第十八話 メールでゆっくりお話ししよう!と考えていたら兄妹(きょうだい)談義になりました!
休日は、まったりのんびりと過ごしながらママの手伝いをしつつだらけることが多い私。
でも、たまには友達とのメールのやり取りも大切だと思ったんだよね!
面と向かってだと話せないこと、もしかしたらメールなら話してくれるかもしれないじゃない!?
だからじーっくりとメールをしてみることに!!(麗華センパイとのデートの時間まではまだ余裕があるよ!!)
『休んでるところだったかな?もしも起こしちゃったらごめんね!ツラかったらメールの返事は後回しで体を第一に考えてね!』
まず連絡をしたのは同じクラスメイトの土屋灯チャンだ。
なぜ彼女に?って、そんなこと決まってる!
最近、彼女の様子がおかしいからだ。
何がどうおかしいのかって聞かれると……なんとも説明に困ってしまうわけだけど、何かが変なのだ!
もともとそんなに口数は多い方ではなさそうだったけれどお喋りは出来るし、なにより植物に関することになると長めの前髪からちらりと見える目がキラキラ輝いて見せる。
だけれど、最近、そのキラキラ度合いが失ってしまったかのようにどんよりとした雰囲気が漂っているというか……学校も早退することが増えていた。
体調が悪いから、と早退していくのだが咳き込んでいて風邪を引いているふうってわけでもないみたい。
もしかして心の方の具合が悪いのかもしれない!
だったらここは話を聞いてあげないと!!!
私がメールを送ってから数分が経っただろうか……
もしかしてメールに気付いていない!?私が思っている以上に具合が悪かったりしてメールに構う余裕も無かったりするのかもしれないのか!?
最悪なケースだと、私のメールを無視されているということなのだが……さ、さすがにそこまで冷たい子じゃないよね!?
一人でうんうん唸っていればベシッと不意に頭を軽い力で叩かれた。
何者だ!?
「ぶつぶつうるさい、サル。発情期のネコか、お前は」
はっ!!!
まさか今まで考えていたことすべてが知らず知らずのうちに口に出ていたというのか!?
慌てて口元を両手で押さえたけれど逆に呆れたように笑って返してきたのは我が家の口が悪い代表、兄貴の圭だった。
「仕草がうるさい。もう少し落ち着け。見苦しい」
まさかのスリーコンボを食らってしまった私はなんとかノックアウトすれすれのところで持ち直した。
ま、まぁ自分の部屋じゃなくてリビングでくつろぎながらメールしていた私も悪いとは思ってるんだけどね!?もし何かあったらママにも相談できるかもしれない!(が、ママは現在買い物に出かけていた!)
「うぐぐ……っ、しょ、しょうがないじゃん!メールの返事がなかなか来なくて焦ってるんだってば!」
「メール?」
ジロリと目付き鋭い兄貴の視線が私の手元のスマホに集中。
さすがに家族とはいえ、他人のスマホの中身を勝手にみるようなことはしないだろう。そこは安心安心。
「……男か?」
「女だよ!友達!!」
「無視されてるんじゃないか?サルからのメールはしつこいって」
ぐぬぬ……く、口が悪くてムカつく……!!!
「ま、まだ一通しか送ってないし!!」
「お前、相手の気持ちとか考えてメールしたことないのか?そういう気分じゃないときだってあるだろうが、サル」
こんっっっっなに、めっちゃくっっっちゃ口は悪いんだけれど!!!
それでもめちゃくちゃシスコンなんです、この兄は!!!信じられる!?シスコンだったらもっと妹に優しくするもんじゃないの!?ってか、優しくしてよ!!
「……気分、かぁー……」
もしかしたら具合が悪いのかもしれない。
兄貴の言う通り、メールをする余裕が無いかもしれないし、メールをしたい気分じゃないかもしれない。と、すれば……今は灯チャンからの返事をすぐに期待するのは難しいだろうか……。
だったらーーー
『休日にごめんね!南クンも様子が変だったけれど、もしかして私何か変なことしちゃったかな!?もし文句があれば遠慮無く言ってほしいんだけれど……』
だったら選手交代だ。
同じくここ最近、様子がどことなくおかしく感じる南修吾クンにメールを送信ーーー……っと。
「……男か?」
「そうだよ、クラスメイト」
「……はあ!?やめろ、すぐ消せ、取り消せ!」
男、と聞けば一瞬(ほんとのほんとに一瞬)静かに固まったと思った兄貴がなんとその長い腕を伸ばして私のスマホを取り上げようとしてきたではないか!
兄貴は高身長だから腕も当然ながら長い。くそ、リーチがあるってのはそれだけでステータス高いんだぞ!!!
「ちょ、やめてよ!クラスメイトじゃん!友達じゃん!」
勝手にスマホの中身をチェックしないだろう、安心……って思っていた自分を否定したい!
絶対この兄貴は勝手に他人のスマホだろうがなんだろうがチェックする気だ!
なんとしてもそれだけは阻止しなければ!!!
「男と何のメールをする必要があるんだ!?話なら学校で話せば十分だろうが!」
「面と向かって話せないことだってあるでしょ!?」
ぎゃあぎゃあ、まさに口喧嘩。
兄貴の言うことはもちろん分かる!けれども、顔を見るとなかなか話せないことってあるじゃん!だからメールを使うのだ!それぐらい理解してもらいたい!!
「顔みて話せないことならメールで話すこともできないだろうが。顔みなきゃ言える話題だ?そんな薄っぺらい友人しかいないのか、サルは!」
ぎくり……
な、なんか何も言えない。
だってなんだかんだ言っても兄貴の言うことは正しさ満載なんだよ。
落ち着いて考えてみれば顔を見なければ気軽に話すことができるって、顔を見て話せることとなにが違うんだろう?
すっかり闘気を無くしてしまった私に『さすがに言い過ぎたか……」と気まずい顔をしつつ今度は優しい手付きと軽い力で私の頭をぽんぽんしてくれた。
うぅ……今度は優しくて、なんか……
「兄貴が優しくて、怖い……」
「こら。……それから『兄貴』じゃないだろうが。『お兄ちゃん』」
そ。
だいたい最後には私が言い返せなくなって終わる。
これが我が家の兄貴vs私との喧嘩の終わり方。いっつも兄貴が勝つけれどこれも先に生まれてきたせいで人生経験が豊かゆえなのか口も言葉も上手い。そして、なんだかんだ言いつつ私のことを考えてくれているようなんだよね……口は悪いけれど。
「……ご、ごめんね。お兄ちゃん……」
勝者、佐久間圭ーーー!!!
カンカンカンと勝利のゴングは見事に兄貴に鳴らされた。
やれやれ、と呆れつつも私からの『お兄ちゃん』発言に満足げな様子で自室に戻って行った兄貴を見送っていればメールの受信に気が付いた。
さて、灯チャンかそれとも南クンか!?
『悪い悪い!なんか心配させたか?不安にさせたなら謝る!けれど、俺よりも土屋のことをもう少し構ってやってくれるか?たぶんそれで土屋も俺も復活するから!』
これ、解決したのか……?
いや、たぶん私の求めていた答えではないと思う。
やっぱり兄貴の言う通りだったんだろうか……言いたくないことは面と向かってでもメールでも伝えてもらえなかったらしい。
残念、というか寂しかった。
ワケもわからず悩んでいるであろうクラスメイトの友人がいるのに、とても遠くに感じるようでーーー
願わくば、このままずっとずっと遠くに行ってしまわないように……
せっかくできた同学年の友人なのだから、仲が悪くならないように……と、そればかり祈っていた。結局、しばらく経っても灯チャンからの返事は得られないままだった。
メールってなかなか難しいですよね。急いで返したいけれど、これで内容大丈夫かな?って思ってしまって……。
そして今回はけっこう多めにお兄ちゃんがでばってきました!お兄ちゃんもなかなかな個性的キャラクターなのでファンが付いたら嬉しいです!!
そして次回はいよいよ、例の先輩とのデートが!!!
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JKハーレム勘弁!まだまだ続いていきますので見守っていただけますと幸いです。