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叶多  作者: 碧生
2/7

クラス同じだったから

 ~旭成高校 2年棟廊下~


「あ、叶多、」


「ん?」


「口元に塩、ちょいついてる」


「え?!恥ずかし・・」


「ん(ペロ」


「・・あぅ、アリガト」


『キャーーーーーッ!♡』


 鈴葉は私の口元についていたらしいベーコンエッグのものだろうを、自分の舌でペロ、と舐めとった。


 その瞬間、湧き上がる女子の黄色い歓声。


 そう、鈴葉は、誰もが認めるイケメン(女子)。


 身長174㎝、スラリとした長い手足。 少し低めの声。 首筋を這う綺麗な黒髪。 ちなみに一人称は「私」だ。

 男子も羨む紳士振り。


「もー、鈴葉、自分がかっこいいって自覚あるの?」


「はぁ? かっこいい?誰が?」


「す・ず・は・が!」


「私がか?そんな訳ないって」


「もーいいや! 面倒臭くなってきた・・・」


 ため息をついたその時、


「あ、カナー、スズー、おはー」


「紫月!おはよ~」


「紫月か・・・。オハヨ」


「んー、何その反応~・・・。 ま、いーや。アタシら、またクラス同じだったから」


 この子は雪村紫月ゆきむらしづき


 あたしの中学生の時からの親友。面倒くさがりやで大雑把。若干KYでかなりの毒舌家だけど、友達をとても大切にできる優しい子。


 あたしと鈴葉と紫月は、同じ中学校出身で、仲がいい。


「オッス!!お前ら!」


「・・はよ」


 あ、あとコイツらも・・・。


かなめ悠斗ゆうと、まさかアンタらも?」


「おう、同じクラスだぜ!」


 九条要くじょうかなめ水瀬悠斗みなせゆうと

 こいつらもあたしたちと同じ中学校だった。


 この5人はなんだか気があって、よく一緒にいる。


「なあ、オレら全員同じクラスって、中3以来じゃね?」


「そーね、嬉しくないけど」


「なんか始まりそうな予感しねぇ???!!」


「?別に」


「・・・」


 あはは・・出ました、要VS鈴葉&紫月。 よくケンカしてるんだよね・・・


「悠斗、朔兄に会いに行く?」


「!いいのか?」


「大丈夫でしょ、始業式まであと10分あるし・・。3年棟はこの上の階だよね?」


「ああ・・、じゃ、少し行ってくる」


「はーい」


 悠斗はバスケ部で、うちの兄貴を尊敬している。あの兄貴を・・・。


「ふふ、なんだか楽しくなりそう♪」


 私は、誰にも聞こえないように、そっと、呟いた。

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