第十六話 デートのお誘い受けていたら友人が変わっていくみたいです!
デートのお誘い!?
デートって……え、私と!?なんか、いろいろ違うような気がするんだけれど……ま、まぁ……いいか?別に知らない人ってわけじゃないんだし?
う、う~ん?
ちょっとモヤモヤっとしたものはあったけれど「私デートに行きます!」
「え、デート?ですか?」
突然のデートのお誘いに私はドキッとすることは一切なく、いきなり突然なぜ!?という気持ちの方が強かった。
声をかけてきた当人を見れば「ふふん!」と強気に、そしてまっすぐに私を見つめてきた。
ゴスロリガールの正体が分かってから(予告通り、きちんと挨拶に来てくれたけれど一瞬誰だか分からなかった)響麗華センパイはほぼ毎日のように時間さえあれば私の教室に顔を出し、そして時間に余裕があれば私の手を強引に引っ張って(華奢な手でひ弱だから振りほどこうと思えばできたのだけれど……)連れ出し、食堂や屋上、中庭などで同じ時を過ごすようになった。
お誘いは嬉しいし、正直なところ麗華センパイの話は面白い。
麗華センパイの趣味であるゴスロリについては私は趣味の範囲外なのだが麗華センパイがあまりにも楽しそうに話すものだからつい興味津々に耳を傾けてしまう。麗華センパイは他の生徒たちからすると氷のようだ、冷たそうだ、と言われてばかりいるがよくよく話に耳を傾けていけばとても熱い趣味をお持ちである。でも麗華センパイの趣味のことを知っているのは今のところ私だけで、これからもできれば内密にしてほしい、とのこと。
なぜ!?
勿体ない!
麗華センパイのゴスロリは完璧だった!(一回拝見しただけなのだけれど……)これを見れば他の生徒たちも私のように共感を持ったり、同じくゴスロリ系の趣味に目覚める人たちも増えるのかと思うのになぁ……。
もちろん教室での友人たち(席が前と隣ということで仲良くなった灯チャンと南クン)との時間も大切にしていきたいものだから毎時間毎時間を麗華センパイと過ごすわけにもいかないわけで……
「でしたら、今度の休日デートをしましょう!」
え、デート?
今、デートって言ったかこの人?
デートってアレだよね、恋人や恋人未満が仲を深めるために一緒に楽しくお出かけするという……あれ!?
「って、私とですか!?」
「貴女の他に誰がいらっしゃいます?裕理さんと私、に決まっているしょう!」
えええええ!?
ちょ、ええ?
ま、待って……!あ、頭が……お、追いつけ、情報処理能力!!!!
「えっと……で、デートって……何、するんでしょうか?」
「そうですわね……では、今回は私の家に来ませんか?お家デートというものにいたしましょう!」
お、お家デート……そ、それは……まったりのんびり過ごすって解釈で……OK???
センパイのことだもんな!きっとゴスロリのお披露目とかそんなところだろう!!
「よろしいですわね?では、はい、先約ですわ!」
先約?
「約束」とかはよく言うかもしれないけれど、「先約」?あんまり使わないんじゃ……。
拒否るとか、嫌とかって気持ちは無くて、ただ麗華センパイのお家デートかぁどんな感じなんだろ!って期待に胸が躍っていた。
そんな麗華センパイからのデートのお誘い(つまりは休日)を前日に控えた日のこと。
「な、なぁ佐久間。ちょっと良いか?」
あれ、『できる男』南クンがやけに歯切れが悪そうにしているけれどどうしたんだろうか?
それに気になると言えば灯チャンの様子もなんとなーくだけれど最近おかしいような……?おかしいというか、心ここにあらずというか……花壇のお世話も一緒にする機会が増えたと思って仲良くなってきて楽しい嬉しいと思っていたけれど(まさか楽しいと思っていたのは私だけ!?)私が花壇のお世話が下手で面倒をかけることもあるからそろそろお役御免になりそうだとか……?
「どうしたの?なんか、元気無いような気がするんだけれど……?」
「あー、元気無いって感じるか?最近、佐久間が三年のいろんな上級生たちと一緒にいるだろ?だから、それでさ……」
あ。
やっぱり上級生とばかり交流を持つことはマズかっただろうか。
私もつい学校の『先輩』との交流が楽しくなってしまって来るもの拒めずにいるのもいけないのかもしれない。だったら、今日はとことんクラスメイトとの仲を深めようじゃないか!!
「ごめんごめん!今日はとことん一緒にいるからね!」
「は?」
「あー、いや、こっちの話……」
いつもなら多かれ少なかれノってくるはずの灯チャンが静かだ。
具合でも悪いのか!?
「灯チャン?大丈夫?」
「!う、うん……だ、大丈夫だよ?」
う~ん、この反応は大丈夫じゃなさそうな予感だ。(男版ゆるふわ系代表の柊パイセンしての意見『大丈夫って言うヤツはほんとは大丈夫じゃないんだよ~?』)
灯チャンは緑化委員だし柊パイセンとも仲は良さそうだから(植物という共通点もあるから)こそっとメールで柊パイセンに連絡を取ってみることに。
だが……
『灯チャンの様子がおかしいんですが、最近変わったこととかありましたか?』
『変わったこと?う~ん、特には無さそうなんだがなぁ』
柊パイセンからは困った表情をしているアイコンばかり、それに倣って私も疑問ばかりが募っていく。ここは、思い切って本人に問いただしてみるべきか、みないべきか……
「……わ、私……今日、早退するね……」
あれ?
これもここ最近毎日のように聞いているような……
「体調?悪かった?ごめんね、すぐ気が付かなくて。保健室でちょっと休んでいく?」
隣では南クンも「あちゃ~……」と頭を抱えてしまった。
え、何かワケあり?
でもそのワケを私が知らないってだけ?
「ううん。い、家に早く帰って休むことに、するね……」
言うが早いか、通学カバンを持つ方が早いか、私がさらに追究しようと声をかけるより前に灯チャンはそうそうと教室を出て行ってしまった。
……え、どうしよう……一応、連絡先は知っているから時間をあけて具合の様子を確認してみようか。でも、今までの言葉のやり取り的に『大丈夫だよ』の返事がかえってくると予想される。
なーんか知っていそうな南クンをじろりと横目に見ればなんとも気まずそうにしている、そして私と視線を合わせないようにそっぽを向いているのだが……?
「南クン、灯チャンの様子について何か知ってるんでしょ?」
「あー、いや、どうなんだろ……いろいろ最近あったり無かったりしてるからさ……」
最近、何があった?
私とは相変わらずよくお喋りして花壇のお手入れもするぐらい。
何が無かった?
……トラブル?いやいや、トラブルは無いに越したことはないと思うんだけれど……。
「ま、まぁ大丈夫じゃないか?考える時間っつーか、落ち着く時間みたいなものが欲しいんだって、きっと。土屋にも、俺にも」
え、まさかの南クンも不調!?
「具合悪いなら休みなよ!熱とか吐き気は!?」
自分があんまり体を壊す機会が少ないものだから具合が悪くなったときのツラさというものがあまり理解できない。だからこそ身を乗り出して南クンの顔を覗き込むように心配してしまうのだがーーー
「!平気平気!!そんなぶっ倒れるようなモンじゃないから、な?」
遠慮されてしまった。
うう~ん、なんだかスッキリしない……。
二人して私に内緒にしていることでもあるのだろうか。私だけが部外者扱いなのか!?
ガーン!!!
「ホント俺は平気なんだって。だから頼むから佐久間は普通にいつものようにしてくれって、それが一番だからさ!」
……その『普通』っていうのが私には分からん!
その『普通』を教えてくれ!!!
明日は学校も休日になってしまう。
できれば『何か』あるのならば今日のうちに解決しておきたかったのだけれどどうやって聞いても答えてくれなさそうだ……。
私ってそんなに信用無いのかな……。
面と向かって話せないのであればメールだ!
休日は時間がある!灯チャンと南クンとは休日というたーっぷり時間があるときにでもメールという手段でじーっくり話を徹底的に聞いていこうじゃないか!
と意気込む私だった。
果たして二人は話を打ち明けてくれるだろうか……そればかりが不安だったのだけれど。
今まで感じたのことのないクラスメイトの友人お二方の変化に疑問と不安を抱かずにはいられない私だった。
デート取り付け、と友人たちの変化でした。
副会長はやはりぐいぐい来るタイプみたいです。
そして三年生と仲良し(に見ているクラスメイトの友人組)と思われていて寂しいのかやきもきしている様子です。
ちょっと主人公鈍いかな?もう少し鋭くいくところはいってもいいかもしれませんね!
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