崩し、背中側へ倒れる。鞄と矢野ちゃんを下敷きにしてしまう。

仰向けの亀のような状態の俺に追撃がきた。

振り下ろされた斧が上から迫ってくる。

足でどうにか勢いをつけ、横へ転がる。

石に横頭部をぶつけるが、構ってられない。

腕立て伏せの要領で反対側に向け、逃げながら起き上がると、

正面にゴブリンがいた。


俺「ファイアぁ゛!!」


頼むから死んでくれと願いながら放ったが

持っていた木製の盾が燃えるにとどまった。驚いた様子だったが盾を捨て、短剣を両手に持ちかえ、警戒しつつもこっちにくる。


俺「ぁ゛」


左肩になにかが刺さった…矢?

左を見れば向こう岸の川原から小柄なゴブリンが弓を構えている。

ここに来て初めてゴブリン達の作戦を理解した。幼稚だが、数を生かせていると思う。一対一でも怪しいのに、こちらは疲労困憊の中、3方位から攻撃に留意せねばならない。


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