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叶多  作者: 碧生
1/7

行ってきます!

 主人公・叶多とその周りの仲間たちの感情が、叶多の想い人により様々な形で交差する。


 そんな物語を、どうぞ。

――

―――


叶多かなた。叶多には、何か願いごとある?』


『ねがいごと? あるよ!お花やさんになるの!』


『叶えたい?』


『? うん!』


『じゃあ、とっておきの方法を教えてあげる』


『え?! ほんとう?教えて教えてっ』


『願いごとはね、十回口に出すと叶うんだよ』


『十回?』


『そうだよ。叶多の叶って言う字は、十回口に出すって書くんだよ』


『へえ!教えてくれてありがとう!』


『いいよ、またな、叶多』 


『うん!ばいばい、はるお兄ちゃん!』


――――

――


「陽お兄ぃちゃぁん・・むにゃ・・・」


 PiPiPi・・・


「叶多~!朝だぞー!」


「はっ」


「俺のかっわいい叶多ちゃ~ん!遅刻しちゃうぞー♪」


さく兄!キモいっ!もう高3でしょ?」


「うぅ・・」


「もーいいや、おはよう!」


「おう!おはよ! 朝ごはん、ベーコンエッグでいいか?」


「うん」


 あたしは泉水叶多いずみかなた旭成あさひな高校2年生の美術部。


 さっきのはあたしのバカ兄貴。泉水朔いずみさく。同じ高校の3年生。バスケ部主将。一応。


 あたしの両親は海外で働いていて、年中出張状態。だから、朔兄と2人で暮らしてる。

 昔はあたしたち兄妹も海外に住んでたけど、中学生になってから日本に帰ってきた。


 家のことは基本あたしと朔兄でやっている。 

 重要なことは近所に住んでいる祖父母に頼む。



 これが、あたしたちの日常。


「そういや、お前寝言で陽お兄ちゃん、陽おにいちゃんって言ってたぞ?」


「えっ、嘘? 恥ずかし・・・」


「むぅ・・お前のお兄ちゃんは俺だけで十分だろ~?」


「え・・」


「え?! おい、そんなこと言ったらお兄ちゃん悲しいっ」


「キモ・・・」


「・・・・・うん。 あ、制服そこね」


「・・あ、アイロンかけてくれたんだ、ありがと」


「!  いやあ、叶多のためだからな★」


「とか言って、自分のやってないし・・もぅ・・」


「あ」


「ふふっ、ま、お礼にあたしがかけてあげるから感謝するよーに!」


「!! よっしゃあ!やったー!」


「あはは、はー、ごちそうさま!」


「おう、おいしかった?」


「うん」


「よかった!」


「さ、制服制服・・」


~10分後~


ピンポーン


「あ、叶多、リンちゃんじゃない?」


「ああ、鈴葉、迎えにきてくれたんだ!」


 リン改め鈴葉は、私の親友。都築鈴葉つづきすずは。本人は「こんな言いにくい名前ヤダ」って言ってたけど、かっこいくてあたしは好き。


 あ、リンっていうのは、鈴葉の「鈴」の字を音読みにした朔兄の呼び方。鈴葉は凄く嫌がってるみたいだけど・・・。


 ガチャ


「鈴葉! おはよう」


「叶多、おはよう。あ、朔さんも」


「おはよーん」


「今日も相変わらずのキモっぷりですね、朔さん」


「今日も相変わらずの毒舌っぷりだね、リンちゃん★」


「それはどうも。では、叶多は預かってきますんで」


「そ? じゃ、よろしくね、リ・ン・ちゃん★」


「うぉ・・」

 

 2人のあまりの殺気に後ずさってしまった私を鈴葉が引っ張る。


「あ、じゃあ、朔兄、いってきます!」


「おう、行ってらっしゃい、叶多!あ、リンちゃんも」


「うん!」


「(無言の殺気)」


 タタタッ・・・


「さて、俺も行くとするか」





 昔の記憶。


 それは、一生残る大切なもの。あなたは、昔の自分を思い出しながらむことができましたが?

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