9.人間界と異世界
※この物語はフィクションです。実際にいる人物、団体とは一切関係ありません。
ラン原作品
現代異世界ファンタジー
『アサシン』
毎週土曜日に1話ずつ投稿原作だけでなく、イラストなども投稿しているので、気になる方はXを見に行ってみてください。
イラスト垢 @RAN_assn
創作メイキング垢 @Ran_Makin
学校 放課後
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り授業の終わりを知らせる。
そして、スージーは傷も負っているしおとなしく帰る支度をしていた。
ネム「スージー!一緒に帰ろ!」
スージー「ネム…」
ネム「あれ?どうしたの?もしかして、体痛い?体調悪いとか?」
スージー「いや、そうじゃないけど…ずっとあの世界について考えてたの…」
ネム「あの世界?私たちが昨日迷い込んだあの世界だよね?風景が赤くなる…」
スージー「そう、それでね…」
その時…
男子生徒A「まだスージーさんが残ってる?これはチャンスか?」
男子生徒B「おいバカ!隣にネムがいるだろうが!今告ったらお前消されるぞ!?」
男子生徒A「げっ!ほんとだ…危ねぇ…」
スージー ネム「…」
スージー「家で話しましょ。」
ネム「うん、そうする。(チッ、何よあいつら…スージーの事ジロジロ見てきて…気持ち悪い…)」
スージーの部屋
2人は学校の寮であるスージーの部屋に入り、そこで昨日の話をする事にした。
ネム「で、何か言いたい事があるんでしょ?」
スージー「うん。実は、このアプリって履歴が残るのよ。」
ネム「へぇ、履歴…もしかして、それで私達が行った場所がわかったとか!?」
スージー「えぇ…でも、ネムは読めるこれ…」
そう言うと、ネムにスマホ画面を見せるが、そこにはなんと書いているかわからないネムは、眉間に皺を寄せスマホ画面を凝視する。
ネム「ん〜…読めない!スージーは読めるの?」
スージー「えぇ、ここには『異世界と人間界の狭間』って書いてあるわ。」
ネム「『異世界と…人間界の…はざま』?何?それ…異世界ってあの異世界転生…とかの異世界?それだったらマジで凄くない!?」
スージー「いや、異世界転生の異世界かは謎だけど…別に凄くはないでしょ…」
ネム「えぇえ!?なんで!?この世界には夢がまだあるって認識できるじゃん!」
スージー「昨日のあいつ見てそう思う?」
ネム「?」
スージー「あいつは明らかに人間じゃない。それに異世界と聞いたら色々ポジティブに考えるかもだけど、異世界なんて魔物とか変な怪物がいるかもしれないのよ?私たちは普通の人間も同様よ。そんな奴が異世界彷徨うって事は、真っ裸で街中歩くも同然よ。」
ネム「うっ!なんかそう言われるとこの世界の異世界って夢も希望もない気がしてきたかも…」
スージー「所詮、夢は夢よ。『事実は小説より奇なり』ってよく言うでしょ?」
ネム「でも!希望がないわけじゃないよ!だって昨日スージー、覚醒してたじゃん!突然青い火に包まれたと思ったら、剣持ってあいつに特攻するし!かっこよかった!」
スージー「あれは…」
ネム「あの力があったら異世界でも平気じゃない?」
スージー「ネム、色々ポジティブに考えるのは良いけどね…あれは、『悪魔の契約』っていうやつよ…」
ネム「えっ?悪魔の契約って代償払ってなんらかの力を貰うって言うあの『悪魔の契約』?」
スージー「えぇ…私自身、何が代償に取られたかまでは検討はついてないけど、私を包んだあの炎は悪魔よ…そして、私は悪魔の契約であの力を手に入れた…そして、私は人間ってより『魔人』になるらしいわ。」
ネム「やっぱスージーいたらどうにかなるんじゃ?」
スージー「なるわけないでしょ?私はまだ、あの力をうまく扱えてない。扱えなかったらあの世界を出入りするのは危険よ。」
ネム「それもそうか…この世界であの剣出せないの?」
スージー「試したことないわね…やってみようかしら…」
ネム「やってみよ!スージー!」
スージーは手を前に出し、剣を召喚する構えをする。
だが…
スージー「……」
ネム「……」
スージー「……」
ネム「何も起きない…スージー、本気でやってる?」
スージー「めちゃくちゃ力入れてるわよ…」プルプル
スージーの手が小刻みに震えてる。
ネム「じゃあなんで出ないの?」
スージー「わかんないわよ…あの世界で家に帰ってきた時からあの剣がないのよ。」
ネム「まさか、あの世界に置いてきた!?」
スージー「あり得るけど、剣を取り戻すためだけにあの世界には行きたくないわね…私も本調子じゃないし…」
ネム「それもそうか…なら、調子が戻ったらあの世界に行こ!」
スージー「そうね、でも、一つ条件があるわ。」
ネム「?何?スージー。」
スージー「ネム、あんたはあの世界に来ちゃだめよ。」
ネム「……え?…」




