朝チュンと魔法
魔法が出るまで10話…それなりかな?
起きると目の前にゴブリンがいた。
キスすらできそうな距離だ。
なにやら胸ポケットの中身を漁っている。
そこには石ころしか入ってねーぞ!
仰天しつつ右フックを見舞う、てか、外す。
後ろに飛ばれ、拳は空を切った。
やつは洞窟の入り口に立っている。
やるしかないが、
良く見ればやつは石のハンマーを持っている。
殴られたら死ぬしかないじゃない。
ゴブリンはハンマーを振り上げ、こっちに突っ込んできた。
狭い洞窟内で器用にハンマーを使うものだと感心している場合ではない。
全力回避を試みる。左へ倒れるように横っ飛び。
なんとか回避するも、ハンマーの先はいまだ寝ているおんちゃんの頭に…当たるかと思ったが間一髪横に逸れた。
そして、ハンマーが床に当たった音と衝撃でみんなは一気に目が覚めた!
おんちゃん「な、な、なー!」
カズ「え…?」
伊藤さん「んー?」
矢野ちゃん「はよー?」
全員寝起きポンコツ勢かよ?!
そんな中、ゴブリンはハンマーを振り上げ
再び横たわるおんちゃんへ狙いを定める。
腰が抜けてしまったのかおんちゃんは動かない。
ただぶたないでと言わんばかりに両手のひらを
ゴブリンに向けている。顔から恐怖の色しか見えない。
おんちゃん「あぁ…ファイガ!ファイラ!…」
そんなもん出るわけないだろ!
と立ち上がった俺は拳にありったけの力を込めて
ゴブリンの横顔に殴りかかろうと勢いをつけて駆けた。
俺「オオォラァアアー!!」
おんちゃん「…ファイア!」
目の前がオレンジに染まった。
…うゎあアッッッチィィィー!!
いい人は損をする。
そんな当たり前のことを今思い出した。
よし、二桁。