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「では、何から話そうか?」
「…私がここに来させられた理由を教えてください」
「ふむ、わかった。そのことについて説明しよう」
そう言って話された内容は驚くべきことだった。
「儂はゼウス。ギリシャ神話の全能の神だ」
「ゼ、ゼウスって…」
「そして、儂がお主をここに呼び寄せた理由は、ある9人の神々に、人間のことについて教えてもらいたいからだ。」
「あの…教えると言っても、どのようなことを教えればいいんですか?」
「人間の心、人間の文化についてだ。」
「私は、元の世界へ帰れるんですか?」
「先程言った人間のことについて、9人の神々に教えることができたらお主を元の世界に帰そう。だが、教えるまでの期間は1年。その間に教えることができなかった場合は、帰すことはできない。」
「…私に拒否権はないんですよね?」
「……………………」
ゼウスは何も言わなかったが、そうなのだと感じたような気がした。
「…分かりました。1年間、宜しくお願いします。」
そうして、私と神々の学園生活は幕を開けることになった。