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なぜ私は今ここにいるのだろう…
ここは箱庭、神々と私を閉じ込める箱庭。
私には1年しか時間がないのに…
「舞~♪」
「わっ!ゆ、ゆうちゃん!?」
「どうしたの?ボーッとして」
「な、何でもないよ?」
「…もしかしてあのクソ野郎がまた何か言ってきたの?」
「ううん、本当に大丈夫だから」
それはいつもの日常だった。この後あんなことがあるとも知らず…
「ほう…この娘が良いか…」
舞の世界とは別の世界で、ある人物が舞の様子を見ていた。
「ゼウス様、ではこの娘にいたしましょうか。」
「…ああ、この娘いや、九条 舞をこの世界へ連れてこい。」
「かしこまりました。」
「ああ、それとあの9人も連れてこい。拒否でもしようものなら、無理やりにでも連れてこい。」
「かしこまりました。」
命じられた人物は一瞬で姿を消した。それを見届けたもう1人の人物は、呟くように言った。
「…九条 舞、あやつらをお前の手で救ってくれ…私ではもう、手におえない…都合がいいと思うがな…」