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チチチチ…
「…?」
意識が戻り始めた舞の、目の端から光が入ってくる。そして、完全に意識を取り戻した。
「…ここ、はどこ」
目を開けると、温室や植物園のような場所だった。
「…私、倉にいたはずなのに。まさか、誘拐?」
思い至った考えに、手が震えてきた。その手に何かが当たった。
「!?これ…!」
それはあの手鏡だった。
「…そうだ、この手鏡から光が溢れ出したんだ」
舞が意識を失う前のことを思い出した瞬間、景色が変わった。
「!?」
「待っていたぞ、九条 舞」
「だ、誰!?」
「お主をこの世界に呼び寄せた者だ」
「この世界…?」
「ああ、まだ説明をしていなかったな。今から話そう、そこへ座るといい」
そう促された席へ座り、謎の人物の説明を受けることにした。それが、あんなことになるなんて…