ある日、森の中おっさんに出会った。
トドドドドドドユコト!?!?
私は確かに鳥ではなく人間だったはずだ。
待て、落ち着け。
ひとまず落ち着くために素数を数えるんだ。
よし行くぞ。
1,………待って、間違えt「ドゴーーン!!」
突然、けたたましい爆音が辺りに響き渡り、私の目の前にシロナガスクジラよりも大きい物体が高速で飛来してきた。
それは私の前を通りすぎて横にあった巨大な木にぶつかった。
暴風が辺りに吹きわたる。
「やっべ、どこまで飛んでった?素材とれないじゃん。」
人!?
「ん?何やってんのお前?てか、どうしてこんなとこにいんの?」
目の前に突然現れた中年の男は私に顔を近づけてくる。
ヒィッ。
その顔は目付きが悪く無精髭もまだらに生えたいかにも柄の悪そうな顔だった。
不味い。何か答えなきゃ。
「…………。」
ダメだ。ただでさえ人とコミュニケーションとれないのにこんな強面な人となんてしゃべれない!
「あれ、言葉通じてる?よくみたら人間族じゃなさそうだし。やべぇ、俺人間語以外しゃべれないんだよね。」
いや、通じてる!!待って、本当に何か言わないと。
「………。」
くっ、くそう。このままじゃややこしいことになる。
「あー。めんどくせぇや。放置しとくか。」
男はそう言って私に背を向ける。
!!
待って、待って置いてかないで!こんなところでまた一人になるのは嫌だ!
「……つ」
やった声が出た!
私の声に反応して男が振り返る。
「つ?」
「……通じてる。」
「あ?何が。」
「……言葉。」
私の言葉を聴いて、男の顔はみるみる不機嫌になっていく。
「あ?じゃあなんで俺の言葉無視したんだよ。」
ヒィィィ、ごめんなさい!!!