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結果発表!

 50戦目が終わった。


 白い光が弾け──ユウマの身体がふっと浮いた。


 視界が戻ると、そこは島の隠れ家の地下に設けられたVRロビー。

 真っ白な床、静謐な天井、中央に巨大スクリーンが鎮座し、二週間のバトルロワイヤル(通算50戦)のハイライトが延々と流れている。


「……帰ってきた……!」


 ユウマが胸を押さえると、続くようにメンバーがロビーに集まってきた。


 全員揃ったところで──


《参加者全員の復帰を確認。バトルロワイヤル、お疲れさまでした》


 AIの無機質な声が響く。


 そしてスクリーンに表示されたのは、二週間の血と汗と涙と爆薬の結晶──最終成績だ。


《集計結果を発表します》


最下位 :優勝0回 ナターシャ


 ロビー中央。

 みんなが成績を眺める中、ナターシャだけは静かに床を掃除していた。


「ナターシャ……?」

 ユウマがおそるおそる声を掛ける。


「ユウマ様」

 ナターシャは顔を上げず、淡々と告げた。


「私は50戦中、一度も優勝できませんでした。原因は明白です」


 ユウマは思わずごくりと唾を飲む。


「接近戦に弱すぎたこと。そして──」


 ナターシャは布巾を動かす手を止めた。


「爆弾を準備する前に倒されるか、準備しても常に罠と警戒され回避されるかの二択でした」


 ユウマはそれを聞いて、半ば呆れながらうなずく。


「あ、あー……そりゃ、そうなるよ」


 しかし、それはトラップボマーとしてのナターシャの実力、怖さを認められたからに他ならない。


 シュナがそっとナターシャの肩に手を置く。


「……ナターシャ、ドンマイ。

 優勝のチャンスって、初回の“ユウマ巻き添え自爆テロ”だけだったんだよね……」


「はい」

 ナターシャは無表情のままうなずいた。


「愛は爆破なのです」


「怖すぎる!!」


 ユウマとフィーンが同時にツッコんだ。


《集計結果を発表します》


一位  :優勝15回 フィーン


 フィーンはマグナ=ヘリクスを掲げ、豪快に笑った。


「ハッ!見たか!?

 “あたしが最強!!”

 この二週間、毎日それ証明してやったからな!!」


 その誇らしげな声に、周囲の反応はさまざまだ。


「くっ……!しかもスキルを封印しての一位なんて」

 シュナは地団駄を踏んで叫ぶ。


「私は愛が足りなかったの!?

 いや違う、集中力! 次はユウマ一点集中で行く!!」


「助けてくれ……」

 ユウマは顔を覆う。


 そしてユーノス。


「ふふ……私は満足よ。13勝したしね。

仲間は強い方がいいでしょ?」


「たしかに……頼もしいよ……」


 ユウマは、好き勝手言い合うみんなを見て、ふっと笑みをこぼした。


「まぁ……結果はどうあれ、みんなマジで強かったよ」


 シュナがユウマへ飛びついてくる。


「ねぇユウマ!ユウマは何勝だったの?」


「俺? えーっと……シュナと同率で10回優勝の四位かな」


「やったぁぁぁ!!

 ユウマと“愛の同率順位”!!」


「やめろその言い方!!」


 それでも、ユウマは天井を見上げた。


「……AIの仕組んだ地獄のリハビリだったけど、身体もほぼ完治したし……」


 視線を戻すと──


 シルフィが優勝できなかった38回分の分析を始めていた。


「その嘘、本当、その嘘、本当、その嘘、本当っっっ!!」


 フィーンとユーノスが「最強の武器」について激論している。


シュナは「ユウマの隣を死守する場所取り争い」でじゃんけんに息巻いていた。


──ユウマは思わず笑ってしまった。


「……やっぱさ。

 頼もしい仲間に囲まれるってのは、最高の気分だよな!」


 こうして──リハビリを超越した、壮絶なバトルロワイヤルは幕を閉じた。

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