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ガラスの世界  作者: 伊集院 大和
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一枚のガラスの向こう側に








異様な程の暑さの続く八月が過ぎ

朝晩と肌寒くも感じる風が吹く今日此頃


時期もあと十日ほどで、九月が終わろうとしている。



強風の様に、足早に過ぎ去り変わりゆく季節を

一枚のガラスの向こうから、眺めることしか出来ずにいた。


各地方の人々が、度々揺れる地震と台風での災害

そして不必要な北の某国からの不法投棄に早朝から起こされ

いつ飛んでくるか判らない無駄な物に

平和に暮らしている日々に、心が安らぐ時間も失われている。



つい数日前、過ぎていった台風の空を

強く吹く風の中に観つめていた。


たいした雨量も無く、ただ強く吹くだけの風に

過ぎて行った次の日も、青空を観ること無く日々は過ぎて行く。




強風だけの風が、私の住む街を通り過ぎる日から数週間前



いつものように ハンドルを握り

変わり行く風景を観ながら車を走らせていた。


遠くに観る視界の先には、濃い霧と、ゲリラ豪雨の降る中を

ワイパーさえも意味が無いように感じた。


水捌けの悪さに、排水口さえ意味も無く、波打つ一般道を走り抜け

平行して走る高速からの雨水が、走る車に飛ばされ

下の道を走る車の屋根やフロントガラスに

まるで、流れ来る滝のように、勢いの強すぎる雨水が

私の乗る車をも強く打ち付けていた。



そんな大雨の中、表示される掲示板に

こんな土砂降りで注意報かと珍しく突っ込みを入れた

時間も早朝の6時頃の事ではあるが


その後、大した雨でも無いのに

聞こえてくるラジオからは、警報の言葉が聴こえ


今更かよと、更に突っ込みを入れようとしたが

その言葉は、次第に観えて来る晴れ間と共に消え去っていった。



早朝からの豪雨も無かった事のように

昼までには、晴れ間の中に小雨が降る程度に変わってゆく。


その日を境に、朝晩と涼しく感じ

ただ昼間だけは、夏場の陽の暑さ程ではないが

額に、薄らと汗を掻く程度にあった。


太陽フレアのせいで 観る陽射しは、更に眩しく

私の体調不良から機嫌が悪く見えたのも、そのせいではなかろうか


いつも笑顔で居ると思っていたが、周りには不機嫌に観えたようで

疲労とは異なる異様な程の脱力感が、3度と私に降りかかり

その3度目にも、北の某国からの不法投棄が飛ばされた。


その脱力感の中に、天使の声が私の中に響き

多少なりとも笑顔を取り戻せたような気がする。



ガラスの向こうは、霧の中に小雨が振り注ぎ

疲れ切った日々の暮らしに

またいつ来るかわからぬ脱力感と不法投棄に

出来る限り何かを、後の世代に伝え遺さなければと想い

ハンドルを握れば、次々と溢れてくるこれからの期待に

変わるなら今しかないと、ガラスの世界を始めるに至った。




















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