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冬の訪れ
私のいる町に冬が訪れた。朝になってガラス窓を開けると吐く息が白くなって消える。
冷たい凛とした空気が身体中に染み渡るようだ。窓を閉めても冷たさは残る。
「寒いわね」
ぽつりと独り言が出てしまう。足元に温かくて柔らかな感触がした。
見てみたら我が家で飼っている猫がすり寄ってきていた。にゃあと一声鳴く。
ごめんねと言いながらキッチンに急いだ。ミルクを用意してあげなくちゃね。
猫も付いてきた。お皿にぬるめに温めたミルクを入れて床に置いてやる。おいしそうに飲むのを眺めた。
寒いからストーブをつける。暖かなものが体に伝わった。ほうと息をついたのだった。