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おとうさんは!?  作者: みぃこ
第1章
6/7

おとうさんはお目覚め!?

とりあえず、目標の一週間以内です。

更新を待っていた方、すいません。

期末テストは月曜に終わってたのですが、次は駿台が…

勉強のほうに力を入れていて、小説を全然書いていなかったという(汗

gdgd感満載で、推敲も全然していないという状態でupします。

私事のせいで読まれる方が不快を持たれるかもしれません。

作者みぃこの力不足です…

先に謝っておきます!申し訳ございません!!



では、第5話始まります。



 2050年、4月。大日本国、某所。

 世間から黄金週間(ゴールデンウィーク)などと呼称されている始めの日に一人の男の怒鳴り声が響いた。


「だから、その事は、案に、何回も、出ている事だろう!……あぁ、あぁ。それくらい適当にあしらっておけ。……あぁ。じゃあ、切るぞ」


 そう言って目の前に浮かび上がっている青色のディスプレイを閉じる。つい最近になって導入されたホログラフィーの技術は、旧作のものよりも遥かに精妙にできていた。

 怒鳴り声を上げた高齢の男は、はぁと溜息をつく。そしておもむろに、上着の内ポケットからタバコの箱を取り出し、既に残り一本にまで減ったそれの重さを確かめた。彼はそのまま箱を持っているのとは逆の手で火口となるものを捜す。何ヶ所もある衣嚢(いのう)の内の一つにやっと手ごたえを感じたが、不意に彼の動きが止まった。何を思ったか、彼は突然目的を達成しかけたその手で、今度は乱暴にネクタイを解き、タバコの箱を元に戻す。そして、先程と全く同じように、はぁと溜息をはいた。


「あの、吸わないんですか、タバコ……」


 ふいに、前の運転席から声がかかる。その後ろに座っていた男から顔を上げると、バックミラー越しに声の主がちらちらと視線を向けては逸らしていた。一連の動作を見られていた故のたどたどしい態度。それが更に彼の気持ちを沈ませた。


「あぁ、仕事帰りとはいえ車の中だからね。窓を開けようにも、ここじゃあ開けれまい」


「すいません……時間的に高速に乗らないと間に合わないと思ったので……」


「いや、いいんだ。気にしないでいい。煙草なんぞ、何時でも吸える」


 そう言って再び男は顔を下に向けた。長年、彼の立場を運転席(しごとば)で見てきた男は、これは重症だなと独りごちたのだった。


 一昔前は出会いと別れの時期と呼ばれていた4月。今となっては、大日本の国花の一つである桜を観賞するだけの季節になってしまった。国内での欧米化促進運動が、ここ十年間で急速に高まったのだ。よって、入学式は全国で9月に行われる。以前は3月に始業された卒業式は、元々、儒学の精神が浸透していた日本とお隣の国韓国くらいだったので、現在は行われていない。反対の意見ももちろん多いが、やっと慣れてきたこの習慣を元に戻すのはなかなか酷だろう。

 運転手の男はふと、窓から外を眺める。いつの間にか太陽は遠い向こうに傾いていて、今にも沈んでしまいそうだった。しかし、そこから発せられる燃えるような赤い夕日は、丁度見えた巨大な桜の木を美しく映えさせていた。


「あの」


 再び運転手が声をかける。バックミラーを覗く顔は笑顔だった。


「タバコいいですよ。大丈夫です」


「そうかい。しかし、止めておくよ。彼女から何時連絡が来るか分からない。見つかりでもしたら、堪ったもんじゃない」


 男はそういい終えると、いつもは隣に座っているはずの秘書官を思い浮かべる。


「いつの時代でも、やはり男はこういう時、肩身が狭いですね」


「全くだ。本当に、少しぐらい……」


 はははと笑い声を上げる運転手に対して、男は文字通り肩をすぼめた。


「さっきのホロもあの彼女から?」


「あぁ。キャリアは良いのだがな……」


 男は内心で、頼りないのが問題なのだと付け加えた。ちらりと横目で隣の空席を見る。そして、今日一番の大きな溜息をついた。


「すまない。やはり吸わせてくれないだろうか」


「えぇ、構いませんよ」


 その返事を聞くと、男は俯いている間中、ずっと手の内で弄っていた箱とライターを取り出す。そして、空になった箱をくしゃりと潰して、火を点した。






 ―――夢。


 -――夢を見ている。これはそう、たぶん夢。夢に違いない。なぜなら、わたしが私で私がわたしなんてことはありえないのだから。一気に流れる風景。勝手に動くからだ、そして景色。ありえない……

 夢の中のわたしは、お兄さんと訳の分からない言葉で何かを話している。しばらく聞いていると、わたしは突然立ち上がった。普段のわたしの目線をとうに越え、ぐんぐんとあがっていく。あがる。まだ、あがる。いつまでもあがっていきそうに感じて、恐怖から悲鳴を上げる……が、でない。口が動かない。口内に溜まった唾液が気持ち悪い。飲み込もう、そうするが、できない。

 夢だ。やはり、夢なのだ。それも、今生一番の悪い夢―――悪夢。今生とはいっても、わたしはまだ数えで八つになったばかり。そんな子どもが何を言うと人は思うだろう。しかし、わたしは一度見た夢を思い出せる自信があるし、人一倍の夢を見ていると自負している。双子の姉とは違い、幼い頃からわたしは体が弱かった。持病を患っているというわけではなかったが、疲れが溜まるとなかなか抜けない体質だった。だから、わたしは体を動かす事を避けて本の虫となっていた。


 本は好きだ。病弱なわたしをどこにでも連れていってくれる。

 夢は好きだ。弱虫なわたしをなんにでもならせてくれる。


 絵本で見た聖女さまや小説で読んだお姫さまに変身させてくれる夢が、わたしは好きだった。しかし、それゆえの困惑。それゆえの恐怖。こんな話は既読の絵本にもなかったし、小説にもなかった。

 わたしはこんなの知らない。でも、どういうわけか知っている。

 わたしが、今使っている刃物は「ほうちょう」という名前のもの。さっき、お兄さんが見ていたのは「てれび」という名前のもの。わたしは知らないのに私が知っている。頭がぐちゃぐちゃに絡まっていく。


 ―――夢。


 -――夢を見ている。これはそう、たぶん夢。夢に違いない。しかし、ふと思う。これは本当に夢なのだろうかと。思考はできるし、五感もある。ただ、不自由な体とわたしが私であることが理解できなかった。

 いつの間にか、私の体は自室にいるようだった。わたしじゃなくて私の自室。わたしは一人でボソリと何かを呟く。私の焦りがわたしにも伝わって気持ち悪い。下を見る。そして、私/わたしは気付く――――――


 混ざる混ざる、意識が混ざる。



 あなたはだあれ?わたしはあなた


 わたしはだあれ?あなたはわたし



 私はわたしで私はわたし


 わたしは私で私はわたし


 

 混ざる混ざる、意識が混ざる。







「ねぇ、ねぇったら。フィーア、起きなさい」


 肩を揺すられる感覚。そして、上から聞こえるやわらかく優しい声。首と気持ちの良い枕の間にある髪の毛がくすぐったい。

 どうやら、先の声は私を起こしてくれているようだ。深く深く沈んだ意識の中、(おぼろ)げに考える。今まで見た夢の内容。あれは、私自身のことだった。仮想現実(バーチャルリアリティ)の世界に呼ばれる直前の事。記憶と現実の矛盾(パラドックス)に困窮していた私、そのままだった。しかし、よくよく考えてみるとあれは私であって私ではなかったような感じがする。


「フィーア、あなた本当は起きているんじゃない……?」


 再びかかる上からの声。しかし、フィーアとは誰なのだろうか。私の名前は高志であって、決して横文字の名前ではないし、少女のような愛称で呼ばれた事もない。けれども、私の肩を揺すっている人は、私のことをフィーアと呼ぶ。

 ……あぁ、そうだ、そうだった。思い出した。つい先まで私たちはあの真っ白な世界に居たのだった。そして、そう。それから、短くて不確かな説明を受けてから、VR(バーチャルリアリティ)の世界に送られて……今になるのか。そうなれば、彼女がわたしをフィーアと呼ぶのも判る。望月社長のいっていた通りに事が進んでいれば、私は年の頃十二、三の女児の体になっているだろう。彼は瞳から聞いていた以上の人だった。「定年していい年頃にも係わらず、性格は子供。でも、仕事中は『ザ・社長』って感じで、そのギャップに振り回されるわ」と。性格が子供ならば、彼が最後に伝えた「アイディア」は――――――既視感(デジャブ)だ。今、前に考えた事と全く同じことを考えていたような気がする。いつだったか……あれは、確か………


「いい加減にしないと、こうしちゃうんだから……」


「っ!」


 首元にあった枕が突然消え失せて、頭が地面に落下する。思考の波に飲まれていた私を引き上げたのは、ゴチンという痛々しい音と直後にあった頭部の痛みだった。


「いった!」


 私の口から飛び出したのは、案の定女の子の声。舌っ足らずな甘い響きが耳に伝わった。その事にやはりかと気落ちする。

 これが、私の声……判ってはいたが、解りたくなかった。


「フィーア、やっぱり起きてたんでしょ。もう膝枕してあげないよ」


 未だ痛みに耐え、目を閉じたままの私に、少しきつくなった口調で話しかける声。何故だか分からないが、目を開けるのが怖かった。しかし、いつまでもこうしている訳にはいかない。寝ていた体勢のままゆっくり、ゆっくりと目蓋を開く。

 最初に映ったのは青。果てしなく続いていそうな、雲一つない青空。そして、生き生きと萌えている緑色の芝。目の前に広がっていたのは高原だった。周りを確認した後、おずおずいったように、先程まで私の名だろうものを呼んでいた主のほうに顔を向ける。そこには、まだあどけなさを残した少女が微笑んでいた。

 真っ赤な髪、透き通った琥珀玉のような目。漫画なのでよく見かける「魔法使い」のような服装。彼女は私が初めて見るほどの美少女だった。ただ……


「……外人、さん?」


 穏やかな風が優しく頬を撫でた。


「ん? なにか言った?」


 彼女の艶やかで長く燃える炎のように赤い髪が、風に乗りゆらりと揺れる。それを自然な手つきで押さえつけながら、彼女は私に歩み寄る。


「文句は聞かないよ。なかなか起きなかったフィーアが悪いんだから」


 頭に入ってくるのはやさしい日本語。しかし、彼女の口はまるで別の生き物のように激しく動いていた。

 英語なのだろうか、それともフランス語? 生憎、私は唇の動きだけで異国の言葉を読み取ることなんてできない。なら何故、彼女の言葉が理解できるのだろう。そう考えて、一つの答えにたどり着く。そう、ここは十中八九「ゲーム」の世界。MMOなのだから、オンラインゲームで間違いない。たった今、海外対応仕様、要するに自動翻訳機能が作動しているのだろう。


「いつまでも寝転がっていないで、起きて。早く移動しないといけないっぽいのよ……」


 いつの間にか、私の頭のすぐ横に、名前もしらない異国の少女が彼女の瞳と同じ色をしたスカートを緩やかに手で押さえながらしゃがみこんでいた。そして、彼女からこちらへ伸ばされる手。しかし、私はその手をとることにためらった。

 目の前の少女はこの体の本当の主のことを知っているが、私は彼女のことを知らない。とりあえず、自分(このフィーアという娘の精神)が何処に行ってしまったのか等の疑問と、状況の説明を求めなければと考え、体勢はそのままに口を開く。


「えっと、あなたは、誰、ですか……? わたしはっ――――――」


 そこまで言って、突然頭にズキンと金槌(かなづち)で殴られたような衝撃が走った。

 私は松田高志だ。じゃあ、わたしは誰だ? わたしはだれだ?

 それにこの人をわたしは知っている。知っているじゃないか。何でわからなかったのだろう。


 覚えのない記憶、聞いたこのない言語、知らない知識。膨大な量の情報が脳に直接流れ込んでくる。それに伴う鋭い痛みに両手で頭を強く押さえつける。

 痛い、痛い、痛い。涙が目頭から、涎が口元から垂れるが拭う余裕なんて無い。それなのに、また感じる既視感(デジャブ)


 あぁ、そうか。そうなのか。

 わたしは――――――で、この人は――――――だった。


 長く続く頭の痛みに、この幼すぎる体では抵抗する事ができなくなっていた。体力が、気力が無さすぎたのだ。ふっと力を抜き、今まで抗っていた痛みに身を任せる。今まで、固く閉じていた目に、うっすらとそばにいた彼女が必死の形相でわたしを抱きかかえる様子が伺えた。

 

 あぁ、また心配かけてしまったな


 それを最後に、私のいしきはまた暗闇へを落ちていったのである。


こんにちは!みぃこです!!


一週間以内更新を目指してるのですが、

この話を打っている最中に日にちが廻ってしまって、

一週間を越えてしまったという…

大変申し訳ございませんでした。


今回は、テスト明けということでgdgdな文になってしまいました。

後から修正を加えるかもしれません。

かってながら、誤字脱字の報告をもらえると嬉しいです。

それと、感想もまってます。

活動報告のほうもうpしておきますねー


では、次の話でまたあいましょうノシ

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